Alessio Coser/Getty Images
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いまだ終息が見えない新型コロナウイルスのパンデミックも、ようやく各国でワクチン接種が行われるようになり、日本でも遅ればせながら医療関係者や高齢者への接種が各地で始まりつつあります。

そのワクチンに関して、欧州医薬品庁(EMA)は先週3月4日にロシア製ワクチン「スプートニクV」の逐次審査を開発し始めたことが報じられました。これによって承認が得られればEU域内でもスプートニクVの使用が認められることになります。

ところが、そのロシアの諜報機関や中国のスパイが昨年、EMAにサイバー攻撃を仕掛け、新型コロナウイルスワクチンとそれに関連する医薬品に関するデータを盗み出していたと、オランダ国内メディアとロイターが報じています。EMAにはまず中国が2020年の前半にドイツの大学のシステムに侵入し、EMAへのアクセスを得たとされます。またロシアは2020年後半にEMAの2段階認証ログインと他のタイプのサイバーセキュリティの欠陥を突いて侵入したとのこと。

特にロシアによるサイバー攻撃は1か月間続き、ファイザー製ワクチンの出荷先と出荷量について執拗に調べていた様子。これらのハッキングに関してEMAは12月に情報を開示し、当局は捜査を進行中だとしました。

ロシアおよび中国は当然ながらこれを認めていませんが、両国とも自前のワクチンを開発済み。特に西側諸国が開発したワクチンを購入できない、または割り当て量が足りない国へに対してワクチンを供給することで、経済的および政治的な影響力の増大を見込んでいるとも考えられます。EU圏内ではすでにハンガリーが1月にスプートニクVの緊急使用許可を出しており、スロバキアはすでに発注済みと伝えられています

需給バランスによっては、EU圏内でもロシアや中国製ワクチンを使用するケースも出てくるかもしれないものの、EMAは「接種を政治の世界にはめ込むべきではない」と、ワクチン供給を政治的影響力に変えることに関して釘を刺しています。

Source:Reuters

Coverage:Reuters