任天堂が「あつまれ どうぶつの森」大ヒットを受けスマホゲーム事業を見直しの噂(Bloomberg報道)

自社コントローラーを繋げないスマホでは本気を出せないとの分析も

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年06月23日, 午後 07:00 in nintendo
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任天堂がNintendo Switch用「あつまれ どうぶつの森」大ヒットの一方でスマートフォンゲーム事業が期待外れだったため見直しを行い、再び家庭用ゲーム機に焦点を絞っているとの噂が報じられています。

米Bloombergは、任天堂の古川俊太郎社長が2018年6月の就任当時、スマホ向けゲームを年2、3タイトル継続的に配信して早期に(当時の売上の数倍となる)年間1000億円規模に引き上げると述べたこと。そして今年5月にスマホ向けゲームアプリ開発は続けているものの「現時点で何か具体的に新しいものを発表できる段階にはない」との発言を引用し、任天堂がスマホ向けゲーム事業に幻滅しつつあると示唆しています。

大手アプリ調査会社Sensor Towerのデータによると、今年2~5月に新型コロナ禍による外出禁止のなか他のスタジオが空前の収益を上げていたのに対し、任天堂の主力スマホ向けゲームは2ケタの急落を記録していたとのことです。その一方で「あつまれ どうぶつの森」がウイルスの不安から逃れる避難所となってスイッチ人気を新たな高みに後押しし、任天堂の株価を12年ぶりの高値に押し上げました。これが同社の家庭用ゲーム機シフトをさらに加速させるというわけです。

スマホゲームから家庭用ゲーム機へのシフトは最近始まったことではなく、モバイルゲーム産業アナリストのセルカン・トト氏(ゲームマーケットのコンサルタント会社カンタンゲームズ代表)いわく「2019年秋に『マリオカート ツアー』がリリースされて以来、任天堂のモバイル開発ラインは空っぽになっている」とのこと。任天堂が家庭用ゲーム機で大成功を収めたため、モバイルにリソースを投入する必要性とプレッシャーは軽減されていると語っています。

なぜ、任天堂のスマホゲームの収益は不振なのか。BloombergはトップランクのモバイルゲームのほとんどがF2P、すなわち基本プレイは無料だが強力な武器の購入などにお金を使わせる「ガチャ」を積極的に活用しているのに対して、任天堂はそうではないことを指摘。こうした搾取的なシステムを規制当局が厳しく取り締まることに伴って批判も強まっているなか、任天堂はフランチャイズのブランド価値を損なうことを恐れて、提携している会社にユーザーが課金しすぎないように要請しているーーとは同誌が以前も報じていたことです。

任天堂のスマホゲームへの熱意が薄れている理由としては、スマートフォンというプラットフォームに限界を感じていることも挙げられています。すなわち同社は自社のフランチャイズが「デザインby任天堂」のコントローラーに接続されてこそ最も輝くと考えており、タッチスクリーンしかないスマホでは決して快適にプレイできないと信じているとのことです。

ほかスクウェア・エニックス・ホールディングスのビジネスモデルが「まず高解像度の家庭用ゲーム機で人気を博し、次にスマートフォンのアプリにプレイヤーを誘導して収益に繋げている」のに対して、任天堂は手数料を支払う必要のない自社プラットフォームにゲーマーの支出を集中させたいのであり、あくまで目標は「スマートフォンからゲーム機に顧客を送り込む」であって逆ではないことなど、興味深い分析も述べられています。

そもそも任天堂にとってスマホゲームは、家庭用ゲーム機市場の落ち込みの補完や、マリオなどIPを広く知らしめて自社プラットフォームに興味を持ってもらうための入り口に過ぎなかったはず。いわば補助輪に過ぎない事業だけに、本業のNintendo Switchが好調であれば存在感が薄まるのも当然の成り行きかもしれません。

Source:Bloomberg

 
 

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