PixelシリーズはPixel 3からPixel 5a 5Gに至るまでメインカメラのハードウェアを大きく変えずにソフトウェアアップデートでカメラ性能を進化させていましたが、Pixel 6ですべてのカメラを一新した挑戦的なモデルです。

スマートフォンの心臓部もQualcommの汎用SoCから自社開発のTensorチップになり、デザインも一新。久々にワクワクさせられるPixelが登場したと話題になっています。

Pixel 6シリーズのレビューは他の記事でご紹介していますので、当記事ではiPhone 13 Proユーザーの私がPixel 6 Proのカメラを使ってすごいと思ったポイントをいくつかご紹介します。

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消しゴムマジックで映り込みを思い通りに削除

Pixel 6には新たに新機能の「消しゴムマジック」が搭載されました。

消しゴムマジックは撮影後の編集で写真から不必要なものを取り除く機能。AIが何がいらなそうなのかを自動的に判断して提案、ワンタップで通行人や邪魔なものを削除することができます。

▲右の青いテントのあたりが不自然だが全体の仕上がりは良好

削除後の跡はこれまたAIが自動的に自然に処理してくれます。

旅先で人が写り込んでしまった写真を帰ってからワンタップで削除してSNSにアップするところまで非常にスムーズにできます。とはいえ、もともと存在しない背景情報を無理やり合成しているので、よく目を凝らすとどこを消したのかがわかります。

この機能、実はPixelの機能ではなくGoogle Photosのもの。今後のアップデートで他のスマートフォンでも利用できるようになるとのことです。

個人的には消し跡がまだ少し気になるため、HUAWEI P40 Proのように短い動画を撮って人がいない背景の映像を合成する機能もあると良いと感じました。TensorチップのAIも十分活用できますしGoogleさん、いかがでしょう?

流し撮りもできるようになったモーションモード

Pixel 6のカメラにはTensorチップのパワーを使って長時間露光と流し撮りができる「モーションモード(ベータ版)」が追加されました。

Pixel-6-pro

長時間露光は数秒間の間に何枚かの写真を撮って、擬似的にロングシャッター風の写真に仕上げられる機能です。これを使うことで夜景で光の軌跡を撮ったり、水場の水の流れをシルキーに写すことができます。

▲iPhoneの長時間露光。ディテールが失われている

長時間露光同等の機能は他のスマートフォンにもあるものの、iPhoneの場合はかなり解像度が落ちてしまうため積極的には使えません。一方で、Pixelは手ブレこそ少しあるもののしっかり解像感が残っています。

流し撮りができるアクションパンは他のスマートフォンにはなかなかない新たな試みです。AIが自動的に主役と脇役を判断し、動くべきところに動きをつけることで臨場感溢れる写真を撮ることができます。

この機能、非常に面白いですがまだまだベータ版なんだなと感じます。

例えば上の金魚の写真。中央の主役の金魚は目はピントバッチリでヒレは躍動感ある仕上がりとなっていますが、ブレさせたくなかった鱗もブレてしまっています。下の金魚も本来は鱗の輝きがあったもののアクションパンで撮影すると塗り絵のように黒くぼやっとなってしまいました。

とはいえ、非常に難度の高い流し撮りをバンバン決められるこの機能は非常に心強いです。モーションモードはTensorチップのAIを使うことで実現できる機能ですのでPixel 5以前のモデルに提供される予定はありません。Pixel 6 / 6 Proはアップデートで改善されることが見込まれるので、今後登場予定の正式版でより良いものになることに期待です。

デジタルズームに強い5000万画素の広角カメラでよりシームレスなカメラに

Pixel 6 Proは0.7倍の超広角、4倍のペリスコープ望遠、そして最大20倍のデジタルズームに対応しています。(Pixel 6はペリスコープ望遠がなくて最大7倍のデジタルズームまで)20倍望遠ができることは非常に素晴らしいですが、Pixel 6シリーズの真髄は2倍望遠が実用的なレベルであることにあります。

Pixel 6 Proのメインカメラは1/1.31インチの約5000万画素センサーを採用しています。普段使うときは4ピクセルを1ピクセルとして扱う(Quad Bayer Coding)により、iPhoneと同じ約1200万画素の写真となるのですが、昼間など光量が十分あるときは2倍望遠時にすべてのピクセルをフルで使って同じ解像度の写真を撮ることができます。

Pixel 6の画角調整ボタンには各レンズが使える0.7倍、1倍、4倍に加えて2倍も用意されています。この2倍のデジタルズームがかなり実用的で驚きました。

▲2倍望遠で撮影。夜景でも十分実用的で素晴らしい

4ピクセルを1ピクセルとして扱うクアッドベイヤー自体は多くのAndroidスマホにも取り入れられていますが、普段デジタルズームはご法度の一眼カメラやイメージセンサー自体が1200万画素しかないiPhoneを使っている身からすると非常に新鮮な体験です。また、2倍望遠のボタンが用意されていて違和感なく自然に2倍デジタルズームが使えるのはGoogleらしいと感じます。

シャドーや色温度がワンタップで調整可能

Pixelのカメラは被写体をタップすることで輝度とシャドーのリアルタイム調整が可能でしたが、Pixel 6より新たに色温度の調整バーが登場しました。

このような黄色の背景でホワイトバランスが崩れやすいシーンでも色温度を調整することで思い通りに調整可能です。

iPhoneでもフォトグラフスタイルで撮影中に色味の調整が可能ですが、PixelはワンタップするだけなのでiPhoneよりも圧倒的にシンプル。僕はPixelのやり方のほうが好きです。

ソフトの強さは健在、ハードの一新で最強に

Pixelシリーズはナイトモード、天体モードなどのソフトウェアを使った補正で我々を驚かせてきましたが、Pixel 6 Proを使ってて感じたのがPixelの強みであるソフトウェア補正はまだまだ健在だということです。特に、実用的な長時間露光や挑戦的なアクションパンをみるにまだまだこれからPixelのカメラが進化できる余地が窺えます。また、これらの機能はiPhoneにはないので表現の幅が広いPixelは使ってて非常に楽しかったです。

Pixelシリーズは定期的なアップデートで新しい機能が追加されます。もちろんカメラに関してもアップデートがなされる予定ですので今後のさらなる進化に期待です。

最後にPixel 6 Proで撮影した写真をいくつかお見せします。 

▲4倍望遠で撮影。ポートレートモードでなくても前ボケが出ます。

▲消しゴムマジックを利用。主役に目が行く構図であれば消し跡は気にならない?

▲4倍望遠でナイトモード。ペリスコープなのでよく見ると上下に光芒が出ていてキレイ

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