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昨年来暴騰し続け、ここ数週間でようやく価格が落ち着いてきた感のあるハイエンド・ミドルレンジGPU「GeForce RTX」ハイエンドGPU「Quadro RTX」。これらGPUエンジンのパフォーマンスを使ったAIで、描画を支援……というか、落書きのようなラフ・線画、はっきり言えばただの落書きからでも、リアルな風景画を描画するというWindows 10用アプリ「NVIDIA Canvas」が無償でNVIDIAから配布開始されています。

GeForce RTX2060ユーザーの筆者も早速、使ってみました。なお、このアプリ、インストーラーのサイズが1GB程とちょっと大きいので要注意です。

これは楽しい! 適当にアタリをつければ美しい風景画に!

簡単に言えば、おおよそのアタリを付けてこのあたりに、山とか岩、海、森、というようにペタペタと指示をしていくと「NVIDIA Canvas」がそれを汲み取って、上手に描いていってくれるというアプリです。

文字で説明するより動画を見ていただいた方が早いかも。

左ペインで「砂」「海」「雲」、この3要素を直線的にべた塗しただけで、AIが右図のような浜辺の景色を作成してくれます。

絵心がない筆者でも、「なんとなくこんな形」で指示すると、意図を汲み取ってそれっぽい絵を描いてくれます。素晴らしいではないですか。

fujisan
Satoshi Yamato

▲雪をかぶった富士山…にしたかったんですが、ちょっと頭でっかちになってしまった……。

(しかし、さすがにあんまり人間が何も考えずに「丸書いてチョン」などとすると、単に「丸にチョン」しか描いてくれないところも、さすがにAIというところ……ということにしておきましょう。)

丸書いてチョン
Satoshi Yamato

▲「丸書いてチョン」の結果は…単に「丸にチョン」でした。

もちろん、人間がそれなりに書き込めば、それなりにちゃんとしたものを描いてくれます。

所要5分程度描きこんでみたのが下の絵です。とても5分で作ったとは思えないクオリティでしょう。なお、5分の所要時間のうち、ほぼ5分まるまる人間の作業時間で、AIの描画時間はほとんどかかっていません。

NVIDIA Canvas sample
Satoshi Yamato

▲このくらいで所要5分。AIはほぼリアルタイムで作業をこなします。

そうそう、この「NVIDIA Canvas」のウリとしては、AIによる高速な自然の描画のほかに、PhotoShopなどにデータをエクスポートして転用できることが挙げられています。

ただ、このエクスポート機能を試してみたのですが……。

確かに.psd形式ファイルが作られるのでPhotoShopで読めるものの、AIが作った綺麗な画像が1枚の背景画になっていて、その上に人間の描いたラフがレイヤーとして重なった状態で入ってしまっています。なんというか残念。

正直、AIの作った画像がレイヤーごとに分かれていれば使い道は大いに広がったと思うのですが、そこが背景としてすべて結合されてしまっていては、イマイチ使い勝手が限られてしまう気がするのですがどうでしょう(それに、人間の描いたラフの方は要りませんし)。

Photoshopの画面
Satoshi Yamato

▲PhotoshopからNVIDIA Canvasのデータを見たところ。完成画像が結合された背景になっていてかなり残念。

なお、我が家のNVIDIA Canvas実行環境は、第7世代Core i5 7500(@3.4GHz)+GeForce RTX2600とお世辞にもあまりパワフルとはいいがたい構成。が、それでも人間がラフを描いてからAIがリアルな風景画に反映するまではほぼリアルタイムと言っていい程度の時間しかかからず、処理はかなりスムーズでした。基本的にRTXシリーズを積んでそれなりにゲームができている環境であれば処理が重いというようなことはまずなさそうです。

それと、まだまだべータ版ということなのか、ごくごくまれに予告なしにアプリが落ちることがありました。操作中はこまめにデータを保存しておいた方が良さそうです。

とはいえ、AIが作ってくれる背景画そのもののクオリティには素晴らしいものがあります。それに、これをものの数分で作れるというのは、応用次第では、さらにいろいろ面白いこともできるようになるかもしれません(個人的には人工的な建物も入れてほしいところ)。これからが楽しみなアプリです。

関連リンク:NVIDIA Canvas