みんなでVRの世界を作れる「NeosVR」にハマってしまった

ツールがとにかく豊富

東 智美(Tomomi Higashi)
東 智美(Tomomi Higashi), @pichikyo
2020年09月7日, 午後 03:30 in VRChat
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この一年半ほどVRChatばかりやっています。SNSの投稿がVR関連一色になって、たまに会う人から「ものづくりやめたの?(しっかりやってます!)」「Oculusからお金もらっているの?(もらっていません 笑)」などと言われることが増えてきました。最近、フレンドから「NeosVR」(ネオスVR)に誘ってもらったらまんまとハマったのでご紹介します。

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NeosVRは、2014年にチェコのSolirax社によって開発されました。VRChatのようにアバター姿でフレンドと交流できるソーシャルVRのプラットフォームです。VRChatとの大きな違いはVR空間で直接クリエイティブができること。

Steamにて無料配信されておりOSはWindows 8.1以上のPC、ヘッドセットはValve Index、HTC Vive、Oculus Rift、Windows Mixed Realityが対応してします。

同じ空間にみんなで入って共同作業しながらWorldを構築することができます。VRChatでWorldを立ち上げるにはモデリングデータを3Dソフトでつくり、Unityを通してアップロードする複雑な作業が必要です。NeosVRは直接VR空間上の作業ができるので、オンラインマルチプレイ対応のマインクラフトをイメージしてもらうと近いかもしれません。

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UIはちょっと複雑。慣れが必要です。みんなでVRの世界を作れる「NeosVR」

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プリインストールされているオブジェクトを取り出して配置したり、岩など出力するマテリアルペンツールが豊富にあります。四次元ポケットのように無数に収納&取り出しができます。オブジェクトを両手で掴んで引っ張って拡大縮小。変形も自由自在。

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ツールそのものを自前で作ったり、中でプログラミングをしたり、VR内で直接開発できて自由度が高い分、覚えなければ使いこなせないツールが膨大にあります。

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カメラひとつとっても設定画面が複雑。使いこなせると被写界深度の浅いボケなどをつけることができます。これは私(@pichikyo)です。先日フレンドがつくった「命の輝きくん」をもらってネックレスにしました。新しいパーツを身に装着するのもNeosVRなら簡単。

初心者も熟練者も同じ空間で遊んだり作ったりできるので、フレンドで集まって、Worldをひとつ計画的に立ち上げてみよう、という話になりました。

テーマは遺跡。緑や岩など使うマテリアルが限定されていて、かつ、適当には配置してもそれなりにサマになりそうだったからです。ググってアンコールワットの遺跡写真を拝借し、参考資料を作成しました。

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まずはiPadでイメージ絵を描き…。

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みんなで予定を合わせて何もないところに集まり…。海と大地を創造。

天地創造の瞬間を動画でどうぞ。

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World内に大きなアートボードを設置し、話し合いながら遺跡制作の開始。

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なんとなーくみんなで中心地を決めたあたりから、各自バラバラに作りたいところを作り始めました。

熟練者が先導して、必要なツールを取り出してくれたり、水が流れるような難しいギミックを制作します。初心者は熟練者からもらったペンツールで石を描いたり、出してもらった草や木などの自然物オブジェクトを複製して並べたり、岩を積み重ねたり、ゴミを掃除したり…。初心者にも仕事がたくさんあって、習熟度関係なく皆で楽しめるのがNeosVRの凄さです。

ぴちきょ(わたし)は初心者なのでもっぱり石を積んだり…。

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延べ10人くらいでわいわい制作。アートボードのイメージからちょっとづつ離れていきます(笑)

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上から見た感じ。

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最後にいらないオブジェクトを拾い集めてゴミ掃除をして...

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完成…!!

10人がかりで述べ5時間。なにもないところから、たった2日でひとつのワールドが出来あがりました! 凄すぎませんか…!? 繰り返しますが、VRの空間です。VRなので360度実物大の世界が広がってるんです!

「みんなでわいわいおしゃべりしながら同じ仮想空間に入ってクリエイティブをする」体験は、学生時代の文化祭の準備のようで、楽しすぎて、時間を忘れます。「なんで鳥居つくるの?!」「もはや遺跡じゃないじゃん!」「むしろ和風になってきたよね」「その木デカすぎ!」「データが重くなるからもう花は植えないで!」などとげらげら笑いながら、ひとつの空間に集まり、空を飛びながら世界をつくるって、VRならではの新しい創作活動のカタチではないでしょうか。

運営に直撃してみた

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さて、NeosVRを運営しているSolirax社ってどんな会社なの? いろいろ検索したのですが、なかなかこれといった情報が出てこないので、思い切って、Twitterの公式アカウント(@neos_vr)に連絡をとり、CEOのKarel HulecさんへZoom取材を申し込んだところ、快諾いただきました。

ファウンダーの2人、KarelとFrooxiusは、2013年にMTBS Forumで出会いました。2014年にSolirax社を設立し、シリコンバレーに渡米。そしてVRChat社にも投資をしている、ローテンベルグ ベンチャーズ(Rothenberg Ventures)のマイク・ローテンベルク(Mike Rothenberg)氏から合計40万ドルの投資を受けました。最初の投資額は10万ドル。さらに2人の昼夜問わない働きぶりと情熱に、追加で30万ドルが入ったそうです。夢がありますね…! お向かいのビルにはなんとVRChat社が入っていたそうです。

2人は1年間サンフランシスコで生活した後、チェコのチェスケー・ブジェヨヴィツェのKarelさんの実家に戻りました(Frooxiusさんもそこに住んでいるそうです)。NeosVRは、ユニティ(Unity)をベースとしていない独自プラットフォームであるため、開発には時間も費用もかかります。地価も物価も高いシリコンバレーで生活するのはマイナスだ、と判断したそうです。

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今は、ブロックチェーントークンによるNeosVR内売買が可能な「Neos Store」を準備中とのことです。通貨は「NCR」。NeosVR管理のウォレット内での扱いになります。暗号通貨イーサリアム(ETH)で購入することができます。また、クラウドファンディングのプラットフォーム「ペイトリオン」(Patreon)を通してパトロンとして支援することで、支援額に応じたNCRを毎月もらうことも可能です。

投資やパトロン以外のマネタイズにについて尋ねたところ、セカンドライフのように土地をSolirax社から販売するようなことは考えておらず、毒を排除しながら(Poisonと表現していました。余分な資本や場を荒らすようなユーザーという意味で解釈しました)、健康的でゆるやかな成長を求めているそうです。彼らが最も大切にしているのは、コミュニティの創造性とクリエイター達、それを大切にし続けたいとのことでした。

私もイーサリアムを少し持っているのでNCRを購入し、また、パトロンにもなる予定です。大好きなプラットフォームの成長のお手伝いに投資するって、とても夢がありますね。

NeosVRはまだまだユーザー数が極めて少なく、同時接続平均がいいところ世界で80人前後しかいないという、極めてニッチなプラットフォームです。世界ぜんぶで同接平均80人って…! 少人数の情熱や想いで日々、世界が更新されています。

3DモデリングやプログラムをVR内で行う、という非常にとっつきにくい分野ですが、実際体験すると、3Dモデルソフトを使うよりも直感的に、浜辺の砂で城をつくるような感覚で、遊びながらクリエイティブを楽しむことができて感動しました。

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作ったデータはコンバートして3Dソフトへ落とすこともできるので、その他のVRプラットフォームへも移行可能です(マッピングが外れてしまうなど、かなりクセはありますが)。ブレンダーやユニティはさわれないけれど、3Dクリエイティブに興味がある、VR上でブロックチェーンを体験してみたい、なんて方は、NeosVRに飛び込んでみてはいかがでしょうか。

関連リンク:NeosVR

 

 

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関連キーワード: VRChat, games, VR, oculus, news, gear
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