Sergei Remezov / Reuters
Sergei Remezov / Reuters

ロシアのプーチン大統領が、ロシアの国営宇宙企業Roscosmosの2022~2024年予算を約16%削減する予定であると報じられています。たとえば2022年度予算は前年比403億ルーブル(約636億円)減の2100億ルーブル(約3315億円)となり、翌年以降も同様の削減になるとのこと。

影響を大きく受けるのは宇宙ロケットなどの製造や技術開発活動や宇宙基地開発などで、特に科学的研究を目的とした予算はゼロという厳しい削減になっています。

報道によればプーチン大統領はロシアの宇宙事業プログラムに不満であり、宇宙分野の長期目標の達成が困難な見通しであることを批判しているとのこと。たとえば、2020年には国家宇宙計画として掲げられた83項目のうち30項目が目標未達におわったことなどが挙げられます。

大統領は予算は削減するものの、Roscosmosを率いるドミトリー・ロゴージン氏に対してロケットの信頼性を高め、さらに次世代のロケットを完成させなければならないと伝えました。これは特にRoscosmosと競合する米国のSpaceXとの人員・物資輸送における競争激化を受けてのもの。RoscosmosはすでにISSへの人員輸送の一部をSpaceXと分ける格好となっており、年間4億ドル(約453億円)以上あった収入が大きく減っています。またロッキード・マーティン社とボーイング社の合弁によるロケット打上げ企業United Launch Alliance(ULA)がアトラスVロケット用としてきたロシア製エンジン RD-180の購入を終了することも収益圧迫の要因となっています。

1990年代初頭にソ連が崩壊して以降、Roscosmosはロシアにおいて米国のNASAと同様の役割を果たしてきました。特に米国がスペースシャトルの運用を終了してからは有人宇宙飛行ミッションを担う唯一の宇宙機関として重要な役割を果たし、影響力も大きくなりましたが、予算削減による技術者育成の停滞などで問題を抱え、ロシア航空宇宙局またはロシア連邦宇宙局といった政府機関から、2016年から国営企業Roscosmosに体制を変更しています。

米国では民間の宇宙企業がISSへの人員輸送を担うようになり、(お金持ちの)一般人を対象とした宇宙旅行事業の本格的な開始が近づきつつあります。そんななかRoscosmosの予算削減は有人宇宙ミッションにおける影響力や、その将来にまで影を落とすかもしれません。

Source:finanz.ru