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ソニーが4月末にリリースしたPS5専用タイトル「Returnal(リターナル)」(8690円、税込)。発売直後から話題となった本作ですが、「ローグライクTPS」というジャンルにつられて筆者もプレイすることに。意気揚々とプレイを開始したものの、筆者が惹かれたのは「TPS」ではなく「ローグライク」の部分で、シューターは下手の横好きレベル。入手する前から苦戦するのは予測できていましたが、まさかステージ1のクリアまでに相当な回数死亡するとは思っていませんでした……。

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1面のボスに挫折すること数十回、一旦心が折れて別のゲームに逃亡した後、再びPS5のコントローラーを握り再トライ。その後も何度も挫折しそうになりながらなんとか最初のボスを突破したのは5月半ばのことでした。

それから時間が経った現在=本稿の執筆時点でも、恥ずかしながら未だ全クリには至っていません。しかし、プレイの中で本作の魅力を感じることができたのは事実。そこで今回は、本作の極力ネタバレなしでのプレイレポートをお送りしたいと思います。

■舞台となるのは不気味な惑星。高難易度のTPS

さて、本作は宇宙飛行士「セレーネ」が不時着した謎の惑星「アトロポス」で、クリーチャーに殺される度に生き返る「死のループ」から脱出するために惑星を探索・調査を進めるというものです。

舞台となる「アトロポス」は陰鬱な雰囲気が漂うだけでなく、かつてこの惑星に異星人が文明を築いていた痕跡、そこら中に転がる別ループの自分の死体と、死体が持っている残した覚えのないオーディオログなど、SFホラーを感じさる要素が随所に存在します。PS5の美麗なグラフィックと明瞭なサウンドも相まって、ゲームに慣れるまではかなり怖いです。

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最初のステージは陰鬱で湿っぽい雰囲気です

さて、本作では「ローグライク」の名前の通り、死亡するとゲーム開始地点の宇宙船まで戻されてしまいます。死亡するたびにマップが変わると同時に、一部の恒久的な装備を除いた武器やアイテムをすべて失うことになるのも、ローグライクではお馴染みですね。

また、本作は高難易度なのに加えて難易度の調整も不可能。easyモードなんて存在しません。そのため、プレーヤーがうまくなっていくことでしかクリアに辿り着くことはできないのですが、敵からの被ダメージは序盤から痛いですし、集団で襲ってきます。

加えて、回復手段も乏しいので簡単に死にます。死んだ場合は強力な武器やアイテムを入手しても、死ねばアイテム未所持+武器はハンドガンの状態に戻されるので、武器探しからやり直し。こんな風に、序盤からプレイヤーの心を折りに来ます。

それでも、何度もプレイすることでコツを掴んでいけば上達を感じることができる絶妙な難易度で、後述するようにリプレイ性も高く「もう一回頑張ろう」と思える内容となっていることに加え、PS5のロードが早いお陰でストレスなく何度も死んではトライを繰り返せるゲームになっています。

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ゲーム開始時に表示される開発陣からのお言葉

■敵の攻撃は弾幕!だけど意外と躱せる

そんな本作ですが、敵の攻撃は弾幕によるもの。中には画面が埋め尽くされるほどの弾幕を撃ってくる敵も。特にボスの攻撃は苛烈で、弾幕だけでなく高火力のレーザーや、近距離攻撃など、特徴ある攻撃を繰り出してくきます。

一見すると避け辛そうな弾幕ですが、セレーネの足が早い+ダッシュには無敵時間があるので、意外にも簡単に躱すことができます。また、本作はオートエイムが結構強めなので、走りながらの射撃でもヒットさせることができ、躱しながらの攻撃が可能です。

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本作で最初に遭遇する敵。単体だと難なく躱せる横一列の弾幕ですが、これが複数体+視界外から飛んできます……

とはいえ、それは敵が単体だったらの話。複数の敵に遭遇し、弾幕を撃たれるとさすがに躱すのは楽ではありません。筆者は複数の敵に遭遇したらとりあえずフィールドを走り回って地形を把握しながら、距離をとって攻撃。敵に寄られる前に再び走る……というのを繰り返すチキンプレイをしていましたが、慣れないうちはそれでも連続で被弾し、何度もループすることになりました。

それでも繰り返しプレイすることで、だんだんと画面が見えるようになっていき、遮蔽物や高低差の使い方や、ダッシュのタイミングを掴み被弾が減るだけではなく、効率的に敵を倒せるようになっていきます。

プレイ時間に比例して被ダメが目に見えて減っていきますし、マップの奥に進んでいけるようになるので、目に見えて上達を感じることができました(それでも死ぬときは序盤にあっさり死ぬのがこのゲームですが)。

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弾速の早い弾に加え、急に接近してくることがある中ボス的なクリーチャー。タイマンなら遮蔽物を使えば楽に倒せます

また、戦闘の中でアクセントとなるのが「アドレナリンレベル」というシステム。

ノーダメージで敵を倒すほどアドレナリンがどんどん溜まっていき、攻撃力アップやオーバーロード(タイミングよくボタンを押すことで発動するクイックリロード)の強化といったバフを得ることができます。ただしこのバフは被弾するとリセットされてしまうので注意が必要。

逆に言えば、敵の攻撃を避け続けていれば、どんどん強くなることが可能です。因みに、最初は全く溜まらなかったアドレナリンが、回避に慣れることで溜まるようになることも上達を実感できるポイントでした。

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敵をノーダメージで連続キルしていけばアドレナリンレベルが上昇。どんどん有利になっていきます

■マップには様々なパターンが存在

本作はローグライクらしく、プレイのたびにマップが変化します。マップはエリア同士がドアで区切られており、ローグライクのダンジョンでいうと各エリアが部屋、それを繋ぐドアが道、といった構造になっています。

エリアは敵が配置されていたり、アイテム部屋になっていたりと様々ですが、生成パターンはある程度決まっているので、どこかでみた構造のエリアを探索することも少なくありません。ただ、エリアごとの繋がりは完全にランダムなので中ボス的な敵と連戦することになったり、アイテム部屋が固まっていたりすることもあり、プレイごとに探索の難易度も変わってきます。

また、ストーリーを進めていくことでエリアの移動を楽にしてくれるギミックやアイテム、

次のステージへのショートカットなどが解禁されていきます。尚、ワープポイントは装備が整っていない状態で後半のステージに挑むことになるので、腕に自信がない限りは有効に使うのは難しいかもしれません。

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詳細マップはいつでも確認できます。マップを確認中はゲームが中断されるので、ピンチの時に逃亡先を確認することも可能です

探索の手助けをしてくれるのは、物語を進めることで手に入る恒久的な装備。障害物を切れるようになる近接武器=ブレード(もちろん敵も攻撃できます。しかも火力が高い!)や、移動に役立つグラップリングフック、アイテムスロットを一つ増やしてくれるものなどが存在します。

これらの恒久的な装備はマップの移動を楽にしてくれるだけではなく、今まで取れなかった壁の向こうや水中にあるアイテムを取れるようになったりと、攻略を楽にしてくれる要素となっています。後半のエリアにいくほど恒久的な装備も増えていき、序盤の探索・移動の手間がなくなり、アイテムが手に入りやすくなって事故死を防げるという訳です

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近接攻撃を繰り出せるブレードも恒久的な装備で死んでも無くなりません。特定の壁を壊せたり、敵に攻撃ができるようになります

■アイテムの選択が攻略のカギ

本作は当然のように出現する武器やアイテムもランダム。いい武器が手に入るかどうかはそのループの難易度を決定づけるもので、最も運が関わってくる部分ではないでしょうか。

武器は1つしか装備することができませんが、武器によってレアリティや、セカンダリファイア、追加効果が異なっており、同じ武器種でも性能が異なります。そのため、複数の武器が手に入ったとき、より有効な武器を選らべるかは効率のポイントとなっています。

レアリティが高いほど武器の基礎能力が高いですが、単にレアリティの高い武器を装備すればいいというわけではなく、追加効果やセカンダリの種類を考慮して選択する必要があります。セカンダリファイア強力ですがチャージ時間が長いので連発はできないというもので、電撃による攻撃や、範囲攻撃などが存在。武器の追加効果も追加でホーミング弾や貫通弾を発射するものなど様々です。他にも一つの武器で敵を倒し続けることで解禁される武器の固有能力も存在するなど、武器の取捨選択の際には様々な要素が関わってくるポイントです。

個人的には発射レートの高い武器が強力で、レートの高い「ホロウシーカー」と「タキオマティック・カービン」のどちらかから、追加効果やセカンダリが強力なものを選択すればいいと感じました(因みにショットガン的な「スピットモウ・ブラスター」が筆者のお気に入りですが、上記のものの方が強いと思います)。

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武器の性能はいつでも確認可能です
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同じ武器種でも性能が違うので注意。戦闘中に敵の落とした武器を即座に確認、強力な武器に持ち替えて有利に!、なんてシチュエーションもたまにあるので、武器の性能は咄嗟に確認したいです

因みに、射撃の操作にはPS5の「アダプティブトリガー」を活用しており、L2ボタンを軽く押せば通常の射撃、押し込むことでセカンダリファイアの使用に切り替わるようになっています。押し込みにはそれなりに力が必要なので、操作ミスをすることはありません。

他にも射撃やアクションの際には、ハプティックフィードバックによるコントローラーの振動が伝わってきて、臨場感を増してくれるなど、本作はアクション面でPS5コントローラーの特性をうまく活用しています。

■アイテムの中にはデメリットがあるものも……

武器以外にも体力を回復したり、シールドを貼る消費アイテムや、死ぬまで効果がある「アーティファクト」などが存在し、これらを活用することでゲームを有利に進行することが可能ですが、中にはデメリットを持ったアイテムも存在します。

悪性因子によって紫色に汚染された「悪性」アイテムやコンテナは、入手すると一定の確率でスーツを故障させ、条件を満たすまでデメリットを付与します。デメリットは「オーバーロードを無効化する」「アイテム入手時にダメージを与える」など、ゲームプレイに大きな影響を与えるものばかりなので、リスクリターンを考えたうえで悪性アイテムを手に入れるかどうかを判断する必要があります。

悪性アイテムは死亡時も失われない資源である「エーテル」を使用すれば浄化が可能。ただし、エーテルはアイテム生成や、新アイテムの解禁などにも使用できるため、悪性因子を取り除くために無暗に使用するのも考えモノです。

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明らかにヤバい見た目をした悪性アイテム。こちらは通貨的な要素であるオボライトの塊が汚染されているもの
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スーツが故障すると修理のためのミッションが表示されます

また、メリットとデメリットを同時にもたらすのが「パラサイト」と呼ばれる寄生生物。パラサイトは体力の自動回復や、故障を防いでくれたりといったメリットをもたらすと同時に、死んだ敵が酸をまき散らすようになったり、悪性アイテムの数が増加したりといったデメリットも同時に発生させます。一度寄生させたら取り外すにはアイテムや設備の発見が必要になるので、寄生させるかは慎重に考える必要があります。

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パラサイトは一長一短なので慎重に寄生させましょう。余談ですがイベントを見る限り寄生には中毒性があるようです……

悪性因子による故障やパラサイトを装備することで、リスクを背負ってのプレイはギャンブルのようで刺激的です。特にスーツの故障を直すために、「近接攻撃で敵を倒しまくる」などの普段はしない動きを意識して行なうことになるので、一種のチャレンジミッションのように楽しむこともできました。勿論、故障による死亡も何度も経験することになりますが、ループの中でのアクセントとしてリスクのある選択は魅力的です。

■周回していくことで明らかになる物語

周回プレイの中で、オーディオログを手に入れたり、異星人の言語を覚え、彼らの遺した石碑を翻訳することで、ループの背景にある物語が徐々に見えてきます。ログを読んでいるうちに、自分の置かれている状況が徐々に明らかになったり、逆に謎が深まったり……と、ストーリーは考察できる箇所が多い印象です。こうしたストーリーの要素も周回プレイの中の楽しみの一つ。死亡後の新たな冒険の中で新しいオーディオログが発見できるのはちょっとした喜びでした。

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別ループの自分が残したと思われるログが考察を捗らせます

中でも道中に突然出現するセレーネの自宅でのイベントは衝撃的。ネタバレは避けますが、フィールドでのSFホラーから一転、ジャパニーズホラー的なじわじわくる恐怖を体験することになるので心臓に悪いです……。

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自室でのイベントは「P.T」的な雰囲気です

■難易度は高いが挑戦したくなるタイトル

以上のように本作はとにかく難易度の高いTPSで、筆者も現在進行形で苦戦を強いられています。本作はアドレナリンのシステムの影響で、被弾しなければ有利になるゲーム性のため、シューターが得意な人はスンナリ先に進んでいるのかもしれませんが、筆者のようなTPSが下手なプレーヤーは序盤から何度も死に戻りを繰り返しながら、上達をしていく必要のあるタイトルです。

腕がモノをいうゲームなのは間違いないですし、上達することでしか先には進めませんが、プレイの中で恒久装備を手にいれたり、強力な武器やアイテムを解禁していけば序盤はどんどん楽になりますし、死んでもなくならない資源であるエーテルを集めて、いけそうなループで使用するために溜め込めたりと、何度もプレイすることで楽になる部分もたしかに存在します。

また、毎回変化するマップだけではなく、武器やアイテム、パラサイトなどのランダム性と、取捨選択の判断と試行錯誤はローグライクで味わえる中毒性のある楽しさそのもの。

なにより、PS5ならではの高品質のグラフィックとサウンド、コントローラーを活用した演出、そして何度もトライする以上必須だったロードの早さが、プレイを飽きさせないのもポイントでした。

総じて、TPSの難易度の高さとローグライクのリプレイ性、そしてPS5の性能が組み合わさることで、何度でも挑戦したいタイトルとなっています。

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序盤の関門。フリーキーは火力も高く相当厄介です

因みに、筆者の様なTPS下手勢にとっては最初の難関は、初めの大ボス「フリーキー」と、そこまでの道のりではないでしょうか。冒頭で書いた通り、筆者もここでつまった挙句、コントローラーを置いて一旦別のゲームをプレイ。その後気を取り直し、更に数日かけて撃破しました。

筆者が度重なるループの中で学んだのは、プレイの基本は射撃ではなく回避、中ボスには実は近接攻撃が役に立つこと、フリーキーは近接攻撃を意識して回避をすること……あたりが特に役に立つ知識だと思います。その後も難所が続きますがフリーキーを突破していれば次の大きな壁まではなんとかなるはずです。

と、こんな風に本作は死んだときの経験がどんどん活きていくタイトル。TPSのベテランプレーヤーなら勿論、そうでない人にも挑戦して欲しい内容となっています。

注意したいのが、中断セーブができず、休憩のためにはレストモードを使用する必要があること。プレイの途中でゲームを終了し、別のゲームをプレイすると死亡扱いになってしまいます。難易度を高く保つための処置なのでしょうが、筆者としてはセーブ機能が欲しいところです(筆者の考えですが、中断セーブが可能だと、セーブデータをバックアップ→ロードで難易度が一気に下がる可能性があるのではないでしょうか)。

ともあれ、本作は非常に魅力的なゲームなのは間違いありません。筆者は今後もプレイを続け、クリアを目指したいです(この記事が公開される頃にはクリアできているといいのですが……)。

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Returnal™ ©2021 Sony Interactive Entertainment Europe. Published by Sony Interactive Entertainment Europe Ltd. Developed by Housemarque Oy. “Returnal” is a trademark of Sony Interactive Entertainment Europe. All rights reserved.