「現存する最古のコンピューター」Zuse Z4、長く失われていたマニュアルが見つかる

ナチス時代に開発、その後ジェット戦闘機やダムの設計計算に活躍

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年09月24日, 午後 02:00 in zuse
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floheinstein / Flickr
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ドイツの土木技術者コンラート・ツーゼが1943年から1945年にかけて開発・構築した、最古の商用デジタルコンピューターとも言われるZuse Z4は、現在ミュンヘンのドイツ博物館に収蔵されています。

この壁一面を占有するほどの大きさのコンピューターは、はるか昔にその取扱説明書が失われており、博物館の研究員や専門家でも、それをどのように扱うのかに関しては限られた知識しかありませんでした。

ところが、チューリッヒ工科大学でアーキビストを務めるEvelyn Boesch氏が、父親のRené Boesch氏の書物の中からこのマニュアルを発見していたことがわかりました。René Boesch氏は大学の航空機開発研究所にあったスイス航空工学協会と関わりがあり、そこでは1950年代にZuse Z4が使われていたとのこと。

Boesch氏の書物の中には、取扱説明書のほかZuse Z4を用いて行われたP-16ジェット戦闘機の設計開発における計算、たとえば、ロケット軌道や翼の設計、フラッターの振動やノーズダイブ時の軌道といった様々な要件の計算内容が含まれていたと、計算機関連の学会Association of Computing Machinery(ACM)に報告されています。

その動作はというと、駆動周波数が40Hz、演算速度は加算で約400ms、乗算には約3.5秒、除算と平方根の演算には約6秒ほどかかります。なお、Z4はスイスにある世界最大級の重力式コンクリートダム、グランド・ディクセンスダムをはじめとする土木設計にも用いられたとされています。

世界初の商用デジタルコンピューターとも言われるZuse Z4ですが、その仕組みは約2500ものリレーを使った電気機械式であり、今日のコンピューターのような電子回路を用いるものではありません。データの入出力には穿孔テープを用い、メルセデス製のタイプライターを使った文字出力も可能でした。

コンラート・ツーゼはナチス政権のもとでZ4を開発しました。そのためナチスはそのコンピューターに目をつけ、ロケットやミサイルを製造していた強制収容所にそのコンピューターを設置させようとしました。しかしツーゼはそれを拒み、この巨大な電気機械をヒンターシュタインと呼ばれる小さな町の納屋に移設して大戦が終結するのを待ったとされます。

その後、スイスの数学者エドゥアルド・シュティーフェルがチューリッヒ工科大学での研究のためにZ4を入手したとされます。その後Z4はフランス・サン=ルイにある研究機関ISL(The French-German Research Institute of Saint-Louis)を経て、1960年にドイツ博物館に寄贈されました。

source:ACM
via:Motherboard


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