アップルとEpic Gamesはフォートナイトがガイドライン違反のアプリ内購入を実装したアップデートを行ったとしてApp Storeから削除されたことをきっかけに、法廷での争いを繰り広げています。
Epicによる主張の1つが、App Store以外のアプリストアを立ち上げる許可を得ることでした。そうしたサイドロード(正規ストア以外でのアプリのインストール)について、ティム・クックCEOがiPhoneの「プライバシーとセキュリティ」のモデルを壊すと述べたことが報じられています。
クック氏は上記の争いについて、Epicは長年にわたりApp Storeのルールに従ってきたが、他の全ての開発者が守っているガイドラインにはもう従わないことに決めたのだとコメント。そしてEpicが「審査プロセスをなんとか通過させ、その後にサーバー側で(App Storeの支払いシステムを迂回するオプションを実装するよう)変更しました。騙し討ちのようなものですね」と憤りを露わにしています。さらに法廷ではストアのプライバシーとセキュリティについて説明するつもりだとして、Epicとの裁判には「自信がある」とのことです。
Epicが求めているiPhone向けサードパーティ製アプリの設立は、多くの人々が求めている「ユーザーがApp Store以外の場所からアプリをダウンロードする」自由にも繋がります。が、クックCEOはそうしたアプリのサイドロードが、App Storeにより実現している「プライバシーとセキュリティ」を破壊するとみなしているわけです。
先日もアップルはApp Storeが独占ではないと言い、その理由が開発者にはWebなど「複数」のアプリ配布方法が他にあるからと主張していました。
つまり、それらWebアプリやGoogle Playストアなど他社プラットフォームと競争する上で、App Storeにとって「プライバシーとセキュリティ」が不可欠な強みになると考えているとも推測されます。だとすれば、アップルが承認した詐欺アプリが被害を出した事態などが再発しないよう、審査の厳重化が求められそうです。
またクック氏は同じ取材(New York Timesのカラ・スウィッシャー記者による)のなかで、10年後に自分がアップルのCEOであることは「おそらくない」だろうと述べています。クック氏がアップルCEOに就任してから今年で10年目、現在は60歳であるため意外ではありませんが、そろそろ後継者選びに注目が集まるのかもしれません。。
Source:The New York Times
via:MacRumors