Tomohiro Ohsumi via Getty Images
Tomohiro Ohsumi via Getty Images

世界のスマートフォンの95%が採用するプロセッサーのアーキテクチャーを開発するArmは現在、ソフトバンクグループからGPU / AI大手のNVIDIAへの売却プロセスが進められています。しかし、半導体大手のクアルコムは米連邦取引委員会(FTC)をはじめとする各国の規制当局に対し、この買収には懸念があるとの意見を伝えています。

CNBCは、調査に詳しい情報筋からの話として、NVIDIAがArmを買収することにより、これまでArmが500社以上に広範におこなってきたプロセッサーアーキテクチャーのライセンス供与を渋り始めるのではとクアルコムは考えているとのこと。

Bloombergが伝えるところでは、クアルコムの考えにはGoogle、マイクロソフトといったIT巨人たちも同調しているとされます。そしてFTCはすでに調査を開始しており、ソフトバンク、NVIDIA、クアルコムに情報の提供を求めていると伝えています。

こうした動きに対しNVIDIAは、購入における評価額だけではArmのオープンな戦略に手を加えるメリットもなく、方針転換をしても意味がないと述べました。さらに、調査当局が「買収の正当性を理解してくれると確信している」述べています。

ただ、Armからライセンスを得てチップを生産している顧客企業や、一部のNvidiaのライバル企業などはこの買収について完全には納得できていないとされ、反対の声が高まった場合、買収に関する審査プロセスが遅れたり、Armの評価額を変更するようNVIDIAに求めるかもしれないとBloombergは伝えています。

NVIDIAの要望が通るには、取引が成立する前に米国、英国、欧州連合、および中国の独占禁止法当局による、時間の掛かるレビューを経なければなりません。またもし政治的な意図が絡むならNVIDIAによるArm買収が差し止められる可能性もあります。たとえば米国ではここしばらく、IT巨人と呼ばれる企業に対する規制を求める声が高まっており、今月初めにはミネソタ州選出の上院議員エイミー・クロブシャー氏が、巨大テクノロジー企業による中小規模企業の買収を難しくするための法案を提出しています。

また、FTCがNVIDIAによるArm買収を承認したとしても、中国ではHuaweiなどを含む中国国内のテクノロジー企業が、国際的な競争上不利になる可能性があるとして、国家市場監督管理総局(SAMR)に買収の阻止を求めているとCNBCは報じています。

Source:CNBC,Bloomberg