4月27日に、iOS 14.5の配信が始まりました。時を同じくして、楽天モバイルのキャリア設定の配信もスタート。ついにiPhoneシリーズが楽天モバイルの回線に“正式対応”しました。楽天モバイルは、22日にiPhone 12シリーズの取り扱いを表明していましたが、キャリア設定の配信はその副次的なメリット。過去のiPhoneまで含めて対応するため、SIMフリーiPhoneや他社iPhoneの受け入れもしやすくなったと言えそうです。

Rakuten iOS Junya Ishino
▲楽天モバイルがiPhoneに正式対応。5Gも利用できるように

キャリア設定を更新すると、iPhone 12シリーズでは5Gが利用できるようになります。以前は、「設定」→「モバイル通信」→「楽天モバイル(名称はユーザーによって異なる)」→「音声通話とデータ」に、5Gの選択肢が表示されませんでした。

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▲キャリア設定適用前は、設定項目に5Gが表示されなかった

ハードウェアとして端末が対応しているものの、ソフトウェア的に5Gがふさがれていたというわけです。キャリア設定を更新することで、5Gが開放されます。筆者はiOS 14.4と14.5の両方で試していますが、いずれのバージョンでもキャリア設定更新後に5Gを選択できるようになりました。

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▲キャリア設定を更新すると、5Gを選択できる

ただし、KDDIがauに導入したような「5Gエクスペリエンス」には対応していないようです。iPhone 12シリーズには、ユーザーがデータ容量無制限のプランに加入しているかどうかによって、自動的に設定を変更し、5G接続時にコンテンツの画質などを向上させる機能が搭載されています。

具体的には、「設定」→「モバイル通信」→「楽天モバイル(同上)」→「データモード」の中が、自動的に「5Gでより多くのデータを許容」になる仕組みです。楽天モバイルの場合、ほぼ全員が無制限の料金プランになりますが、この設定は「標準」になっていました。手動での変更は可能なため、5G接続時に画質を向上させたい方はチェックしてみてください。

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▲5G接続時にFaceTimeや動画の画質を向上させるには、設定を手動でオンにする必要がある

もっとも、これは5Gのエリアが広いことが前提に立った機能です。iPhoneの導入に合わせ、楽天モバイルも5Gのエリアマップをついに公開しましたが、残念ながら、現時点ではとても広いとは言いがたく、大手3キャリア以上にスポット的です。実態はエリアマップをご覧になっていただく方が早いと思いますが、少なくとも、筆者の行動範囲には、まだ5Gエリアがありません。

とは言え、それではテストにならないため、とりあえず、エリアマップでチェックして最寄りの5Gエリアに行ってきました。筆者の事務所からもっとも近かったのが、渋谷の円山町一帯。住所を聞いてピンとくる方もいそうですが、ここはいわゆるラブホ街です。駅前やメジャーな通りではなく、いきなりラブホ街からエリア化する楽天モバイルの意図は不明ですが、ポジティブに捉えるなら、テレワーク用に休憩で入ったホテルで5Gにつながることもありそうです。

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▲5Gエリアはまだまだスポット的だが、筆者の近所がエリア化されていた

比較的、広めにエリアを取っているためか、5Gエリア内に入っても、通信速度には波がありました。速いときで200Mbps前後、遅いと数十Mbpsといった具合で、他社の4Gとあまり差はありません。一方で、楽天モバイルの4Gの帯域幅を考えると、200Mbpsオーバーになることはほとんどないため、速かった場所に関しては、5Gの利点が生かせていると言えそうです。エリアが広がってくれば、より実用的になるかもしれません。

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▲ラブホ街の入り口付近で約200Mbpsを記録

楽天モバイルのキャリア設定とは別の話ですが、iOS 14.5からは、eSIMでデュアルSIM化した際にも、5Gで通信することが可能になりました。キャリア設定自体はiOS 14.4でも利用できますが、デュアルSIMで楽天モバイルを使いたい場合は、アップデートしておいた方がメリットは多いでしょう。30日発売のAirTagも使えるようになるため、アップデートは忘れずしておきたいところです。

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▲デュアルSIMで5Gが利用できない仕様も改善された

このアップデートは、eSIMをどのキャリアよりも推進している楽天モバイルにとっても、追い風です。サブ回線として楽天モバイルのeSIMを入れておいても、5Gがふさがれないからです。筆者はこれまで、仕方なく4Gでau回線とセットで楽天モバイルを使っていましたが、これで晴れて5Gが利用できることになります。デュアルSIMのもう一方のキャリアでも5Gがつかめるようになるため、非常に重要な機能改善と言えるでしょう。

ほかにも、キャリア設定を更新することで、auローミング時のSMSや、ETWS(緊急速報)への対応など、さまざまな機能が利用できるようになります。iPhone 12シリーズに関しては、楽天モバイルの自社回線とauローミング回線の切り替えもスムーズになります。現状、東京都は基本的に楽天モバイル回線だけの運用になっていますが、地下街やビル内にauローミングが残っているため、切り替わりが頻繁にあるときに効果を発揮しそうです。

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▲緊急速報にも対応する

冒頭でも書いたように、こうしたアップデートは、SIMフリーiPhoneや他社から持ち込んだiPhoneにも適用されます。iPhoneの取り扱いが話題になりましたが、元々、楽天モバイルは持ち込み端末の比率が高かったことを考えると、この影響は無視できません。人気の高いiPhoneが販売できることは楽天モバイルにとってプラスですが、正式なパートナーとしてiPhoneの各種機能が使えるようになることのメリットはそれ以上に大きいと言えるかもしれません。

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