クアルコムは、スマートフォン向けの次期ハイエンドSoC(CPUやGPUなどを1チップ化したもの)「Snapdragon 888」の詳細を明らかにしました。

「Snadpragon 888」は、既報の通り、現行のハイエンド「Snapdragon 865」の後継となるSoCです。従来の命名規則に従えば875となるはずですが、東アジア圏では末広がりで縁起がいいとされる888という名称になっています。

今回発表された詳細仕様によると、「Snadpragon 888」は、アップルのA14・M1プロセッサと同様に、最先端の5nmプロセスで製造されています。

パフォーマンス面では、搭載するKryo 680 CPUは最大2.84GHzで動作し、前世代と比較してCPU性能が25%向上しています。また、Arm Cortex-X1に基づく初の商用CPUサブシステムでもあります。Adreno 660 GPUは前世代と比較してグラフィックスレンダリング性能が最大35%向上しています。

Snapdragon 888は競合他社のSoCに比べて安定的に高い性能を維持

ゲーミング性能も強化しています。前世代の「Snadpragon 865」でも更新可能なGPUドライバなどを提供し『デスクトップレベルのゲーム体験』をうたっていました。その後継となる「Snapdragon 888」では、第3世代のElite Gamingプラットフォームを搭載し、モバイルデバイス初のVariable Rate Shading (VRS)に対応。これは、描画する領域に応じて、1ピクセルではなく複数ピクセル単位でピクセルシェーダーを呼び出すことで、効率的なレンダリングを可能とする技術です。これにより、前世代と比較してゲームレンダリング性能が最大30%向上したといいます。

また、操作時のレスポンスを最大20%向上させる「Qualcomm Quick Touch」により、マルチプレイヤーゲームでアドバンテージを得られるとアピールします。

AI性能も向上しています。新しいHexagon 780プロセッサを含め、設計を見直した第6世代のAIエンジンは、処理性能がモバイルSoCとしては最速をうたう26TOPS(1秒間に26兆回の処理を実行可能)を実現。先代の「Snapdragon 865」の15TOPSに比べて大幅に性能が向上しています。これは、前世代と比較して1Wの消費電力あたりの性能が3倍に向上したことも寄与しています。

加えて、専用の低消費電力AIプロセッサーを統合した2世代目のSensing Hubも搭載。外界を常時センシングするといった用途も可能です。

カメラ画質に寄与する画像処理性能も向上しています。Spectra 580は、Snapdragonシリーズで初めてISP(画像処理プロセッサ)を3つ搭載。これにより、これにより、1秒あたり2.7ギガピクセルの画像情報を処理可能で、ユーザーは1200万画素の写真を毎秒120枚撮影撮影できるほか、3つの4K HDR動画を同時に撮影することもできます。

前述のAI性能を活かした「コンピュテーショナル・フォトグラフィー」も強化しています。前述のAI性能を活かし、オートフォーカスやホワイトバランス調整を強化。さらに、画像も鮮明に自動でレタッチできるほか、被写体の動きにあわせてズームが自動で追従する機能などもサポートします。

ネットワーク面では、最上位SoCのSnapdragon 8シリーズで初めて、SoC内にモデムを統合。統合したX60モデムは受信最大7.5Gbps、送信最大3Gbpsの5Gに対応するほか、FDD / TDDの5Gキャリアアグリゲーションにも対応します。このほか、モバイルWi-Fi最速の最大3.6Gbps Wi-Fi 6、6GHz帯のWi-Fi 6E、Bluetooth 5.2をサポートしています。

セキュリティ面では「Hypervisor」を搭載します。これは、単一デバイス上で、アプリとOS間のデータを安全に保護し隔離する仮想化技術です。具体的には、1つのデバイス上で仕事用のプロファイルと個人用のプロファイルを共存させ、それぞれのデータやアプリを完全に独立させることができます。

また、デバイス上のユーザーデータのプライバシーを保護するQualcomm Secure Processing UnitやQualcomm Trusted Execution Environmentを搭載。デバイスや無線通信のセキュリティをリアルタイムで測定するクラウドサービスQualcomm Wireless Edge Servicesもサポートします。

「Snapdragon 888」は、2021年Q1以降に発売されるハイエンドのAndroidスマートフォンに搭載される予定。シャオミの次期フラグシップ「Mi 11」や、OPPOの次期フラグシップへの搭載も発表されています。