宇宙のごみをレーザーで除去。スカパーJSATや理研などが新型衛星を開発

サービスの提供開始時期は2026年頃を予定

金子 麟太郎(Rintaro Kaneko)
金子 麟太郎(Rintaro Kaneko)
2020年06月11日, 午後 04:30 in Technology
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SKY Perfect JSAT Laser Hygiene

スカパーJSATは、国立研究開発法人理化学研究所、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下名古屋大学)、国立大学法人九州大学(以下九州大学)と連携し、レーザーを使って不用衛星等の宇宙ごみを除去する衛星の設計・開発に着手すると発表しました。2026年のサービス提供を目指します。

スカパーJSATによると、宇宙空間には「宇宙デブリ」(※)が浮遊しており、秒速約7.5kmという超高速で飛び交っています。そうした浮遊物が人工衛星に衝突することで、衛星に関わるさまざまなサービスが機能しなくなったり、宇宙利用や開発に支障をきたす可能能があると指摘します。

※宇宙デブリとは、役目を終えた人工衛星やロケットの残骸、更にこれらが衝突、爆発して生じた破片などのこと。

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▲年々増え続ける宇宙デブリの数

1mm以上の宇宙デブリは1億個以上、10cm以上は約3万4千個以上と推測され、その数は年々増え続けているといいます。

宇宙デブリが増えた要因として、スカパーJSATは中国の衛星破壊実験(2007年)や、ロシアの運用終了した衛星とイリジウム社の運用中の衛星の衝突事故(2009年)を例に挙げ、衝突リスクの懸念を払拭する必要があることを強調しました。

今回、スカパーJSATや理化学研究所などが設計・開発する衛星は、宇宙デブリにレーザーを照射することで、軌道を変更。浮遊物の回転を止める力がはたらき、衛星を安全に運ぶことができます。

宇宙デブリの除去については、川崎重工業が2020年度に自社開発の実証衛星を打ち上げ、その衛星に備え付けた画像センサーで対象を捉えて、対象の向きや回転速度を計算し、約2mの距離から金属製のアームを伸ばして捉える技術を2019年10月に発表済みです。

また、川崎重工業のほかにもさまざまな企業や団体が宇宙デブリの問題について取り組んでいます。

そうした中、通常の衛星にはないレーザー除去技術を取り入れた理由について、JAXAチーフエンジニア室の岩田隆敬氏は『レーザーであれば安全な距離を保ったまま、接触せずに除去できるので安全性が高い』と語っています。

スカパーJSATデブリ除去プロジェクトリーダーの福島忠徳氏も『スペースデブリ自身が燃料となり、移動させる燃料が不要なため経済性が高い』と付け加え、レーザー除去技術の優位性についてアピールしました。

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▲レーザーの基礎開発に実績のある理化学研究所とレーザーアブレーションによる推力発生実験を行ない、技術の実現性を確認

なお、新型衛星の開発にあたり、2020年4月に理化学研究所内に融合的連携研究制度チームとして、正式に「衛星姿勢軌道制御用レーザー開発研究チーム」を設置。名古屋大学や九州大学と連携し、レーザー搭載衛星の設計開発(検討を含む)を進めます。

衛星と地上システムについては、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の枠組みを通じた検討を共同で実施していくとしています。

source:スカパーJSAT

(訂正:2020/6/11 20:45)記事掲載後、見出しと本文訂正依頼がありましたので表記を訂正しました。

 

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