DOOM

任天堂が自社ゲームを無断移植したソフトウェアや動画を取り締まることは珍しくありませんが、携帯ゲーム時計『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』のハッキング方法を詳しく解説したYouTube動画を著作権侵害により削除させたことが明らかとなりました。

「stacksmashing」を名乗るハッカーは、新作ゲーム&ウオッチ公式発売日(11月13日)の前日にフライング購入に成功。そして14日にはハッキング解説動画を投稿しましたが、今週初めに任天堂からの著作権申し立てにより削除されました。また「任天堂のゲーム&ウオッチにhomebrew(様々なアプリやエミュレータを動かすためのツール)を持ち込む」と題された別の動画も、やはり著作権申し立てにより消されています。

とはいえ全てのハッキング動画が消されているわけではなく、「移植版DOOMをロードする方法」および「ファームウェアをダンプする方法」は今なお健在です。これらにはゲーム&ウオッチ上で動いている任天堂のゲーム映像は含まれておらず、そのため著作権侵害の申し立てから免れたのかもしれません。

任天堂はすべてのゲーム&ウオッチ映像を自動的に標的にしているわけではない模様で、著作権で保護された(スーパーマリオの画像)をフィーチャーしながらもレビューした動画はたくさん生き延びています。著作権を持つ任天堂はDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づき幅広い裁量を与えられており、上記の動画削除も「法務関係者が問題だと認識し、手動でYouTubeに申請した」結果だと推測されます。

以前のファミコンミニやスーファミミニといった復刻レトロゲーム機はUSBケーブルを経由したハッキングが比較的簡単でしたが、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」のCPUはロックされ、フラッシュメモリはAES暗号化、USB-C充電はあるもののデータ接続がないために難度は段違いに高くなっています。

公開されている解説動画でも、システムをクラックしてオープンにしたり、自作ハードウェアを使ってカスタムファームウェアをダンプしたりと工夫の限りが尽くされており、とても素人が真似できるとも、ハックが広まるとも考えにくいのですが、任天堂としては「ハック動画に自社ゲームの映像が使われる」ことを防ぎたかったとも憶測されます。

またゲーム関連ハック動画の例に漏れず、今回もDOOMが素材に使われています。DOOM専用1ボードマイコンから896コア/1792スレッドのXeonマシンまで、あらゆるハードでDOOMを動かすことを使命づける遺伝子が人類には組み込まれているのかもしれません。

Source:ArsTechnica