3月26日に、ソフトバンクとモトローラから、フォルダブルスマホの「razr 5G」が発売になります。本機は、モトローラが20年に発売した「razr」の5G版。スタイリッシュな折りたたみケータイとしてグローバルで人気博したRAZRシリーズを、最新のスペックでスマホとして復刻させた1台です。日本では、ソフトバンクがソフトバンク版を、モトローラがSIMフリー版を発売します。本機を、一足先に試用したので、その実力をお届けします。

razr 5G Junya Ishino
▲モトローラのフォルダブルスマホがついに日本に上陸する

RAZRと言えば、スタイリッシュな折りたたみケータイ。日本でも、ドコモから「M702iS」が発売された際には、パリス・ヒルトンが来日したり、広告にデビッド・ベッカムを起用したりと、その豪華さで話題を集めました。当時の主流は国内メーカーのフィーチャーフォンでしたが、舶来品の趣が強いデザインに強くひかれたユーザーもいたはずです。そんなRAZRのテイストを残しつつ、現代風のスマホに仕上げたのがrazr 5Gです。

スマホ化するにあたり、採用されたのがフォルダブル機構です。折りたためると言っても、当然好きな場所をぐにゃぐにゃと曲げられるわけではなく、ディスプレイ部分は枠のようなフレームの中にあり、中央部分のヒンジで回転を制御しています。折りたたむとき、ディスプレイ下部の一部が“チン”と呼ばれるアゴのようなパーツの中に入ることで、ぴたりと上下がつながる仕組みです。

▲ディスプレイそのものをグニャッと折り曲げられる
razr 5G Junya Ishino
▲折り曲げを支えているのが、フレーム中央部に設けられたヒンジだ
razr 5G Junya Ishino
▲折り曲げた際には、ディスプレイがわずかに動き、チン内部に格納される

折り曲げはスムーズにでき、片手で指をディスプレイ同士の間に入れて、勢いよく開くことができます。フィーチャーフォンのように、シャキッと端末を開き、そのまま端末を耳に当てて電話するといった使い方も可能。フィーチャーフォン時代には、折りたたみケータイや回転(リボルバー)式ケータイをいかにカッコよく開けるかを競い合って練習した人もいるのではないでしょうか。razr 5Gを使っていると、その感覚が蘇ってきます。

とは言え、中身はれっきとしたスマホ。単なるフィーチャーフォンの置き換えではなく、開くと最新のスマホとして利用できます。ディスプレイサイズは6.2インチで、アスペクト比は21:9と縦長。21:9のディスプレイは、ここ最近のXperiaシリーズにも採用されていますが、1画面に表示できる情報量が多く、慣れると手放しづらくなります。縦に長いため、見た目的にも細長くなり、シュッとした印象に。スタイリッシュさを出すうえでも、いいアスペクト比と言えそうです。

razr 5G Junya Ishino
▲ディスプレイは21:9で縦長のサイトを見るには最適

ただし、残念なのは、画面上部にノッチがあるところ。映画など、21:9のコンテンツを画面いっぱいに広げて表示しようとすると、端の映像が隠れてしまいます。通話などに使うスピーカーやインカメラを搭載するためですが、後述するように、razr 5Gでは閉じた状態でメインカメラを使って自撮りができるため、スパッと割り切って開いた状態でのインカメラをなくしてしまってもよかったかもしれません。また、ディスプレイは真四角ではなく、上下が弧を描くような形状になっているため、このデザインも全画面表示の際に若干違和感があったことはお伝えしておきたいところです。

razr 5G Junya Ishino
▲ノッチがあるため、21:9の映像を全画面で見ると一部が欠けてしまう

Snapdragon 765Gを採用したミドルレンジモデルですが、同チップセットのパフォーマンスはどちらかと言うとハイエンド寄りで、動作もスムーズ。ゲームなどでグラフィックスの性能を目いっぱい引き出すといった用途でなければ、特に困ることはありません。他のSnapdragon 765G搭載端末もそうですが、パフォーマンスに関しては、このクラスのチップセットで必要十分以上になってきた感があります。

カメラはシングルカメラなのが残念ポイントの1つですが、画素数は4800万画素で、4画素を1つにする技術を使い、暗所撮影にも強く、まずまずの画質です。このクラスのミドルレンジモデルであれば、もうひと頑張りがほしいのが本音ですが、本体を閉じると自撮り用に使える機能はフォルダブルであるrazr 5Gならでは。閉じたまま、本体を振るだけで簡単に起動でき、撮影もスムーズです。

razr 5G Junya Ishino
▲razr 5Gで撮影した写真。料理の彩度はかなり鮮やかになる
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▲折りたたんだまま、メインカメラで自撮りができる

自撮りの際には、背面に搭載されたクイックビューディスプレイを使います。このディスプレイは、折りたたんだままrazr 5Gを操作するためのもので、カメラ以外のアプリも表示できます。Chromeなど、非対応のアプリもありますが、PayPayで決済したり、YouTubeで動画を見たり、Gmailでメールをチェックしたりと、様々な操作に対応。キーボードも出せるため、無理をすれば、閉じたままメールに返信するといったことも可能です(開いた方がいいですが)。

razr 5G Junya Ishino
▲閉じたままクイックビューディスプレイで操作できる
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▲アプリの起動も可能。PayPayは閉じたまま使えた

個人的に、ぜひ使ってほしいのが「レトロRazr」と呼ばれる機能。これは、フィーチャーフォン時代のRAZRをソフトウェアで再現するアプリで、お遊びではありますが実際に操作までできます。画面下にキーが並び、方向キーで設定やBluetooth、電話帳などを呼び出せる仕様。忘れかけていたフィーチャーフォンの操作を思い出し、懐かしさがこみあげてくること請け合いです。このモードに固定できれば、フィーチャーフォンからの乗り換えユーザーにもいい1台になるのでは……と思ったりもしました。

razr 5G Junya Ishino
▲往年のRAZRをモチーフにしたレトロRazrアプリ

とは言え、重い腰を上げてようやくスマホに乗り換えるユーザーにとって、その価格は衝撃的すぎるかもしれません。ソフトバンク版で半額サポートを使い、2年後に端末を回収されても約10万と、razr 5Gは価格帯もプレミアム。仕様面ではおサイフケータイにも非対応のため、ユーザーを選ぶ端末です。折りたたみのギミックはクセになり、慣れると、他の縦長スマホもうっかり折ろうとしてしまうほど。スタイリッシュさや、新しさを求める人には、いい1台と言えそうです。

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