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2017年にアニメ専門のクリエイティブチームを発足させるなど、アニメ作品に注力しているNetflixが、東京の自社オフィス内に「アニメ・クリエーターズ・ベース」を新たに開設しました。

同社が独自に開発・配信するアニメ作品に関わるデザイナーやクリエイターが集まるコミュニティとの位置づけで、シャワーや仮眠室も用意します。当初はアイデア段階にある作品のふわっとしたイメージを視覚化して伝える「コンセプトアート」の制作に専念する一方、長期的にはアニメ制作ツールの提供や、技術進歩を広く支援することを目指します。

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アニメ・クリエーターズ・ベースは以下の3つの空間で構成されています。

<デザイナーズ・ガレージ>

デザイナーやアーティストが席を置く空間。クリエイターズ・ベース所属のデザイナーには石舘波子とサイナ・シセの2名を迎え、当面コンセプトアートの開発を主な業務とすることで、作品開発の初期段階の制作過程をサポート。今後多面的にパートナーの支援を拡大するにあたり、さまざまな専門分野からスタッフを迎え入れる予定。

<ライターズ・ガレージ>

Netflixのアニメ作品に関与するクリエイターなどが集まり、シナリオを組み立てたり、作品の核となる脚本の打ち合わせを行うなど、新規作品のブレーンが集まるクリエイティブな空間。

<ラボ>

将来的に作品で用いることのできる技術を試行する空間。今後バーチャル・リアリティ(仮想空間)などの最新技術を試験的に使用したり、モーション・キャプチャー技術を試せるような空間へ進化させ、今後の作品づくりにイノベーションを起こし続けることを目的とした多目的スペース。

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Netflixのアニメ チーフプロデューサー櫻井大樹氏は同施設について、シャワーや仮眠室、大きいソファが完備されている点を挙げ『クリエーターはまず(その場所が)住めるかどうかを見るが、ここなら住めそうだと思った』とコメント。施設の充実ぶりをアピールしました。

なお、同施設を開設した理由について櫻井氏は次のようにコメントしました。

『デザイナーさん、アニメーターさん、それから脚本家さんを一つの場所に集めて、作品を制作していく上で不足がちなツールをいつでも支援できるようなコミュニティーを作りたかった。(中略)クリエーター・ベースは「部活」という感じかなと思います。制作会社さんとか、原作者さんと密に連絡をとりながら制作の支援ができるような体制が築ければと思っています』(櫻井氏)

(追記:Netflix広報代理によると、シャワーおよび仮眠室は、同施設が入るNetflixの東京オフィスに設置されているもので、クリエーターズ・ベース自体には設置されていません。しかし、クリエーターズ・ベースを利用するクリエイターやデザイナーも利用できるとのことです。)

日本のアニメが世界で人気の理由は

Netflixによると、全世界で1億2000万世帯以上が、年間で1本以上のアニメ作品をNetflixで視聴しているとのこと。また、100か国以上で人気ランキングのTOP10に少なくとも1つのアニメ作品が入るなど、アニメ作品の人気が世界的に高まっています。

その中でも、日本のアニメ作品が人気だといい、その理由についてNetflixの櫻井氏は次のように述べました。

「1つにグローバルプラットフォームが整ったことで、作品にアクセスしやすくなった。それまではオタクっぽいアニメショップに行かないと作品を観られなかったが、Netflixの場合は仮に興味がなくても選べば再生されるようになった。再生したからといって余計に課金されるわけでもないので、見てみたら案外面白いじゃんこれと思ってもらえるのが理由」

「2つ目に、これは神山健治監督がおっしゃっていたことだが、アニメーションは絵で書いてあるぶんだけ、ナショナリティーがどこにもないんじゃないか。アニメのキャラ、これ日本人だなアメリカ人だなとかドイツ人だなとか意識していない。どの国の人も異国のものと思わずに見ているんじゃないかと神山監督がおっしゃっていた」

なお、同施設は本日(9月10日)より正式オープンしています。

Source:Netflix