Protonmail
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スイスに拠点を置く暗号化メールサービスのProtonMailに批判が集まっています。これは、ProtonMailがフランスの活動家グループが利用したIPアドレスを提供したことがきっかけで、その活動家の逮捕に結びついたとする活動家グループの記事を反資本主義メディアのParis-luttes.infoが掲載したことに端を発します。

問題の活動グループは、ジェントリフィケーション(都市の富裕化現象)や不動産投機などへの抗議活動として、パリのサントマルテ広場近くの商業施設やアパートを不法に占拠した事件に関わっていたとのことです。

フランス当局は、活動に使われていたProtonMailアカウントを作成した人物の身元を特定するため、欧州刑事警察機構(Europol)を通じてスイス当局に協力を要請。スイス当局からProtonMailに法的拘束力のあるデータの提出の命令があったということです。

この件に関し、ProtonMailのCEOは、スイスに拠点を置く以上、スイスの法律に従う義務があるとして、その正当性を主張。ただしメールの内容については暗号化されているので、見られることはないとしています。また、インターネットは一般に匿名ではない点を踏まえ、必要ならば接続経路の匿名化を行うTorの利用を推奨。ProtonMailは、2017年からTorを使った匿名アクセスのためのOnionサイトを公開しています。

ProtonMailがスイスに拠点を置いているのは、もともとスイスのプライバシー保護法が厳格なためでしたが、それでも法的な要請があればIPアドレスなどは提供せざるを得ないということなのでしょう。ただ、ProtonMailも無条件に協力しているわけではありません。同社の透明性レポートによると、2020年だけで、スイス当局から3572件のユーザー情報開示依頼があり、そのうち750件については異議を唱え、3017件はリクエストに応じたとのことです。

Source: ProtonMail
via TechCrunch