米医療ソフトウェア企業にランサムウェア攻撃、新型コロナワクチンの臨床試験が減速

人類の敵

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年10月6日, 午後 05:00 in cybersecurity
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BRAZIL - 2020/06/16: In this photo illustration the IQVIA Holdings logo seen displayed on a smartphone. (Photo Illustration by Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)
SOPA Images/LightRocket via Gett

米国の医療ソフトウェア企業がランサムウェアによる攻撃に晒され、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発が打撃を受けていると報じられています。

ランサムウェアとは、企業などローカルのネットワークに侵入して一斉にコンピューターをロック、データの暗号化などを行って使えなくした上で、解除キーを高額で買い取らせる悪質なマルウェアです。先月末にも米大手病院・医療サービスのUHSが大規模な攻撃に見舞われ、一部の病院では電子カルテが麻痺したと伝えられていました

今回攻撃に見舞われたeResearchTechnology(ERT)は、新型コロナウイルスのワクチン開発を含む何百もの臨床試験で使われるソフトウェアを販売する企業です。ERTが過去2週間にわたってランサムウェア攻撃を受けた結果、新型コロナワクチンの臨床試験が減速してしまったとのこと。ERT発表では患者が危険に晒されることはなかったとありますが、医療現場の研究者らはペンと紙で患者を追跡することを余儀なくされたと述べています。

攻撃を受けた主な対象は、アストラゼネカ社による新型コロナワクチン試験を管理する研究機関IQVIAと、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社だったとのこと。IQVIAは、データをバックアップしていたおかげで影響は「限られている」との声明を出しています。

ERTは、どの程度の臨床試験が影響を受けたかは明らかにしていませんが、同社ソフトウェアはヨーロッパ、アジア、北米全域の治験で使用されています。同社サイトによると、昨年の アメリカ食品医薬品局(FDA)による医薬品承認につながった試験の4分の3で使われたとあり、影響範囲は小さくはなさそうです。

記事執筆時点ではランサムウェア攻撃の背後に何者がいたのかは定かではなく、ERTもコンピューターを復旧させるために身代金を払ったかどうかは明らかにしていません。

前回のUHSに対するランサムウェア攻撃は医療現場を混乱させ、いわば患者の命を人質に取って金銭を要求する卑劣な行為でした。そして今回の攻撃は、もっか全世界的に急務とされている新型コロナのワクチン開発を阻害しようとするもの。どの国が先にワクチン開発に成功して大量生産を実現できるか、そこには各国のパワーゲームが絡む可能性もありますが、利害を乗り越えてサイバー犯罪グループの駆逐に一丸となってほしいところです。

Source:The New York Times


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