2020年も残すところあとわずか。今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、例年とはまったく違った1年になってしまいました。モバイル業界的には、スペイン・バルセロナで開催されるMWCが中止になってしまったあたりから、急速に動きが変わった記憶があります。そのニュースを目にしたのはアメリカ・サンフランシスコで、Galaxy S20シリーズの取材を終えた直後でしたが、あれが最後の大規模な海外発表会になってしまったのは寂しい限りです。

2月のアメリカは、まさに対岸の火事といった状況。密でノーマスクだが、韓国企業のイベントらしく、会場ではマスクが配られていた(が、取っている人はまばらだった)

とは言え、メーカー各社はリモートでの開発を続け、物流も動いていたこともあり、多少の遅れはあったものの、予定されていたスマートフォンの数々はしっかり発売されています。中でもインパクトが大きかったのは第2世代の「iPhone SE」で、発表時に書いた記事は、2020年の連載の中でもっとも読まれたようです。MWC中止にもめげずにオンラインで発表した「Xperia 1 II」の記事が、その次につけています。

iPhone 12以上に注目度の高かったiPhone SE

ベストバイにも挙げましたが、Xperia 1 IIはXperiaの復活を強く印象づけた端末だったようで、SIMフリー版の発表を速報した記事もよく読まれていました。SIMフリー版だけでも驚きだったところに、メモリやストレージの増量、限定色の追加といったニュースがあったことも、インパクトを与えたようです。端末関連では、ほかにGoogleの「Pixel 4a」や、5Gに対応した「iPhone 12」に関連した記事にアクセスが多くありました。

Xperia 1 IIの記事へのアクセスも多く、関心の高さがうかがえた。写真はSIMフリー版

一方で、昨年以上にファーウェイにとっては、苦しい1年になりました。ご存知のとおり、同社は米国の制裁を受け、Androidに搭載するGMS(Google Mobile Service)が使用できなくなってしまいました。代わりに自社で立ち上げたHMS(Huawei Mobile Services)を搭載した「Mate 30 Pro 5G」を3月に発売。その後、夏モデルとしてP40シリーズもHMS搭載でSIMフリーモデルとして市場に投入しています。筆者が購入したのは、ミドルレンジモデルの「P40 lite 5G」でしたが、物珍しさもあって、発表時の記事はよく読まれていました。

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ただ、やはり現時点では、GMS搭載のAndroidと比べると、アプリの数は少ないのも事実。使っているとよく分かりますが、いかにこれまでGoogleのサービスにどっぷり依存してきたがよく分かります。メールやカレンダーは工夫次第でまだ何とかなりますが、保存してきたWebのID、パスワードの数々が使えなかったり、撮った写真や動画をGoogleフォトに上げられなかったりと、ところどころで引っかかることがあります。

不遇の1年だったファーウェイだが、HMS搭載端末には黎明期のスマホのような手探り感があり、設定する楽しさもあった

この米国の制裁はさらに厳しさを増し、チップセットの供給も困難になってしまいましたが、トランプ政権が終わり、状況が改善することを期待しています。ぶっちゃけ、5Gインフラならまだ理屈は分かりますが、端末まで制裁対象にするのは単なる嫌がらせでしかないと今でも思っています。特に同社のハイエンドモデルのカメラは、メーカー各社の競争の引き金にもなっていただけに、ファーウェイ不在でそれが停滞してしまうのが心配でなりません。

En“gadget”というだけあって、やはりスマートフォン関連の記事が人気を集めている印象ですが、キャリア関連のニュースもそれに続く読まれ方をしています。中でも、アクセスを多く集めたのが、第4のキャリアである楽天モバイル関連のニュース。本格参入のお話はもちろんですが、そのあとも「Rakuten Mini」の周波数無断変更問題や5Gのエリア狭すぎ問題など、様々なドタバタがあり、話題が尽きませんでした。

楽天モバイル関連の連載を上から順に並べると、こんな感じに。本格サービス開始前からeSIMのサービスを展開していたこともあり、iPhoneやPixelなどの対応端末をレビューする際には、矢崎編集長の命令で……はなく、高いニーズを踏まえて、なるべく対応状況をチェックするようにしていました。ほかにも、キャリアの料金や戦略に関する記事は書いていますが、上位に来ているのが軒並み楽天モバイルということで、読者の関心の高さがうかがえます。

料金プランで話題を集めた直後に、対応周波数の無断変更で大炎上したRakuten Mini。楽天モバイルへの関心が高い1年でもあった

みんな大好き、楽天モバイル。と言いたいところですが、年末にかけ、大手キャリア各社が対抗策を打ち出してきました。中でもドコモの「ahamo」は、楽天モバイル潰しを画策したかのような料金プランで、業界に激震が走りました。コロナ禍で海外渡航に厳しい制限がつくなか、あえて国際ローミング無料を大きく打ち出したところからは、楽天モバイルが自身のMVNOを離脱することを根に持っている様子がひしひしと伝わってきました。

それはさておき、12月22日にはソフトバンクもahamo対抗の「Softbank on LINE」を発表。データ容量などの条件は異なりますが、結果として、楽天モバイルが打ち出した2980円という料金水準が、1つの基準になっていることがうかがえます。KDDIも、21年早々に対抗策を打ち出す予定。20GBと無制限で違いはありますが、ある程度大きなデータ容量で、エリアの広い大手キャリアに並ばれてしまった楽天モバイルは、ここにどう対抗していくのでしょうか。21年は、こうした点にも注目していきたいと考えています。それでは、よいお年を!