PS5
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発売から約1か月を経ても入手困難なPS5争奪戦で、また「当時の狂乱ぶりの一コマ」として記録されそうなできごとがありました。

開店20周年記念セールの一環として、15台限りのPS5先着販売を宣伝していたNTT-X Storeは、予告した時刻の1時間ほど前になって「想定を越えるアクセス集中に伴い」販売を見送り、中止しています。

NTT-X Store
NTT-X Store

次世代ゲーム機が発売直後に入手困難になるのはもはや風物詩のようなものですが、 プレイステーション5は人気の高さと供給の少なさ、ソニー側の販売方針から、事前予約で初日出荷分は完売、店頭でもオンラインでも当日購入はできない体制でした。

PS5発売日の在庫は予約で完売、店頭でのイベントや販売は実施せず

予約販売の開始時にはアマゾンですらアクセス集中でトップページが重くなり無関係な商品まで買いづらくなったほか、先着ではない抽選と明記して週単位で受付期間を設けたオンラインストアでさえ、受付を開始した途端にまったく接続できなくなるなど大騒ぎだったのも記憶に新しいところです。

PS5の抽選販売は発売日後も各ストアが続けており、エントリーの条件としてメールマガジン購読や会員登録など他サービスへの加入を誘うため最大限に活用されているのはご存知のとおりです。

こうしたなかでNTT-Xストアが突如、抽選ではなく先着販売を予告したのは大手ストアとして異例。当然のごとく注目が集まり、やはりというべきか「想定を越える」アクセス集中により中止になりました。

限定セールでおなじみのNTT-Xだけに、わずか15台とはいえ先着販売の告知に踏み切ったのは、当然予想されるアクセス集中に対して相当の自信がなければできることではないと思われますが、どのような準備と想定をしていたのかはともかく、結果としては「NTTグループの安心オンラインストア」20年の経験をもってしても想定できなかった需要の高さだったようです。

PS5
Engadget

PS5の入手困難には、他ならぬプレイステーション久々の次世代機として人気であることはもちろん、発売当初に予想される需要に対して供給が極めて少ないことが原因となっています。たとえば初週の販売台数はサードパーティの推定で12万台弱(ファミ通と角川アスキー総合研究所の共同調査によれば、発売週の4日間で11万8000台前後。Xbox Series X|Sは合算で2万534台)。

これは部材の調達トラブルから初期出荷が極端に少なかったPS3をやや上回るものの、PS4のときの32万台超よりはかなり低い数字です。

PS5は全世界で入手困難ではあるものの、入荷数が完売した初週の数字は、つまり日本に割り当てられた出荷数がその程度だった、PS4よりも大幅に少なかったことを示しています。

伝統的に普及台数が何より重要とされてきた家庭用ゲーム機では、メーカーはどこも発売日まで生産を積み上げ、そのゲーム機にとって重要な市場に、重要な時期に重点的に供給します。PS4の場合は米国や欧州の一部で11月に発売したのち、商戦期が過ぎ一段落した翌年2月になって後回しの国内発売だったため、初日に数を用意できたという事情もありました。

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今回のPS5の入手困難は、物議を醸した「PSの日本離れ」でこうなったのか、逆に日本も今度は「優先国」のひとつとして世界同時発売に入れてもらった結果の分配量なのか、あるいは世界で前世代より大幅に台数を伸ばしたPS4も日本ではPS3以下しか売れていない「日本人のPS離れ」がそもそもの原因にある当然のビジネス判断なのか、はたまた製造上の問題が発生して絶対数が見込みより確保できないのか、発売直後だけでなく初年度を見通したうえでの計画的な調整なのか、さまざまな解釈ができますが、現にいま買いたい消費者が買える状況になく、販売を巡って世界でニュースが飛び交い、転売市場の花形商品であり続けている状況は変わりません。

PS5の世界的な人気そのものは、前世代の成功を引き継いだ存在感からも、今後発売される独占タイトル群の需要からも簡単には揺らぐことがないとして、特に日本では「最初は欲しかったけど落選ばかりで……」と熱気が冷めてしまわないよう、スマホもSwitchもPCもあるなかで日本のPSファンのプレゼンスが相対的に下がってしまわないよう、こまめにチェックする熱心なファンならば買える程度の供給を切に願いたいものです。

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