PATRICK PLEUL via Getty Images
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世界の長者番付の頂点を競うイーロン・マスク氏とジェフ・ベゾス氏は、それぞれの宇宙ロケット事業においても争いを続けています。

NASAは4月、アルテミス計画における月着陸船の開発契約をSpaceXに与えると発表しました。しかしベゾス氏のBlue Originは、従来ならこのような契約はリスク分散のため2社が契約を得てきたにもかかわらず、今回はSpaceX1社のみとされたのを不服として米国会計検査院(GAO)に抗議書を提出。これが却下されると、こんどはNASAを提訴して、SpaceXに足止めを食らわせています。


一連のベゾス氏(とBlue Origin)の行動に対して、マスク氏が快く思っているわけもありません。マスク氏は今週火曜日、テクノロジー業界のリーダーたちが集って開催されているCode Conference 2021の場で「(訴訟よりも)まずは軌道に到達することに注力すべきだね」、「いくら優秀な弁護士を連れてきて訴えたところで、月への道は得られないよ」とベゾス氏に向けてワンツーパンチを放ちました。

翌日、このことを報じた各ニュースメディアに対して米Amazonは、SpaceXも過去には調達に関するいざこざで米国政府を訴え、抗議してきた「長い実績」があるとして、その16件の訴訟や抗議の一覧を送付するというカウンターパンチを放ちました。

たしかにSpaceXは2019年、空軍のロケット開発契約をBlue Originらに獲得されたあと米国政府を訴えています。それ以外の多くはNASAではなく、米連邦通信委員会(FCC)に向けたStarlink衛星に関するものでした。

そしてメディアがこのAmazonの声明を報じると、マスク氏はすぐに「SpaceXは競争することを許可してもらうための訴訟を起こしたことはある。だがBlue Originは競争を阻害しようとしている」と反論のツイートで攻撃をかわしています。


米Amazonはこれまでにも、自前の衛星コンステレーション計画「Project Kuiper」への取り組みに関して、競合するSpaceXのStarlinkに対し幾度も抗議を行っており、8月提出した抗議においては最新のStarlinkに関する修正計画に対して「全てのFCCのテストに失敗するだろう」と述べていました。

SpaceXはAmazonが「今年に入ってからだいたい16日に1回、Starlinkに異議を申し立てている」とツイート、マスク氏は今月はじめ、ベゾス氏について「SpaceXに対して法的措置を取ることが、実は彼のフルタイムの仕事なんだ」とジョークを飛ばしていました。


Code Conの場でも、一連のBlue OriginやAmazonからの横やりについて問われたマスク氏はベゾス氏やVirgin Galacticのリチャード・ブランソン卿ら大富豪が競って宇宙開発の発展のために持ち金を投じていることは「クール」だと述べ「私は人類は最終的に惑星間にまたがる文明になるべきだと思う」「SF映画や小説で見た未来はいつまでもフィクションのままにせず、いつかは現実にすべきものだ。だから大金を投じて宇宙技術を発展させるのは良いことだと思う」と述べました。

おそらく、ベゾス氏も同じ考えのはず(と思いたいところ)ですが、それぞれの個性の違いなのか、両氏が見上げている宇宙は違う方向に拡がっているようです。

Source:CNET, CNBC