Shin Ultraman
Shin Ultraman

1月29日未明、映画『シン・ウルトラマン』初の特報映像が唐突に公開されました。

特報映像は40秒足らず。CGで描かれるウルトラマンと怪獣、本作メインキャストが所属する科特隊と思しき組織、警察や自衛隊の描写など、『シン・ウルトラマン』がどんな作品になるのか?がようやく映像として見られる内容です。

『シン・ウルトラマン』は企画・脚本が『シン・ゴジラ』『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明、監督は平成ガメラシリーズや『シン・ゴジラ』の樋口真嗣。

先に公開されていたシン・ウルトラマンのビジュアルは、初代ウルトラマンのスーツを成田亨の原画に近づけたような、人型の生々しさを持ちながら人ではない存在、超然とした宇宙人の異質さや神々しさを感じさせるものでした。

庵野秀明といえば、いまさら言うまでもない桁違いの特撮愛好家であり、なかでもウルトラマンは学生時代の自主制作で繰り返し演じたほど (顔出しそのままにジャージの「変身したてい」で)。

自分にとって聖典ともいえる作品の映画化にあたっては、ウルトラマンのデザインについて「成田亨氏の描いた『真実と正義と美の化身』を観た瞬間に感じた「この美しさを何とか映像に出来ないか」という想い」を述べ、初代ウルトラマンスーツの制約をCGによって廃しオリジナルに近づけるコンセプトを語っていました。(成田亨氏が望んでいなかったことで有名なカラータイマーの排除、のぞき穴やファスナーのための盛り上がりの排除など)。

Shin Ultraman
Shin Ultraman

ついに初公開された特報映像では、警察や自衛隊、防災組織のなかで科特隊と思しき組織が描かれ、ウルトラマンについても「巨大人型生物 ウルトラマン(仮称)調査報告書」なる文書が映るなど、『シン・ゴジラ』的な「現代の日本にウルトラマンや怪獣が現れたら?」のリアリティを基本とすることが分かります。

初めて公開された『シン・ウルトラマン』の怪獣は、初代ウルトラマンのネロンガとガボラを元にしたと思われる二体。オリジナルの二体はどちらもウルトラマンと同じ成田亨デザインです。

(ついでにいえば、どちらも同じきぐるみを改造した使い回しのためシルエットが似ており、後年の設定では近い種族と解釈するものもあります)

ネロンガは「透明怪獣」ですが、初代ウルトラマンでは電気を食べ、発電所を次々と襲う怪獣です。もう一体のガボラはウランを食べ、放射能光線を吐く怪獣。

怪獣といえば、初代のゴジラが日本人にとっての災厄である原爆や、当時まだ生々しく記憶に残っていた戦争の惨禍を映していたのに対して、庵野秀明の『シン・ゴジラ』には東日本大震災や福島第一原子力発電所事故が投影されていることは広く指摘されるところです。

「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」

一方オリジナルのウルトラマンは、異星人が事故で地球人の命を奪ってしまい、罪滅ぼしの延命策としてひとつの命を共有して生き続けることを選択した存在でした。

初公開ビジュアルにあるドッグタグからは、今作でもオリジナルを踏襲してウルトラマンと斎藤工演じる主人公が一体であることを想像させます。(人間の人格が残って同居しているのか、ウルトラマンが地球人のふりを頑張っているのか、二人が対話するのかはまだ分かりませんが)。

タグラインの「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」は、初代ウルトラマンの最終回『さらばウルトラマン』で、ウルトラマンと対話するゾフィーの台詞を思い出させます。

最終回さらばウルトラマンでは、これまで地球人を守ってきたウルトラマンがゼットンに破れ、ゼットンを科特隊が倒したのち、ウルトラマンを故郷M78星雲に連れ戻すべく同じ宇宙人のゾフィーが現れます。

「そんなに地球人が好きになったのか」は、ゾフィーがウルトラマンに対して、地球の平和は人間がみずから守ることに価値があると帰還を促した際、それでは命を共有するハヤタ隊員が死んでしまう、彼を犠牲にはできないと、ウルトラマンが自分の命を捨てても地球人を生かすと告げたことへゾフィーが驚く台詞でした。

『シン・ゴジラ』では厄介者の集まりである巨災対や官僚組織と政治家、名もない現場のフロントラインワーカーが集団で災厄に立ち向かいましたが、オリジナルのウルトラマンでは異星人でありながら怪獣と戦い献身するウルトラマンと、結局はウルトラマンが倒して問題を解決することに対してみずからの存在意義を問う科特隊の関係も描かれています。

現代の『シン・ウルトラマン』で災厄たる怪獣がどのように描かれるのか、立ち向かい犠牲になるのは誰なのか、ますます本編が気になる特報映像です。

映画『シン・ウルトラマン』は2021年初夏 公開予定。