キヤノン PowerShot G1 X Mark IIは、同社の高級コンパクトPowerShot Gシリーズの最新モデルです。2012年に発売したPowerShot G1 Xの後継にあたり、大型センサー&コンパクトボディの魅力を受け継ぎながら、レンズの大口径化と高倍率化、マクロ性能の向上、AFの高速化などを図っています。その性能を検証すべく写真家の永山昌克さんに、さっそく入手した試作機を渡して、花香る早春の伊豆半島をめぐってもらいました。後半にはブロガーのいしたにまさきさん(みたいもん)やコグレマサトさん(ネタフル)、いちるさん(小鳥ピヨピヨ)らのコメントももらっています。

なお今回 PowerShot G1 X MarkII のベータ機を使用して記事を作成しました。製品版とは仕様が異なる場合があります。記事中の作例は長辺を620ピクセルに縮小したものになります(クリックするとスライドショーにジャンプします。そちらの画像は長辺を900ピクセルに縮小したものとなっています)。

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1.5型の大型CMOSセンサーが生み出す一歩上の高画質


まず訪れたのは、伊豆半島の日の出スポットとして知られる白浜海岸です。下の写真は、夜明け前の空を4秒の低速シャッターで撮影したもの。空色が紫から赤へと徐々に変化するマジックアワー特有のグラデーションをきれいに描写できています。眠気と寒さをこらえながら撮影した本日のファーストショットです。

F11 4秒 ISO100

次の3枚は、同じ場所で捉えた日の出の様子。ホワイトバランスを「日陰」にセットすることで、燃えるような朝焼けの色を強調。その上で、ホワイトバランスの補正機能を使って、自分好みの色を作り出しています。PowerShot G1 X Mark IIのホワイトバランス設定メニューでは、「太陽光」や「日陰」などのプリセット項目を選べるだけでなく、レンズ部のリング回転によって色合いの微調整が素早く行えるのが便利です。日の出は、空の色と明るさが刻一刻と変わっていくシャッターチャンスが続きますが、狙い通りの瞬間を撮ることができました。

F8 1/6秒 ISO100

F6.3 1/200秒 ISO100


F5.6 1/800秒 ISO100

画質については、シャドウ部からハイライト部までの滑らかな階調とクリアな発色に好印象を受けます。前モデルのセンサーをベースにしつつ、新規にチューニングを施した1.5型の大型CMOSセンサーの性能がいかんなく発揮されている、といってもいいでしょう。

このセンサーの特長のひとつは、受光面積の広さです。一般的なコンパクトデジカメが備える1/1.7型センサーに比べた場合、1画素あたりの受光面積は約4.5倍もあり、より多くの光が取り込めるようになっています。その結果として、広いダイナミックレンジと低ノイズの高感度画質を実現できているというわけです。

ダイナミックレンジの広さは、晴天の屋外で撮影した次の3枚でも確認できます。強い光が当たった部分は白飛びすることなく、その一方で、影になった部分は黒つぶれせず、肉眼で見た印象をリアルに再現できています。

F6.3 1/400秒 ISO100

F5.6 1/800秒 ISO100


F8 1/200秒 ISO100

高感度に関しては、ISO1600で撮影した次の写真を見て下さい。1.5型の大型センサーと処理エンジン「DIGIC 6」の強力なノイズリダクションによって、気になる高感度ノイズは見らません。しかも、ノイズ低減処理による解像感の低下や発色の変化もほとんど確認できませんでした。F2.0~F3.9というレンズの開放値の明るさや、強力な光学手ブレ補正機能と相まって、暗所撮影での安心感を高めてくれます。

F2.8 1/640秒 ISO1600

F4.5 1/30秒 ISO400


F3.5 1/30秒 ISO800

 

デュアルコントロールリングとEVFで撮影の自由度が増す


次に訪れたのは、伊豆半島の最南端に位置する石廊崎です。ここは、海岸線の断崖絶壁と奇岩が見どころの場所。運よく天候に恵まれ、眼の醒めるような青空を背景に、まるで神話世界のような絶景をカメラに収めることができました。

F8 1/80秒 ISO100


F8 1/320秒 ISO100

ここで活躍したのは、オプションの電子ビューファインダーEVF-DC1です。前モデルにあった実像式の光学ファインダーは省かれ、本モデルではボディ天面のホットシューにEVF-DC1が装着可能になっています。視認性は視野率約100%。明るい場所でも被写体をしっかりと確認しながら、正確なフレーミングで撮影できます。

ちなみに、こうした海沿いの撮影では水平線を傾けずに撮ることが基本。PowerShot G1 X Mark IIには、2軸タイプの電子水準器やグリッドラインの表示機能が内蔵されているので、きっちりと水平を保ちながら撮ることは比較的簡単です。

F8 1/200秒 ISO100


F8 1/320秒 ISO100

撮影モードは、主に絞り優先AEモードを使用しています。レンズ鏡胴部にある2つのコントロールリングに絞り値と露出補正を、背面にあるコントロールホイールにISO感度をそれぞれ割り当てることで、これらの値を直感的に切り替えながら撮影できる点が便利です。

例えば、ボケを生かして撮りたい時は絞りを開け、パンフォーカスにしたい時は絞りを絞り込む、といった操作が電子ビューファインダーをのぞぎながらスムーズに行えます。また、リングとホイールには、アスペクト比やステップズーム、暗部補正など他の機能を割り当てることも可能になっています。

F8 1/320秒 ISO100


F8 1/320秒 ISO100

 

表現の自由度を広げる大口径5倍ズーム


続いて、石廊崎からほど近い青野川の川沿いまで足を伸ばしました。ここは毎年2月下旬から3月上旬にかけて河津桜と菜の花が見ごろを迎える場所。一足先に春を楽しめるスポットとして、この時期には多くの観光客やカメラマンでにぎわっています。

次の写真は、そんな河津桜と菜の花のコラボレーションをズームのワイド側で捉えたもの。ワイド側での35mm換算の焦点距離は24mm相当。前モデルの28mm相当から拡張され、より広がりを感じる構図で撮影可能になっています。

F8 1/200秒 ISO100

同時にズームのテレ側も拡張され、テレ側の焦点距離は120mm相当に対応。この24~120mmの光学5倍という広いズーム域によって、自由度の高いフレーミングが楽しめます。次の3枚の写真は、光学5倍ズームを生かして菜の花畑をスナップしたもの。実際には花畑のまわりには大勢の人が集まっていましたが、これらの写真ではギリギリの構図を選択することで無駄な要素を整理し、引き締まった画面構成に仕上げています。

F5.6 1/320秒 ISO100


F5.6 1/320秒 ISO100


F6.3 1/160秒 ISO100

このレンズの魅力は焦点距離だけではありません。ワイド側でF2.0、テレ側でF3.9という開放値の明るさにも注目です。次の3枚は、開放値または開放付近の絞り値で撮影したもの。近景や遠景にふんわりとしたボケが生じ、立体感のある写真になっています。こうした大きなボケが味わえるのは、明るい開放値+大型センサーだからこその魅力といっていいでしょう。

F2.0 1/400秒 ISO5000

F3.5 1/640秒 ISO100


F3.5 1/640秒 ISO100


F3.9 1/1000秒 ISO100

 

接写にも便利なタッチパネル&チルト液晶


河津桜と菜の花を満喫し、すっかりお花畑気分になった勢いのまま、最後に下賀茂熱帯植物園に立ち寄りました。ここは、文字通り熱帯の花々が咲き乱れる植物マニアにとってのパラダイス。一歩足を踏み入れるやいなや、ほんのりとした桜色とは対照的な鮮やかな色彩が目に飛び込んできます。

F8 1/60秒 ISO400


F8 1/60秒 ISO400

ここでは、ワイド側で最短5cm、テレ側で最短40cmまで近寄れるマクロモードが活躍しました。AFフレームは31点から自動で選ばれるAiAFのほか、液晶タッチパネルによって好きなポイントを自由に選べる1点AFが利用できます。

またマニュアルフォーカス選択時は、部分の拡大表示を見ながら、レンズ鏡胴部のリング回転によって厳密なピント合わせが行える点が便利です。

F4.5 1/80秒 ISO800

さらに、上に180度、下に45度まで可動するチルト可動式の液晶モニターも重宝しました。こうした接写では、カメラの位置や向きを少し変えるだけで背景が大きく変化しますが、このチルト可動液晶を駆使することで、背景がすっきりと整理でき、植物がもっとも魅力的に見えるベストアングルを確実に見つけられます。

F4 1/1000秒 ISO100

F4 1/60秒 ISO100


F9 1/60秒 ISO200

以上、たった1日の小旅行でしたが、PowerShot G1 X Mark IIによって撮る楽しみを十二分に味わうことができました。早朝から夕方まで軽いフットワークであちこちをめぐりましたが、疲れをほとんど感じなかったのは、小さくて軽いボディだからこそ。大きくて重い一眼レフではこうはいきません。PowerShot G1 X Mark IIは筆者(永山)の旅の相棒として、これからも欠かせない存在になりそうです。


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ブロガーたちはどう感じた?



ブロガーのいしたにまさきさん(みたいもん)やコグレマサトさん(ネタフル)、いちるさん(小鳥ピヨピヨ)にもPowerShot G1 X Mark IIをいろいろと触ってもらいました。

ファーストインプレッションで皆さん、口をそろえて言っていたのが「画質がきれい」ということ。

いしたにさん:ダイナミックレンジがかなり広くて、はまったときのよさがすごい。ミラーレス機でもこのクラスの描画をもとめようとするとなかなか難しいですね。

コグレさん:画角を意識する人にはいいのではないかと思います。特に24mmから撮影できる、というのをポイントにしたいですコンパクトデジカメって風景を撮ることも多いと思うんですけど、やっぱりそのくらい広いと撮りやすい。見たものがそのまま撮れるような素直なカメラという印象です。

いちるさんの写真はこんな感じです。



コグレさんのお気に入りは、カスタムできるズームダイヤル。「2つあるのが良くて、露出とステップズームを設定していました。ステップズームを使うと画角が24mm、35mm、50mmというように変わるので、レンズ交換している感じになるんです」とのこと。気軽にレンズ交換式の気分が味わえるのはいいですね。

Engadget編集部のあるアーツ千代田 3331 にてコグレさんが撮影した写真

いしたにさんといちるんさんの注目は“自撮り機能”です。180度回転するチルト液晶を使って自分を撮る機能ですね。


いちるさんいわく「自撮りが子供に評判がよかったです。カメラを渡すだけで、顔のアップのいい写真を勝手にバンバン撮ってくれました」。いしたにさんはマニアックな分析で「G 1X MarkIIは水平が取りやすいです。これはたぶん本体デザインと重さのおかげだと思うんですが、持ちやすい。そうすると自分撮りもしやすいんですよね。液晶画面も自撮り向きなので、子供と一緒に撮ると楽しいですね」。

最後にいしたにさんの写真をば。

黄昏時の秋葉原(末広町方面から)

「ダイナミックレンジが広いので、コントラストがしっかりしたキレイな写真が撮れますね。G 1X Mark IIでハマった時の写真はすごくいいです」(いしたにさん)

いかがだったでしょうか。旅によし、街撮りによし、自撮りによし。Wi-FiやNFCの機能も搭載し、手元のスマホと連係してSNSなどへの投稿も簡単です。あなたもPowerShot G 1X Mark IIで“キヤノン最強のコンデジ”の実力を試してみてはいかがでしょうか。
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