天の川銀河で初の高速電波バーストを観測。謎の現象は「マグネター」が発生?

強力に磁化した超新星の名残が時折エネルギーを放出しているのかも

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年06月15日, 午後 01:00 in space
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MARK GARLICK/SCIENCE PHOTO LIBRARY via Getty Images

われわれの住む天の川銀河内、地球から約3万2616光年のところにある非常に強い磁場をもつ中性子星が、突如として高速電波バーストを炸裂させました。これまで観測されている高速無線バーストの発生源は、近いものでも約4億9000万光年離れた別の銀河で観測されたもので、発生源を星レベルで特定したことはありません。

今回の高速電波バースト(FRB)は、4月下旬にNASAのガンマ線バースト観測衛星”スイフト”、カナダのドミニオン電波天文台に設置された観測装置”CHIME”、米国の”STRE2”望遠鏡などによって観測されました。発生源は”SGR 1935+2154”とされます。

オランダ・アムステルダム大学の天文学者エミリー・ペトロフ氏は「FRBがこのマグネターから発生したかどうかは、まだ確定したわけではありません」と念を押しつつも「これまでに発見した中でも最も有力な証拠です」と述べています。

このFRBは地球に近い場所で発生したことから、その発生メカニズムの解明についてより多くの情報を提供するかもしれません。マグネターは高速で回転しており、強力な磁場によって膨大なエネルギーが蓄えられている可能性が考えられています。そして、地球でいう自身のような現象かなにかをきっかけにマグネターの表面が破壊され、エネルギーが放出される可能性が考えられています。また別の説としては、マグネター周辺の、非常に強く磁化された環境が何らかの現象を起こしてバーストを発生させるというものもあります。

独マックス・プランク電波天文研究所のローラ・スピットラー氏は、SGR 1935+2154のバーストと同時に観測された他の波長、たとえばX線などのデータを掛け合わせて分析することで、発生メカニズムの究明に近づくことができるのではないかと予測しています。今回のバーストはガンマ線以外にもいつかのX線のバーストを検出しています。X線が高速電波バーストとともに観測されたのは初のことで、SGR 1935+2154が地球に近いために観測できた可能性があります。

とはいえ、SGR 1935+2154のバーストはこれまでに観測された遠い銀河での現象に比べて非常にエネルギーが小さかったとされます。その差には約1000倍もの開きがあり、別の銀河から来ているFRBは単にマグネター単体で発生したのではないことも考えられるとのこと。とはいえ、ペトロフは、これまでに観測されたFRBも、いくつかはマグネターが発生させた可能性があるとしています。

いずれにせよ、高速電波バースト現象は初めて観測されたのが2000年代に入ってからという、まだまだ未知の現象。これからどんどん新たな観測がなされ、その謎も解明されていくことが期待されます。

source:Nature

 
 

 

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