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11月19日にリリースされてから、何かと話題になっているNintendo Switch向けソフト「ポケットモンスターブリリアントダイアモンド・シャイニングパール(ポケモンBDSP)」。今から15年前にリリースされたニンテンドーDS向けソフト「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(ダイパ)」のリメイクとなる本作は、発売前から何かと話題になっていました。

「ダイパ」は、発売時に高校生だった筆者にとって、ポケモンの対戦と育成にどっぷり浸かることになった思い出深い作品。地下通路やコンテストといった遊びも、未だに記憶に残っています。

そんな「ダイパ」のリメイクを手がけたのは、ゲームフリークではなく「Pokemon Home」にも携わったILCA(イルカ)が担当。ポケモンシリーズには珍しい、外部制作のソフトということで、未だに様子見のトレーナーも多いのではないでしょうか。そこで本稿では、「ポケモンBDSP」での変更点や、筆者がプレイした感想について、素直に書いていきたいと思います。

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■ノスタルジーに浸れる、原作再現。ポケモンのグラフィックはGood

本作の特徴はなんといっても忠実な原作再現。シンオウ地方を舞台にしたストーリーラインはもちろん、街や道路などの細かい部分も原作のサイズ感を意識して作られています。キャラクターグラフィックは「ソードシールド」のようなリアルよりのものではなく、デフォルメが強めな二頭身となっており、3Dでありながらもドット絵を意識したものとなっています。

このキャラクターのグラフィックは、発売前から賛否両論がありましたが、実際にプレイしてみると違和感を覚えることはほとんどありませんでしたし、むしろカワイイと思えました。

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グラフィックは全体的に原作のドット絵を意識したものになっています。カワイイだけでなく、細かい部分もしっかり描かれており、個人的には好印象です

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キャラクターは二頭身で描かれています。余談ですが「ダイパ」での筆者の推しジムリーダーはスズナです

ただ、気になる部分も存在したのは事実で、特にトレーナーとの戦闘前の演出には違和感がありました。ポーズをとったトレーナーが横にスライドする演出は原作通りなのですが、この表現はドット絵でないとチープで、ギャグっぽいものとなってしまうと感じました。

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トレーナー戦前の演出はやや違和感がありますが、だんだんと慣れてきます

一方で、ポケモンのグラフィックやワザの演出は素晴らしく、見ているだけでも楽しめるものとなっています。筆者は最初に選んだ「ポッチャマ」がボールからでてくる際の可愛らしい演出を見るだけで、幸福度が上昇するのを感じていました(笑)。

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開発が「Pokemon Home」に携わっていただけあって、ポケモンのグラフィックは素晴らしいです
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ワザや被弾時のモーションもしっかり作られていて好印象。(ごめんね、ポッチャマ……)

また、本作はグラフィックだけでなく、ストーリーラインやシステムも原作を強く意識した作りになっています。ストーリーは凝ったモノではなく、「博士に図鑑の完成を頼まれ、ジムリーダーを倒しながら悪の組織を倒し、伝説のポケモンを捕まえ、四天王とチャンピオンに挑む」というシンプルなもの。ポケモンは「XY」以降、「メガシンカ」「Zワザ」「ダイマックス」など、様々な新要素が登場しており、ストーリーにもそれが関わってくることがありましたが、本作では一切なし。ストーリでも、システム面でも久しぶりにシンプルな「ポケモン」で、逆に新鮮に感じられました。

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最初にいろいろあってポケモンをもらい、旅にでるというのはシリーズ恒例の展開でしたが、最近はそれも崩れつつある印象です
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悪の組織「プラズマ団」や伝説のポケモン「ディアルガ」が関わってくるストーリーは、展開がシンプルで懐かしかったです
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■「ポケッチ」で「ひでんわざ」がつかえることに感動! 助けてくれるのはやっぱり「ビーダル」

「ダイパ」はニンテンドーDSで発売されたタイトルということもあり、タッチスクリーンを使用した要素がいくつか存在していました。中でもタッチ操作でダウジングマシンや、電卓など、様々なアプリが使える「ポケモンウォッチ(ポケッチ)」はDSというハードを活かした画期的なシステムでした。

そんな「ポケッチ」ですが、本作でもしっかり存在。画面右上に表示され、ボタン操作で拡大&タッチ操作が可能となっています(ボタン長押しで消すことも可能)。とはいえ、やはり上画面で冒険をしながら、下の画面でポケッチを操作できる原作&DSの便利さを超えるのは難しいと感じてしまいます。

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ポケッチは画面右上に出るように。操作する際は拡大が必要です

それでも、本作のポケッチには原作にはない機能として、「ひでんわざ」が追加されており、これが大きなポイントとなっています。本作では、「いあいぎり」「なみのり」といった、先に進むために必要な「ひでんわざ」を手持ちのポケモンに覚えさせる必要がなく、所謂「ひでん要因」を考えずに自由なパーティを組むことができます。

ひでんわざを使うと、野生のポケモンが手助けをしてくれるのですが、「そらをとぶ」「きりばらい」では野生の「ムクホーク」が、それ以外のひでんわざは野生の「ビッパ」と進化系の「ビーダル」が手伝ってくれます。彼らは「ダイパ」の秘伝要因として非常に優秀で、多くのトレーナーの手持ちにいたポケモン。戦闘でも優秀な「ムクホーク」はともかく、単なるひでん要因として使用されることの多かったビーダルが毎回助けてくれるのは原作ファンの筆者としてはクスっとくるポイントでした(笑)。

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ひでんわざの「わざマシン」と、対応するジムバッチがあれば、ポケッチから「ひでんわざ」が使用できます

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「ラプラスに乗って」ではなく、「ビーダル」で水上をいくのが「ダイパ」らしい演出

■地下通路やコンテストはリメイク。地下の中毒性は相変わらず!

また、「ダイパ」には他にも「ちかつうろ」や「スーパーコンテスト」といった遊びが人気でしたが、本作ではちかつうろは「地下大洞窟」、コンテストは「スーパーコンテストショー!」と名前を変え、内容もリメイクされて登場しています。

「地下大洞窟」では、カセキやアイテムを掘れるだけでなく、「ひみつきち」に置ける「ポケモンの石像」も発掘することが可能です。このポケモンの石像を収集するのが、本作の地下の楽しみの1つとなっています。

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化石掘りは相変わらず時間を忘れて楽しめます

また、地下には新たに「ポケモンの隠れ家」が追加されており、今までは出会えなかったポケモンとも会うことが可能です。また、本作の「ひみつきち」は、自由に模様替えをするのではなく、ポケモンの石像を配置する場所に変更。置いた石像の種類によって、隠れ家に登場するポケモンの種類に変化があるようです。

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「ポケモンの隠れ家」ではくさむらでは会えないポケモンも登場
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カイリキーの石像をゲット。たくましい……。ひみつきちに配置することで、隠れ家に出現するポケモンに変化があるようです

こんな風に、原作と比べて地下の様子にも変化はありますが、アイテム収集の中毒性は相変わらず高く、隠れ家でのポケモン探しも加わって、ついつい地下にこもりがちになってしまいます。レアな石像も存在するとのことで、それを収集するとなると、ますます地上に出れなくなるかもしれません……。

■コンテストは音ゲーに

一方の「スーパーコンテスト」は、「スーパーコンテストショー!」となったことでゲーム内容にも大きな変更が入りました。まず、原作のように他の参加者と競い合うのではなく、パフォーマーとして協力し、ショーを成功させることが目的に。ショーの成功に最も貢献したポケモンが表彰されるようになりました。また、ゲーム内容も流れてくるノーツに合わせてタイミングよくボタンを押す音ゲー方式に変更さてています。

「スーパーコンテストショー!」では、パフォーマンスを行うポケモンの可愛らしさに笑みがこぼれます。お気に入りのポケモンをショーに出演させるだけでも、十分楽しめるはずです。

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とにかくポケモンの可愛さを堪能できます

原作のコンテストとでは「かっこよさ」「うつくしさ」といったコンディションをあげて挑むことが大事でしたが、それは音ゲーになった本作でも同じで、ポケモンの評価に影響します。コンディションはポケモンに「ポフィン」を作って食べさせることであげることができるのも変わらずです。ポフィン作りは指示に従ってスティックを回す簡単操作で作ることができ、「ソード・シールド」のカレー作りによく似ています。これが操作ながらにかき混ぜるスピードの調整が難しいのも、カレー作りと同じです。

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ポフィン作りは簡単そうでかき混ぜるスピードの調整が難しいミニゲーム

また、本作では冒険中に手に入るシールをモンスターボールに貼ってデコレーションする「ボールデコ」なる遊びもあるのですが、こちらもコンテストの審査に影響を与えるようです。ボールデコも、シールの種類や位置を試しているうちについつい凝ってしまう時間泥棒です。

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ボールにシールを貼って登場時のエフェクトを変化させることが可能です

■育成は楽に、四天王は相当ハード

ここまでは新要素を中心に紹介しましたが、実際にストーリーを進めていて感じたのは進行の楽さ&ジムリーダーの強さです。まず、本作では戦闘終了時に貰える経験値が手持ち全員に手に入るので、レベル上げはかなり簡単。道中のトレーナーと戦っていれば、ジム戦を突破するには十分なレベルになります。また、ストーリーにおける次の目的がメニューに表示されるので、ストーリーを中断して地下に潜っていても、次に何をすればいいか迷うことがなくなり助かりました。

こんな風に、ジムリーダーにたどり着くのは簡単になりましたが、反対にジム戦の攻略はやや難しくなった印象です。今までは、ジムのタイプに合わせて有利なポケモンを繰り出し、弱点をついていれば簡単に突破できたのですが、今回のジムリーダーのポケモンはステータスが高いようで、一撃では倒れてくれないため反撃をもらってしまいます(恐らくジムリーダーのポケモンには、基礎ポイント=努力値がふられていると思われます)。

特に四天王とチャンピオン戦はかなりの難易度。四天王「オーバ」は「小さくなる+バトンタッチ」という回避率をあげてエースに繋ぐ凶悪な戦法をとってきたり、チャンピオン「シロナ」のポケモンは全員がアイテムを持っており、技構成も強力。ポケモン対戦に慣れている筆者でも「旅パ」での攻略はかなり難しく感じました。そのため、前もって作戦を立てておくか、ポケモンをしっかり育成していないとチャンピオンの突破は難しくなっており、その分勝利した時の達成感はかなりのものでした。

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伝説のポケモンを使えば簡単にクリアできると思いきや、シロナのポケモンは6体全てが強く大苦戦することに……

■アップデートに期待したい部分も多く……

さて、本稿執筆時点では、筆者がまだストーリークリア後の要素をガッツリやりこめていないので紹介できませんでしたが、対戦を楽しめる「バトルパーク」や、レアなポケモンに出会うために使用する「ポケトレ」など、原作にあった要素はしっかりと実装されている他、伝説のポケモンに出会える「ハナマスパーク」といった新要素も存在し、たくさんのやりこみ要素が待ってるようです。また、本作では今後もアップデートで追加要素が解禁されていく予定で、「GMStation」での通信交換、ポケモンセンター内の「コロシアム」での通信対戦などが遊べるようになるとのことです。

本作は現在、多くのバグが発見されているので、そちらの修正もアップデートで行っていくのではないでしょうか(尚、バグの内容はここでは伏せますが、SNS等で検索すれば簡単にヒットします。当然ですが、トラブルを防止するためにもバグの利用は控えるのが賢明でしょう)。

総評として本作は、細かい部分まで原作へのリスペクトを感じることができるリメイク作品とえいるでしょう。トレーナーのグラフィックや、バグなど、欠点があることは間違いありませんが、筆者にとって久しぶりにプレイした「シンプルなポケモン」だったこともあり、十分に楽しむことができました。対戦環境は「ソード・シールド」が中心となっているので、本作はポケモンヘビーユーザー(ポケモン廃人)にとっては、物足りない作品に感じるかもしれませんが、原作「ダイパ」未プレイの方や、「ダイパ」ファンには刺さる作品なのではないでしょうか。

ポケモンは今後、Nintendo Switchで「Pokémon LEGENDS アルセウス」が1月28日に発売予定。こちらはシンオウ地方を舞台にした、オープンワールド風の全く新しい「ポケモン」になりそうです。筆者はこちらも予約済みなので、新しいポケモンがでる1月までは、懐かしいダイパリメイクをゆったりプレイしていようと思います。

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関連リンク:ポケットモンスターブリリアントダイアモンド・シャイニングパール

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