Nissan USA
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日産USAが「今年最も魅力的」と謳うコンセプトカー『GT-R (X) 2050』を発表しました。2050年に街を走っていると想定される自律型マシンで、乗員は4つの車輪の間にうつ伏せ状態で乗り込み、脳波で運転します。

このコンセプトカーをデザインしたのは韓国人デザイナーJaebum "JB" Choi氏。今年1月からNissan Design America(NDA)にインターンシップを開始したChoi氏は、約2か月の間社内プロジェクトに加わったものの、3月に新型コロナの拡大によるロックダウンのため自宅で仕事をこなしつつ、残りのインターン期間で”vision humanoid”なるプロジェクトを開始したと述べています。

そのプロジェクトを気に入ったNDAは、ロックダウン解除後にChoi氏を招き、全長3mの実物大モデルの制作を支援することにしました。NDAのバイスプレジデント、デイヴィッド・ウッドハウス氏は「Choi氏は非凡な才能と想像力を持つデザイナーであり、脳波で走るというコンセプトはわれわれが開発している運転支援技術『B2V』における日産の高度な取り組みに一致するものだったので、Choi氏がアイデアを1:1モデルとして作り上げるのをNDAのチームで支援することにした」としています。

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GT-R (X)は、「ウェアラブルマシン」として人間の形そのままに構築されています。その形状はAI自動運転レースのRoborace用マシンにも似たデザインですが、まったく違うのは上面ハッチを開けて、ドライバーが腹ばいになって乗り込むところ。前面投影面積が非常に少なくなり、空気抵抗を極限まで減らすことを可能としています。

しかし、腹ばい状態では前方を見るのは非常に困難。そのためこのマシンにはフロントガラスを通してではなく、VRヘルメットにその映像を描き出します。またヘルメットは脳波を取り出す電極を備えており、背中に背負うバックパックで思考をデジタル変換してマシンを操ります。そのためステアリングホイールやペダル類などはこのクルマにはありません。

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なお、このクルマを実現しようとするなら、360度あらゆる方向に回転可能だというホイールをはじめ脳波を変換する「プラズマエネルギーコア」なる装置を開発しなければなりません。おそらくそれも2050年までには技術革新で実現しているのでしょう。

NDAは「Choi氏は基本的に馬車から派生した従来の車両ではなく、衣服のようなウェアラブルマシンとして体験できる新しい交通手段を考えました。これは、NDAでは常に奨励されている型破りな発想です」とインターンの学生の創造力を褒め称えています。

ただ、優れた創造力が生み出したコンセプトカーで、丸形4灯のテールランプもいちおう備えているとはいえ、これを「GT-R」と言ってしまって良いものか…という感想を持つ人は多そうです。うつ伏せに乗り込むウェアラブルカーという発想は、2014年にシャパラルが『グランツーリスモ6』向けのコンセプトカーとして発表したChaparral 2X VGTに酷似しています。

しかし日産には、かつてル・マンに投入し玉砕したFFレイアウトのレーシングカーにもGT-Rと名付けていた前例もあり、たとえ見た目が特異でも日産がGT-Rだと言うのならそれはGT-Rに違いありません。ひょっとしたら、30年後の2050年にはこのGT-R (X)が自動車デザインのトレンドど真ん中になっていないとも限りません

source:Nissan USA