DPDF

日本で「Redmi 9T」「Redmi Note 9T」と格安ながらもスペック十分なスマートフォンを発売したばかりのシャオミが、2月25日に海外で「Redmi K40」シリーズを発表しました。Redmiの中でもKシリーズはSnapdragon 800番台を搭載するハイスペックモデル。しかし価格は他メーカーの同等性能品より抑えた超コスパモデルです。

Redmi K40シリーズには以下3つのモデルが存在します。

・Redmi K40 — Snapdragon 870、最高画質48MPカメラ、1999元(約3万3千円)から

・Redmi K40 Pro — Snapdragon 888、最高画質64MPカメラ、2799元(約4万6千円)から

・Redmi K40 Pro+ — Snapdragon 888、最高画質108MPカメラ、3699元(約6万1千円)

DPDF
Redmi K40 Pro+ / K40 Pro

クアルコムは2021年向けのハイエンドチップセットとしてSnapdragon 888に加え、Snapdragon 870を展開しています。Snapdragon 870は昨年登場したSnapdragon 865 / 865+のバージョンアップモデルという位置づけであり、Snapdragon 888より性能は劣るものの、十分なパフォーマンスを提供してくれます。シャオミはクアルコムが2つのハイエンド向けチップセットを出していることに目をつけ、K40シリーズでは最下位モデルにも十分なパフォーマンスを持たせながら、3万円台という激安価格を実現しました。

DPDF
Redmi K40。本体サイズやデザインはRedmi K40 Pro+ / Proと変わらない

各メーカーはフラッグシップモデルを複数展開しています。サムスンはディスプレイサイズとカメラ性能を変えることで、「大画面・高画質カメラ」から「コンパクト画面・標準的カメラ」と製品を作り分け、上位モデルと下位モデルの価格にも大きな差をつけています。「Galaxy S21 Ultra」は1199ドル、「Galaxy S21」は799ドルと、Snapdragon 888を搭載しながらも400ドルの差をつけています。

一方、中国メーカーはディスプレイサイズは同等で、カメラ性能を変えたモデルを展開するケースが大半です。K40も3モデルともに6.67インチディスプレイを搭載しています。しかし3モデルともにSnapdargon 888を搭載するとなると、価格設定が難しくなります。Redmiといえばコスパのブランドとして知られていますから、最低価格は手の届くレベルに引き下げたいところ。とはいえ最下位モデルにSnapdragon 765Gを搭載するようではハイエンドモデルとは言えません。そうなると、Snapdragon 888採用で3モデルとも大幅に価格を下げる必要がありますが、コストを考えると難しいでしょう。

そこでK40シリーズはSnapdragon 888、Snapdaragon 870の2つのチップセットを採用し、カメラ性能を変えることで3つの製品をうまく価格差をつけながら作り分けたわけです。

このような動きはシャオミだけではなく他のメーカーも行っています。OPPOが2020年12月にリリースした「Reno5」シリーズは、Reno5 Pro+がSnapdragon 888、Reno5 ProがメディアテックのDimensity 1000+を採用しています。どちらも同じ6.55インチディスプレイを搭載。カメラスペックと価格はReno5 Pro+が50MP + 16MP + 13MP + 2MP、3399元(約6万6千円)。Reno5 Proが64MP + 8MP + 2MP + 2MP、3399元(約5万6千円)。Redmi K40シリーズのようにチップセットとカメラの組み合わせを変え、2つのハイスペックモデルを販売中です。

Dimensity 1000+のパフォーマンスはSnapdragon 888には及ばないものの、Snapdragon 865を若干下回る程度で十分な性能を持っています。どちらのチップセットを搭載したモデルもハイエンドモデルとして堂々とアピールできます。

DPDF

また低価格スマートフォンで急成長中のRealmeも2つのチップセットを採用する戦略をMWC上海2021で発表しています。Realmeの「Dual-Platform Dual-Flagship Strategy」は、クアルコムのSnapdargon 800番台を搭載する性能重視のハイエンドモデルと、メディアテックのDimensity 1000シリーズ(1000/1100/1200)を搭載し、カメラ性能などを大幅に高めたモデルも展開し、同社の「顔」となる製品を今後2つのラインとして展開していくというもの。なおRealmeはDimensity 1200の搭載をいち早くアナウンスしています。

DPDF

Realmeはサムスンやシャオミのように1億800万画素カメラを搭載したモデルをリリースする予定と考えられますが、メディアテックチップセットの採用で価格が高くなることを避け、最高のカメラ体験をリーズナブルな価格で提供しようと考えているわけです。

このほかのメーカーを見ると、Vivoの「X60」シリーズはX60 Pro+がSnapdragon 888に50MP + 48MP + 32MP + 8MPカメラ、「X60 Pro」がサムスンExynos 1080に48MP + 13MP + 13MP + 8MPカメラを搭載。ハイエンドとミドルハイレンジという作りわけになっていますが、「Snapdragon 888とSnapdragon 765G」のように、クアルコムのチップセットの上位モデルと中位モデルを使い分けるのではなく、複数メーカーのチップセットを採用しています。クアルコムのチップセットの価格が高いということもあるのでしょうが、他メーカーのチップセットの性能もすでに十分なレベルに達しているということが背景にあるのでしょう。

DPDF

中国メーカーの新製品はシャオミの「Mi 11」シリーズのProモデルが出ると噂されています。またOPPOからはハイスペックな「Find 3」シリーズが複数モデル展開となるでしょう。2021年の各社のフラッグシップモデル展開は、チップセットや価格のバリエーションが広がり、製品の細分化が進むと予想されます。