Qualcomm
Mike Blake / reuters

ここ数年、クアルコムはアップルにiPhone用のモデムチップを独占供給しており、2020年発売のiPhone 12シリーズ以降で5G通信が可能になったのもそのため(クアルコムは、ミリ波を含む5Gをスマホサイズで実装できる数少ない企業)です。

しかしクアルコムの投資家向けイベント「Invest Day」にて、同社のCFO(最高財務責任者)Akash Palkhiwala氏が「2023年にはアップル製品に搭載されるモデムチップのわずか20%しか供給できない」との予想を語ったと報じられています。

最近のiPhone 12やiPhone 13シリーズに採用されたモデムチップは、クアルコムがすべて供給しています。そして今回の予想が正しければ、2023年以降はクアルコム以外の何者かがiPhone向けチップの大部分を供給すると解釈できます。

ちょうどアップルも何年も前から自社製のモデムチップ開発に取り組んでいると噂されており、実際にインテルのスマートフォン向け通信モデム事業の「大半」を買収済みです。2023年はまさに、そのアップル独自モデムチップが投入されると言われる年に他なりません。

まず今年3月、英投資銀行Barclaysのアナリストらは自社設計の5Gモデムチップが2023年のiPhone全モデルに搭載されると予想。さらに5月、有名アナリストMing-Chi Kuo氏も「早ければ」2023年のiPhoneに自社製チップが搭載されるとの見通しを述べていました。

クアルコムも「予測のための計画的な仮定に過ぎない」としていますが、いずれにせよ「2023年のiPhoneにアップル独自モデムチップが搭載」の可能性は高まったかっこうです。

なぜ100%アップル独自モデムに切り替わらないかといえば、モデムチップは長年にわたるノウハウの蓄積の上にあり、世界各地の通信局との相性問題も一気に解決することも難しく、特定の地域ではクアルコム製チップを採用し続けるためと推測されます。

もともとiPhoneはクアルコム製モデムチップに依存していましたが、特許およびロイヤリティをめぐる問題がこじれて、激しい法廷闘争が繰り広げられました。その後、一時はインテル製チップを採用したものの品質に不満があって自社開発を開始し、さらにiPhone 12シリーズでの5G対応を急ぐためにクアルコムに巨額を支払って和解したと見られています。

こうした経緯からいえば、アップル独自開発のモデムチップが思ったほど性能が出ない、トラブルが多発するなどがあれば、またクアルコム製モデムに戻ってくる展開もあり得るかもしれません。

Source:MacRumors