NASA/JPL-Caltech/ASU
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火星での初フライトに向けて準備を進めていた火星ヘリコプターことIngenuityは先週、事前の高速回転試験中にソフトウェアが異常終了したため、現在は仕切り直してソフトウェアの問題解決に取り組んでいます。

すでにNASAは問題を特定しており、2つあるフライトコントローラーのソフトウェアをマイナーチェンジすることが最も確実な解決方法だと述べています。ソフトウェアを更新すれば、試験では失敗した"Pre-Flight"モードから"Flight"モードへの移行プロセスが安全に実行され、飛び立つ準備が整います。

ただ、修正したソフトウェアを約2.8億km彼方の火星の大地に向けて送信し、そこにあるハードウェア(Ingenuity)に正常にインストールするのは大変です。流れ的には、まずそばにいるはずのPerseveranceローバーへソフトウェアを送り、そこからベースステーションに転送、そしてベースステーションからIngenuityへ修正ソフトを流し込んでいく必要があります。簡単なように思えるかもしれませんが、要約してこれなので、実際にはリンクの確立からデータ整合性の確認などといった細かい手順が含まれるはずです。

記事執筆時点ではまだいつアップデートを実施し、いつ初フライトが可能になるかは定かではありませんが、来週ぐらいには、日取りも決まってくると考えられます。

チームがこの困難を乗り越えて成功に導くことができれば、それは初めて地球以外の惑星で制御された動力飛行を実現する、歴史的瞬間になることでしょう。

Ingenuityは現在もハードウェア的な問題は出ておらず、いわゆるヘルスチェックは良好な状態を保っています。この機体の使命は惑星探査ではなく技術的な実証実験であるため、多少のトラブルはあるものと思って見ておくのが良いでしょう。

Source:NASA