快進撃が続くオッポ、国内参入から2年半で急成長したわけ(佐野正弘)

auやソフトバンクが採用している人気スマホも注目されています

佐野正弘(Masahiro Sano)
佐野正弘(Masahiro Sano)
2020年07月23日, 午前 06:00 in mobile
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中国スマートフォンメーカーの日本進出が相次いでいる昨今ですが、そうした中でもここ最近、SIMフリー市場でシェアを急速に伸ばすなど、頭角を現しているのがオッポです。そのオッポの日本法人にあたるオッポジャパンは、2020年7月21日に発表会を実施、携帯電話各社から発表済みのスマートフォン「Reno3 5G」「Find X2 Pro」の3機種を改めて紹介しただけでなく、新たにワイヤレスイヤホン「Enco W51」「Enco W11」とスマートウォッチ「OPPO Watch」の国内投入を発表しています。

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▲オッポが新たに国内投入を発表したワイヤレスイヤホンの「Enco W51」。防水・防塵性能に加えノイズキャンセリング機能も搭載しながら、価格は税込みで1万5800円と比較的安価だ

ワイヤレスイヤホンの2機種はいずれも防水・防塵性能を備え音質にもこだわっているそうで、高性能モデルのW51はノイズキャンセリングにも対応。一方のOPPO Watchは1.6インチの有機ELディスプレイを備えたグーグルのWear OS搭載スマートウォッチで、オッポ独自の急速充電技術「VOOC Flash Charge」にも対応しており約75分でフル充電できるのが大きな特徴となっています。

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▲「OPPO Watch」はWear OS搭載のスマートウォッチで、健康管理機能が充実しているほか、オッポが得意とする急速充電機能にも対応している

スマートフォンを軸に周辺デバイスへとビジネスを拡大するというのはここ最近の中国メーカーのトレンドでもありますが、スマートフォン専業をうたっていたオッポが周辺デバイスに力を入れるようになったのは、2019年末頃からとごくごく最近のこと。かなり早いタイミングで国内にもそれらデバイスを投入してきたことには驚きがありましたし、それだけいまオッポが勢いに乗っていると見ることができそうです。

そもそもオッポが日本市場に参入したのは2018年と、かなりの後発でした。その頃にはSIMフリースマートフォンとセットで契約されるMVNOの勢いが落ちており、最初の中華スマホブームが過ぎ去っていたのに加え、参入第1弾として投入した「R11s」は、発表当初の価格が税込みで6万円台と、低価格が求められるSIMフリー市場では高額でした。

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▲オッポが日本参入を打ち出したのは2018年とかなり最近のこと。参入第1弾となる「R11s」は、2〜3万円台が売れ筋のSIMフリー市場向けとしては高額だった

それでもオッポは当初より、SIMフリー市場での端末だけでなく携帯大手3社への端末供給実現を打ち出すなど、日本市場進出に向けて非常に意欲的な姿勢を示していました。それだけに、日本で実績のないメーカーが、後発で参入して入り込む余地があるのか?と、当時は疑問の声が少なからずあったのも事実です。

にもかかわらず、約2年半のうちにオッポが日本市場で急成長できた要因の1つとして、この短い期間のうちに国内の市場環境が激変したことが挙げられるでしょう。実際、2018年からの2年間を振り返ると、電気通信事業法の改正によって携帯電話会社がスマートフォンの大幅な値引きをできなくなったり、ファーウェイ・テクノロジーズが米国から制裁を受けてスマートフォンにグーグルのサービスを搭載できなくなったりと、主として政治に関連した大きな出来事が相次いでいるのです。

その結果、大幅値引きができなくなった携帯電話会社は安いスマートフォンを販売する必要性に迫られ、シェアトップを走っていたファーウェイ・テクノロジーズの制約よって、SIMフリースマートフォン市場には大きな穴が生まれました。そうした環境変化がオッポに大きくプラスに働いたことは間違いないでしょう。

ですがもう1つ、オッポ自身の取り組みも日本市場で成長した大きな要因となっています。実際オッポは参入当初より日本市場への積極的なコミットを進めており、そのことを象徴しているのが2018年夏に発売されたFeliCa搭載の「R15 Pro」です。

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▲参入から約半年後に投入された「R15 Pro」。外資系のメーカーながらFeliCaへの対応を打ち出したことで、日本市場への本気度を示したモデルとなった

SIMフリー市場は端末の販売数が少ない割に低価格が重視されることから、中国メーカーをはじめとする多くの外資系スマートフォンメーカーは、海外で販売されているスマートフォンをほぼそのままの形で販売することが一般的。ハードウェアの改変を伴うローカライズには非常に消極的で、スマートフォンではほぼ日本でしか使われていないFeliCaの採用など“もってのほか”という状況でした。それだけに、あえてSIMフリー端末でのFeliCa搭載に踏み切ったオッポが、日本市場における本気度を示して信頼を高めたことは確かでしょう。

そしてもう1つはプロモーションです。オッポは2019年に防水・防塵やFeliCaに対応した国内向け戦略モデル「Reno A」を発売しましたが、その際タレントの指原莉乃さんを起用したテレビCMを大規模に展開して話題となりました。

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▲オッポは「Reno A」の発売に際して、指原莉乃さんを起用したテレビCMを大規模展開したことで大きな注目を集めた

先のローカライズの件と同様、テレビCMを打つのには多額のコストがかかることから、SIMフリー市場向け端末のプロモーションにテレビCMを使うことはほとんどありません。ですが、オッポはReno Aが日本で勝負をかけるモデルだったこともあり、あえてコストをかけて積極的なテレビCMを展開。これが功を奏して同社の知名度を上げ、販売拡大につながったといえます。

こうして短期間のうちに国内で頭角を現したオッポですが、アップルや国内メーカーなど先行する他のメーカーと比べ、存在感がまだ大きくないことに変わりはありません。そこでオッポジャパンは今回の発表会で、日本でのさらなる事業拡大のため3つのアクションを推進するとしています。

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▲発表会に登壇するオッポジャパン取締役の河野謙三氏。新端末の発表に合わせ、今後3つのアクションを推進してさらなる事業拡大を推し進める考えを示した

1つは「体験の心地よさを重視した商品設計」で、つまりはスマートフォンのラインアップ強化ということになります。映像やカメラ、急速充電など同社の強みを生かしたハイエンドモデルの「Find」、防水やFeliCaなどに対応し国内で安心して使えるミドルクラスの「Reno」、そしてベーシックな機能を低価格で利用できる「A」の3つのラインアップを提供し、それぞれにおいて体験価値を強化していく考えのようです。

2つ目は「体験の心地よさを拡張させる商品展開」。今回発表されたワイヤレスイヤホンやスマートウォッチに代表されるように、スマートフォンをハブとして顧客接点を増やす新たな商品群を提供するのがその狙いとなるようです。

そして3つ目は「体験の心地よさを訴求するコミュニケーション」。指原莉乃さんに加え新たに、お笑いタレントの木梨憲武さんを起用したテレビCMを展開し、認知をさらに高める狙いがあるようです。販路が広い携帯電話会社から端末が販売されるだけに、販売を拡大するにはスマートフォンに詳しくない一般消費者への認知向上が求められると判断してのことでしょう。

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▲指原莉乃さんに加え、新たに木梨憲武さんも起用したテレビCMを放映。携帯電話会社からの販売を実現し、さらなるブランド向上が必要と考えているようだ

オッポは世界的に高いシェアを持ち、端末に関しては多くの実績と価格競争力に強みを持つだけに、国内でも高いポテンシャルがあるのは確かです。しかしながら、携帯電話大手から販売される端末には、価格だけでなくブランドや品質などによる安心感が強く求められるなど、SIMフリー端末とは大きく異なる傾向にあるのも事実。今後はいかにそれぞれの市場に合わせた対応を取り、確固たるポジションを獲得できるかが問われることになりそうです。


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