Gary Hershorn via Getty Images
Gary Hershorn via Getty Images

ニューヨークで日曜の夜遅く電力系統にトラブルが発生、地下鉄では復旧の際に起こった電力サージのために、5時間にわたって地下鉄の運行が妨げられ、多数の乗客が車両の中に取り残され、線路上を歩いて避難する事態を引き起こしました。 すでに運行は復旧しているものの、ニューヨーク州知事のキャシー・ホーチュル氏は地下鉄の電力サージを「前代未聞のシステム故障」と述べ、詳細な調査を行うよう指示しています。

Washington Postが伝えたところでは、この問題はニューヨークの送電網に発生した不具合が原因でした。その影響は発電所2か所からの送電を停止させ、市内全域の供給電圧が低下しました。

これをもとに、地下鉄の電力系統はバッテリーによるバックアップ送電に切り替わりました。このバックアップ系統は送電網からの電力が復旧すれば、自動的に主系統に戻る設計になっていますが、今回は電力復旧の際に非常に大きなサージが発生してしまい、その影響で地下鉄司令室は列車83編成と連絡が取れなくなり、放送設備(PA)もダウン。5つの編成がトンネル内で立ち往生し、乗っていた550人以上が線路に出て避難することになってしまいました。

ただ、地下鉄の復旧に5時間もかかった原因の一部は技術的な問題ではなく、乗客の安全のためでもあります。ニューヨーク市の地下鉄は第三軌条式の電力供給システムを採用するため、3本目のレールには直流650Vという非常に危険な高電圧がかかっています。そして、立ち往生した列車のうち2編成からは乗客が自主的に車両を降りて避難してしまったため、運行再開の前に線路上をすべて見回って乗客がいないことを確認する必要がありました。これが時間がかかった原因のひとつとのことです。

ホーチュル知事は、ニューヨーク市地下鉄に対して電力サージの発生原因を詳しく調査するよう指示しました。ただし、すでにテロや何者かが悪意でそれを引き起こした可能性は排除されているとのことです。

ちなみに、第三軌条方式の電力供給システムは日本国内でも多くの地下鉄が採用しており、その多くが700~750Vという高電圧を印加しています。もし、地下鉄の線路になにか物を落としたり、人が転落した場合も、決して降りて拾ったり助けようとしてはいけません。2013年には男性数名が神戸市地下鉄の線路に降りて写真を撮りTwitterに投稿した、いわゆるバカッター行為が問題になっていましたが、そんなことをしても誰も面白いと思わないので決して真似しないこと。

Source:Washington Post, CBS New York