OPPOブランドでスマートフォンを展開するオッポ・ジャパンが10月8日に会社名をオウガ・ジャパンに変更しました。既報のとおり、来年の事業拡大が社名変更の理由ですが、オウガの名称はOPPOやOnePlus、Realmeの持ち株会社「欧加ホールディングス」の「欧加」の日本語読みであることは容易に推測されます。ちなみにOPPOの元の中国語名は「欧珀」、OnePlusは「一加」。両者から1文字ずつとって欧加という名前になっています。

オッポは着々と日本事業を拡大しており、2019年に投入したReno(リノ)ブランドでは日本専用モデルの投入や指原莉乃さんをCMに起用するなどして若い世代に認知度を広げています。MVNOでの取り扱いも増え、中低価格帯のモデルながら高性能なカメラを搭載しており人気も高めています。BCNランキングでは7月のSIMフリースマートフォン市場でOPPOが初の1位となったほどです。

Reno A

OPPOの現在のビジネスはRenoシリーズを中心としたミッドレンジ、Aシリーズの低価格モデルとなっています。ハイエンドモデル「Find X2 Pro 5G」もKDDIに納入していますが、Galaxyに加えiPhone 12シリーズが発売になった今、まだブランド力が浸透していないOPPOのハイエンド機が日本でどれくらい売れるかは未知数です。さらに日本にはソニーモバイルコミュニケーションズのXperia、シャープのAQUOSもあります。Find X2 Pro 5Gだけでは複数のハイエンドモデルを擁する他社と競争するのは難しいでしょう。

OnePlusはハイエンドスマートフォンを中心に海外で展開しており、オンライン販売を強化することで欧米でも多くのユーザーを抱えています。ガジェット好きなマニア層がOnePlusのスマートフォンを買う例も多く、海外YouTubeを見てもOnePlusユーザーの姿をよく見かけます。OPPOとは別会社とはいえ、OnePlusのハイエンドモデルはOPPOのポートフォリオの弱い部分を補っています。

ハイエンド端末メーカーのイメージが強いOnePlusは日本市場でも十分受け入れられるだけの製品を展開しています。端末の大幅な値引き販売がなくなったとはいえ、日本は今でもハイエンド嗜好の強い国です。OnePlusの最新モデル「OnePlus 8T」はSnapdragon 865に4800万画素+1600万画素+500万画素+200万画素のクワッドカメラを搭載しており、日本の消費者にも十分通用するでしょう。ヨーロッパ向けモデルはRAM8GB+ROM128GBで599ユーロ、約7万5000円。価格競争力も十分あると思われます。

一方、Realmeは市場参入当初のインド向け低価格モデル中心のラインナップから、今では5Gスマートフォンも展開しています。中国では早くも1000元(約1万6000円)前後という格安5Gスマートフォンも複数販売しています。999元の「Realme V3」はRAM4GB+64GB、カメラは1300万画素+マクロ+ToF、ディスプレイは6.5インチ1600x720ピクセルとスペックは低いものの、5Gに対応しており5Gのエントリーモデルとしての存在感を高めています。仮に日本で発売されるとすると、価格が多少上がっても2万円台半ばでしょうか。現在日本で販売されている低価格5Gスマートフォンは4万円弱ですから、そこから1万円以上も安いのです。

このようにOnePlusはOPPOの弱いハイエンドスマートフォンをカバーできるため、日本上陸の可能性は十分ありそうです。またRealmeは低価格モデルが充実しています。OPPOの今のブランドイメージを守ることを考えると、OPPOブランドで1万円台のスマートフォンは出しにくいところ。そこで格安モデルとしてRealmeを投入するという動きもあるかもしれません。

Realmeは日本ではまだマイナーな存在ですが、カウンターポイント社の調査では2020年第2四半期のグローバルシェアは8位となっています。もともとOPPOのサブブランドでしたが、OPPOから独立して別会社になったことで独自のモデル展開を行い、毎月のように新製品を出しています。その結果各国で存在感を徐々に高めているのです。

なおスマートフォン出荷台数で、シャオミ、OPPO、Vivoはここ数年4位グループとしてほぼ同じ数値を残しています。2020年第2四半期のデータを見てもシャオミは2650万台、OPPOは2450万台、Vivoは2210万台とほぼ横並びです。一方Realmeは単独で550万台を出荷しています。

つまりRealmeが別会社として市場に参入しても、OPPOのシェアを奪っているわけではありません。別メーカーとして市場で独自にシェアを伸ばしているのです。そしてOPPOとRealmeの出荷台数を足すと3000万台となりシャオミを抜きます。

新興国ではRealmeはすでに大手メーカーの仲間入りを果たしています。同じくカウンターポイントによると東南アジア市場でRealmeはフィリピン2位、マレーシアで3位、タイとカンボジアで4位、シンガポール、ベトナム、インドネシア、ミヤンマーで5位。もはやこれらの国では誰もが知っているメジャーメーカーなのです。この成長の勢いは過去のシャオミを上回っています。

新興国では価格重視の4Gモデルを中心とした製品展開を行っています。日本ではOPPOのAシリーズに代わる製品や、5Gの低価格機を投入することで独自のポジションを狙ってくると考えられるかもしれません。KDDIは9月の発表会で「スマートフォンは今後5Gモデルのみを投入する」と説明しましたが、5Gユーザーを拡大するためには低価格モデルの拡充が必要です。RealmeがいきなりMNOキャリアに5G機を納入する、なんてこともあるかもしれません。

「オウガ」の名前を聞いてすぐに「OnePlus、Realmeが来る」と考えたマニア層の人も多いと思います。ファーウェイの先行きが不透明な今、新製品の数をできるだけ多く投入できるメーカーに販売数拡大のチャンスがあります。OnePlusとRealmeの日本参入は秒読み段階、そう推測しても間違いではないはず。どのようなモデルが投入されるか楽しみです。