Sleevenote
Sleevenote

ゲーム『Grand Theft Auto IV』や『Forza Horizon』のサウンドトラックに楽曲を提供したこともある宅録アーティストTom Vekが、アルバムジャケットの魅力を再認識できるハイレゾプレーヤー「Sleevenote」を考案、クラウドファンディングサービスIndiegogoで出資募集キャンペーンを開始しました。

Sleevenoteは、一辺が約19cmの正方形タッチディスプレイを備えるハイレゾミュージックプレーヤー。プレーヤー部分にはWolfsonのClass Wヘッドホンアンプ、DACにはCirrus HQを備え、256GBの内蔵ストレージに音楽データを蓄えられます。

さらに、ローカルに保存した音楽ファイルだけでなく、Apple Music、Spotify、(将来的に)Bandcampへの接続、再生が可能。再生時にはかつてのシングルレコード盤ぐらいの大きさのディスプレイ(CDジャケットよりも一回り大きい)に作品のジャケット画像を表示してて(ハイレゾなら)高品位な音楽を楽しむことができます。

Vek氏は、2011年の作品『Leisure Seizure』でアートワーク(いわゆるジャケ写、写真とは限りませが)も自前でデザインしたものの「デジタル配信や音楽ストリーミングユーザー全員が、必ずしもアートワークを見るとは限らないことに気づいた」と述べ、(当時の)iPodのようにアートワーク表示機能がない携帯型音楽プレーヤーを憎々しく思ったとのこと。

音楽作品のなかにはただ耳で聞いて終わるのではなく、アルバムアートワークや詞の世界観までに気を配って制作されているものが数多くありますが、それらの魅力や価値を伝えるにあたり、当時の携帯音楽プレーヤーはアナログ盤やCDというマテリアルの代替として不完全でした。

ただ、Vek氏は当時は自身でプレーヤーを製作販売することは難しかったため、まずできることとしてiPhoneやiPadでアートワークを表示するSleevenoteアプリを制作、リリースしています。

しかしいまやRaspberry Piのようなワンボードマイコンといくらかの電子工作スキルがあればハイレゾプレーヤーを自作することも可能な時代。一念発起、Vek氏は自らSleevenoteのハードウェアバージョンを製作することにしました。

ただ、音楽を聴く人はたくさんいても、決して音楽プレーヤーが売れるとは限りません。ほとんどの人は流行の曲をさらりと聞き流せれば満足であり、その詞世界を吟味したりアートワークから音楽のイメージを膨らませたりと言った楽しみ方をする音楽ファンのような欲求があるわけではないため、スマートフォンひとつあれば需要は満たせてしまいます。

Vek氏もそこは理解しており、Sleevenoteのハードウェア製作にあたっては、少なくとも1台533ポンド(約7万4000円)の価値をそのプレーヤーに見いだし、出資してくれる人が少なくとも1000人は必要で、特に高級オーディオを好む(お金を払っても良いと思う)人が、Sleebenoteを気に入ってくれることを望んでいます。

Sleevenote
Sleevenote

なお、Sleebenoteは「iFixtが怒るぐらい」分解修理が簡単になるよう、接着や固定部分を少なく、隙間を多くとって設計されており、もしプレーヤーが壊れても直して使い続けられるようにしているとのこと。

もし、十分な数の出資者が集まり、クラウドファンディングの目標額をクリアすることができれば、2021年10月には出資者のもとへ返礼品としてSleevenoteプレーヤーが発送される計画になっています。ただ、ロック界の重鎮ニール・ヤングが「アーティストの意図した音」を伝えたい一心で製作したPonoの例もあるように、そこにミュージシャンが思うほどの需要があるのかはまだわかりません。Vek氏はまずはその市場があるかを確認することを重視しています。願わくば、音楽アルバムの芸術性を楽しむファンが多く出資して、製品化に成功してほしいものです。

source:Sleevenote, Indiegogo