Rakuten

楽天グループ(以下、楽天)は2021年8月5日、ドイツに自前の通信網をもつ通信事業者として参入する「1&1」に対し、完全仮想化技術を提供することで合意した、と発表しました。楽天は10年にわたる長期的な契約を1&1と結び、ネットワークの構築や運用などの業務を約2500億円で請け負います。

完全仮想化技術とは、従来型で必要とされる、専用のハードウェアを不要とし、基地局の設備に必要なほぼすべての機能を汎用サーバー上で再現する仕組み。これにより、たとえば、一部のハードウェアに障害が発生しても、代替機へ自動で切り替わるため、安定して通信サービスを提供できるとしています。

ちなみに、楽天が2019年に試験施設「楽天クラウドイノベーションラボ」を開設した際、完全仮想化技術について三木谷浩史会長兼社長は「技術的なハードルが高かった」と開発時の苦労を振り返りつつ、“人類初の有人月面着陸を実現したアポロ計画”にたとえ、これまでに前例がないと強調していました。

これらを武器にし、日本国内で2020年4月に携帯電話サービスを始めました。

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▲ 出所:楽天モバイルの仮想化の取り組みについて(総務省)

今回、完全仮想化技術を世界の通信事業者に向けて販売するため、無線アクセスネットワーク、コアネットワーク、クラウド、オペレーションを「Rakuten Communications Platform」(以下、RCP)としてパッケージング。その最初の顧客となったのが1&1ということです。

さらに、1&1のネットワーク運用を自動化するため、専用開発のオーケストレーションソフトウェアもあわせて提供することにしています。

1&1 AG
▲ 1&1は、固定インターネット回線やMVNOとしてモバイル回線を提供する、ドイツの通信事業者。第4のMNOとして新規参入予定

1&1は、ドイツ・マインタールに拠点を置く株式上場通信事業者。2019年にドイツ政府から5Gの周波数帯域を割り当てられ、ドイツ・テレコム、テレフォニカ、ボーダフォンに次ぐ、第4の通信事業者(MNO)としての新規参入が決まっていました。いわば日本でいう楽天のような位置づけです。

楽天側としては、完全仮想化技術を売り込むだけでなく、日本国内でのこれまでの実績を基に、世界中の通信事業者に普及させたい考えのようです。

1&1側は、RCPで設備投資額を抑えるだけでなく、ヨーロッパ初の完全仮想化モバイルネットワークを構築できるとアピール。「楽天とともに、5Gが持つ可能性を十分に引き出すため、広範囲にわたる自動化とアジリティを備えた高性能なモバイルネットワークを構築」ともコメントしています。


Source:楽天グループ

Via:1&1 AG , 総務省


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