INFN
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イタリア国立核物理研究所(INFN)が、恒星内で水素がヘリウムに変換されるCNO(炭素-窒素-酸素)サイクルと呼ばれる核融合反応が太陽の中心でも起こっており、そこから放出されたとみられるニュートリノを検出したとの論文を科学誌Natureに発表しました。

この種の反応は1938年には予測され、1958年にニュートリノも観測されたものの、これまで検証されていませんでした。科学者たちは、CNOサイクル検出のため、ローマの北東約65マイル、アペニン山脈の麓にあるINFNグランサッソ素粒子物理学研究所のBorexino検出器を使用しました。この結果は、CNOサイクルで放出されるニュートリノを使用した太陽金属量の直接測定への道を開きます

ほとんどすべての恒星は、水素をヘリウムに変換することでて大量のエネルギーを放出します。しかし太陽サイズの恒星の場合、そのエネルギーの99%は陽子ー陽子(pp)連鎖反応で放出されており、ベリリウム、リチウム、ホウ素を経由してヘリウムを生産しています。今回の検出結果は、CNOサイクルに関する初めての直接的証拠であり、予測のとおり、CNOサイクルが太陽のエネルギー源の約1%に寄与していることを実証していると研究者らは述べています。

研究者らはCNO核融合によって生じるニュートリノの測定結果は、星における炭素、窒素、酸素の含有量の推定に使用できると考えています。一般に大きく大質量な恒星ほどその温度も高くなるとされ、巨大な星では炭素、窒素、酸素の間で原子核がループ状に反応し水素をヘリウムに融合させるCNOサイクルが主要なエネルギー源になっています。宇宙に見えるほとんどの星が太陽よりもはるかに大きい恒星だとすれば、CNOサイクルが宇宙全体の主要なエネルギー源になっているとも言えるでしょう。

そして、CNOサイクル由来のニュートリノの検出は、宇宙を満たすとされるダークマター(暗黒物質)の謎の解明にも役立つかもしれないとNBCは伝えています。今回の研究には関わっていないものの、原子核物理学者のGabriel Orebi Gann氏はBorexinoの共同研究チームの成果が、ニュートリノとそれに関連する反粒子との間の非対称性が宇宙空間で反物質がなかなか見つからない理由を説明するかもしれないとNBCにコメントしました。

source:Nature
via:NBC News