土星の衛星・タイタンにドローン探査機を送り込む計画が新型コロナの影響で延期

史上初となる「空飛ぶ探査機」の実現はもう少し先に

中田ボンベ(Bonbe Nakata)
中田ボンベ(Bonbe Nakata)
2020年09月29日, 午後 04:00 in nasa
0シェア
FacebookTwitter
NASA/Johns Hopkins APL

2020年9月26日(現地時間)、NASAは土星の衛星・タイタンの調査を行うドローン探査機「ドラゴンフライ」の打ち上げを、2026年から2027年に延期したとを発表しました。延期の理由については、新型コロナウイルスの流行などが原因だとしています。

NASAは2003年に太陽系の惑星調査を目的とするミッション「ニュー・フロンティア計画」を立ち上げました。このミッションではこれまでに冥王星や土星に無人探査機を送り込み、貴重なデータを取得しています。今回のタイタンのドローン探査は、ニュー・フロンティア計画の4番目のミッションとして2019年に発表されました。

土星最大の衛星であるタイタンは、現在発見されている衛星の中では唯一「大気がある」のが特徴。また、液体のメタンやエタンの海があるなど、創世記の地球に似た環境だといわれており、タイタンを調査することで、生命の発見、さらには生命誕生のヒントが得られるのではと期待されています。

これまでにも土星探査機「カッシーニ」の子機であるホイヘンスが着陸探査を行ったことはありましたが、タイタンの大気密度は地球のおよそ4倍あり、揚力が得られやすいことから、ドローンを使った探査が計画されました。ドローンは従来のローバー型よりも広い距離の探査が可能で、本ミッションでは火星探査ローバーが走破した距離のおよそ2倍に当たる175km以上を、2年半以上かけて調査する予定です。

本ミッションに用いられる探査ドローン「ドラゴンフライ」は、ダブルローターを計4組備えており、こうしたマルチコプターによる衛星探査は史上初の試みです。また、惑星・衛星探査機は太陽エネルギーを動力源にするタイプが多いのですが、タイタンは濃い大気が太陽光をさえぎってるため、太陽光パネルの充電ができません。そこで、ドラゴンフライには探査衛星にも用いられる、電池寿命の長い「原子力電池」を搭載。2年半以上の長期ミッションに対応します。

本来は2026年に打ち上げが行われ、2034年にタイタンに到着する予定でした。残念ながら2027年に1年延期となり、このスケジュールで打ち上げた場合、タイタン到着は何年になるのかは明らかになっていません。

先述のように、タイタンの探査は生命の謎を解き明かすヒントが得られるかもしれない重大なミッション。それだけに、再び延期することがないよう祈りたいところです。

Source:NASA


 

TechCrunch 注目記事新型コロナのソーシャルディスタンスを支援するビデオチャットアプリ8選

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]

 

関連キーワード: nasa, Titan, drones, news, gear
0シェア
FacebookTwitter

Sponsored Contents