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Netflix / TRIGGER・雨宮哲 / 円谷プロ / GRIDMAN製作委員会

Netflix がAndroid版アプリで新オーディオコーデック xHE-AAC の採用を発表しました。

可変ビットレートやラウドネスマネジメント、ダイナミックレンジコントロール(DRC)といった機能が加わることで、ネット環境にあわせてモバイルでも「スタジオクオリティ」の高音質で聴けたり、ジャンルの違う番組を切り替えてもボリュームを変えることなく会話が聞き取りやすかったり、周囲がうるさい状況でも小さな音を聞き逃さないなど、時と場合と使用機器で大きく変わるモバイル環境でもより良い音でネトフリを楽しめるようになります。

xHE-AAC (Extended HE-AAC with MPEG-D DRC)は、ネトフリが従来からモバイル向けに採用してきたHE-AACを拡張した最新コーデック。

Netflix tech blog Dynamic Range Compression figure
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ストリーミング動画サービスとして映像については長年可変ビットレートを採用してきたネトフリですが、意外にも音声では2019年に初めてテレビ向けに導入したばかりでした。

xHE-AAC 規格には帯域にあわせてシームレスにビットレートを変更するアダプティブビットレートが含まれるため、回線が細い場所でも途切れにくく、太ければマスター音源と区別できないという「スタジオクオリティ」の高音質まで向上できるようになります。

ダイナミックレンジコントロールは、大爆発から小さな物音まで、環境によらず聞き取りやすくすることが目的。防音のホームシアターや遮音性の高いヘッドホンならば、会話を快適に聴き取りつつ、わずかな背景音も大きな爆発音もしっかり捉えて作品の意図どおりに楽しめますが、周辺に騒音があったり、再現できるダイナミックレンジが狭い小さなスピーカーでは、小さな音が聞き取れなかったり、逆に会話がうるさくなりすぎたりといった問題があります。

xHE-AAC コーデックならば、MPEG-D DRCメタデータとAndroid OS側の対応で、環境に応じたダイナミックレンジプロファイルを切り替えることができ、たとえば環境音がうるさい状況向け・深夜など周囲が静かな環境・会話を聞き取りやすくといった効果をアプリ側で制御できるようになります。

ネトフリによれば、Androidで xHE-AAC を使った場合とそうでない場合の比較テストでは、番組を切り替えた際にボリュームを変更したユーザーの割合(会話を基準にしたラウドネス調整が効いていれば番組ジャンルが変わっても頻繁に変える必要がなくなるはず)、視聴を始めてから本体スピーカーからヘッドホンに変更した割合(聞き取りにくいのでイヤホンを出した可能性がある)といった客観的な指標で、xHE-AAC が有意にオーディオ体験を改善したと考えられる結果が得られたとのこと。開発者向けの詳しい解説はリンク先へ。

Netflix の xHE-AAC 対応はまずはAndroidアプリで、Android 9以降の対応機種で有効になります。xHE-AAC コーデックは、今後ほかの対応プラットフォームにも拡張する予定。iOS も OSとしてはiOS 13以降で xHE-AAC デコーダに対応しています。

Optimizing the Aural Experience on Android Devices with xHE-AAC | by Netflix Technology Blog | Jan, 2021 | Netflix TechBlog