昨今大型の新製品が相次ぐ高級キーボードですが、年末も間近になったこのタイミングで、キーボード好きにとって待望の製品が登場します。

それは、東プレが発表したREALFORCEの新世代モデル『R3キーボード』シリーズ。待望の、と紹介した理由はただ一つ。ついにREALFORCEのBluetooth接続版が登場するためです。

しかもワイヤレス化だけではなく、REALFORCEを代表する“入力高さ可変機能”APCは最短0.8mmからとなり、全モデルに搭載されます。

加えて本体側(ファームウェア側)にキーマップを2種記録でき、本体操作で随時切り替えが可能。またR2世代で生じた、一部USB切り替え機との互換性を確保する『シンプルモード』の搭載など、機能面でも第三世代を意味する『R3』を冠するだけの充実度を誇ります。

製品構成に関しては世代交代と呼ぶにふさわしい全面刷新となることもあり、今回はPC用シリーズの日本語配列版が全面モデルチェンジに。有線(USB)専用モデルを含めた、10種×2色の20モデルが同時発売となります。

発売日は11月1日、製品価格は2万3980円から3万4980円(税込)。 本体カラーは『スーパーホワイト』と『ブラック』の2色になります。

なお留意点として、販売チャンネルが同社直販Webサイトの『REALFORCE Store』とAmazon.co.jp、そして楽天市場のみと公開されています。現状では店頭販売の告知はありません。

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REALFORCE(リアルフォース)シリーズとは、静電容量無接点方式と呼ばれる非接触式のキースイッチを使った高級キーボード(今回は他社から出てきた静電容量無接点方式と区別する意図か、『Topreスイッチ』の愛称が付けられました)。

公称5000万回の入力に耐える高耐久性に、キートップの構造からファームウェアに至るまでの、打鍵を取り逃がさなずなおかつ入力ミスを防ぐための工夫、そして他のメカニカルスイッチともひと味違う“はまると抜け出せない”とも称される打鍵感などにより、入力機器としてのキーボードを重視するユーザーからの熱い支持を得ているシリーズです。

▲ホスト機器切り替えはFnキーとフルキー側の1~4を使うタイプ。奇しくも? HHKB Hybridと同じです

今回発表されたR3シリーズの特徴は、20モデル中の16モデル(色違いを除くと10種中8種)が、Bluetooth 5.0とUSBのハイブリッド(有線・無線兼用)モデルとなったこと。

Bluetooth接続はホスト側を4台まで登録可能で、USBを含めたキーコンビネーションによる明示的な切り替えもできるなど、イマドキのBluetoothキーボードとして期待される機能もカバーされています。

▲電源は単3形乾電池×2本を使用。USBで給電しながらの無線使用も可能です

電源はこだわりの単3形乾電池×2本仕様。さらに「USBから給電しながらのBluetooth接続使用」も可能です。

そして、これまでのREALFORCEユーザーにとっては、ともすればそれ以上に嬉しいかもしれない点が、「Bluetooth兼用モデルではキーボードケーブルが交換可能になった」点でしょう。

「ワイヤレスなのでキーボードケーブルが外せる」という点は当然といえば当然ではありますが、一方でREALFORCEシリーズは信頼性重視のためか、ケーブルは本体と一体型で非常に太いために、収納時などは取り回しに気を使うものでした。

これが取り外せるようになることで、取り回しはかなり楽になり、また好みの長さのケーブルを使えるようになります。これがどれだけ嬉しいのかは、REALFORCEシリーズのヘビーユーザーであれば納得していただけるのではないでしょうか。

▲付属ケーブルは1.8m、Type-C(キーボード側)対Standard-A(ホスト側)仕様。現行モデルと比べて細くなりました。REALFORCEロゴ入りのベルクロテープで留められます
▲付属ケーブルのType-C端子はL字型なので、奥行きに対するインパクトは少なめ。もちろんType-Cなので、裏返して反対側にも向けられます

もちろん本体側の端子はUSB Type-C。付属ケーブルは取り回しに配慮したL字型Type-C端子の、Type-C to Standard-Aタイプとなります。


▲APC機能には新たに0.8mm設定が追加。軽く触れるだけでも入力が可能です

さらに見逃せないポイントとして、静電容量無接点方式の構造上メリットを活かした“入力高さ可変機構”『APC』が全モデルに搭載されている点が挙げられます。さらに高さ自体も、0.8mmという非常に“感度の高い”仕様が加わり、4段階となっています(現行R2シリーズまでは3段階)。

これは、キースイッチがオンになる高さを、4段階から選択できるというシステム。昨今は高級ゲーム用キーボードでも搭載するものがありますが、もともとはREALFORCEシリーズで広まった機能です。

▲専用ソフトウェアもR2世代から刷新され、REALFORCE CONNECTに。打鍵階数のヒートマップ表示や見やすいバッテリー残量表示など、ユニークな機能を備えます

本体側の操作では全てのキーを一括して変更できますが、専用ソフトウェア『REALFORCE CONNECT』により、1キーごとの設定変更も。加えてこの設定はキーボード本体側のオンボードメモリに2種までを保存できます。初期状態への切り替えなども手軽なため、素早く入力したいキーは浅く、間違えて入力しやすいキーは深く、あるいは体調や疲労度に合わせて……といったように、気軽に変更できるのがポイントです。

専用ソフトウェア『REALFORCE CONNECT』ではAPC設定のほかにも、すべてのキーの機能割り当てを変更できる『キーマップ入替機能』も搭載。CtrlキーやCAPS Lock、日本語関連キーといった需要の高いキーだけではなく、英字や数字なども割り付けを変更可能です。

さらにポイントとしては、本体側のオンボードメモリに2種を保存でき、本体操作で随時切り替えできるという点(上述のAPCを含め“全てのカスタマイズ共通で2種”という扱い)。

数人で共有するキーボードの場合などでも、またホスト機器を変えた場合でも、自分用にカスタマイズした設定がすぐに使える趣向です。


▲標準モードでの、デバイスマネージャー上での認識。USB入力デバイス×3基構成などにより、全キー同時押し(Nキーロールオーバー)を実現します

▲こちらがシンプルモード時の認識。標準HIDキーボードデバイスとレポートされるため、“HIDキーボードでないと認識しない”キーボード切り替え器などで使用可能となります

合わせて、ファームウェアレベルで見逃せない新機能が『シンプルモード』。これは、Nキーロールオーバーやメディア操作キー(再生や停止、音量調整など)機能を無効にする代わりに、“HIDキーボードデバイスとして認識させる”モード

これにより機能は減少しますが、R2シリーズで問題となっていた古めのキーボード切り替え器やmacOSなどとの互換性を高められます。切り替え操作は本体側の電源兼用スイッチでOKなので、即座に設定変更が行えます。

とくにKVM(キーボード切り替え器)などではR2世代で困っていたユーザーからの意見が相応にあったため、こうした機器を使っているユーザーにとっては非常に大きなトピックです。


REALFORCE R3 発表

そしてもう一つの特徴が、オプションの『パネルデザインキット』。これは本体天板(キー間フレーム)をキット側のクリアパネルに交換。同じくキットに付属するパネルシートに好きなデザインを印刷し挟み込むことで、自由度の高い天板デザインのカスタムをできるようにするものです。

合わせて、キーキャップも8色のカラーバリエーションをオプションで用意。キーの色も自分好みに楽しめる趣向を導入しました。

なお、パネルデザインキットの価格は2420円から3300円、キースペーサーキットは1540円から2090円。キーキャップセットは48キー版が6600円、118キー版が1万1000円となります(パネルデザインキットは本体同時発売、キーキャップセットは12月20日発売)。


このようにREALFORCE R3キーボードは、Topreスイッチによる打鍵感やAPC機能といったREALFORCEシリーズ伝統のメリットを受け継ぎ、また強化しつつ、ついに公式でのワイヤレス化やカスタマイズ性の強化を果たしたシリーズ。

▲賛否両論となりそうなのが本体デザイン。上側のR2 テンキーレスモデルと比べると印象がなだらかになり、初代に近い見栄えに。電源やキーマップ切り替えスイッチにより、奥行きも伸びています

全般的な本体デザインが“スクエアな”R2世代から大きく変わり、初代的なイメージを残した印象に様変わりした点や、スペースバーの幅が狭くなり、最下段(最も手前)のキー位置がR2シリーズと大きく変わった点など、賛否が分かれそうな部分もありますが、多くのユーザーにとってはそれ以上に強化点のインパクトが大きい世代交代となりそうです。

なお、現行のR2シリーズ日本語配列モデルは、10月29日で生産終了となるとのこと。R2シリーズのデザインが好みという方は、R3と並んで予備機を確保しておいたほうが良いかもしれません。

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