PATRICK T. FALLON/AFP via Getty Images
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米国の医療従事者向けSNS「Doximity 」では、日々新型コロナウイルスやワクチンに関連する投稿に数百ものコメントが寄せられていますが、医療資格を持つ人々だけのコミュニティであるにもかかわらず陰謀論や事実に反する主張が数多く含まれていると報告されています。

CNBCによると、Doximityの利用者は米国の医療従事者に限られており、参加前には本人確認もあるため、匿名で投稿されることはほとんどありません。また一般のSNSのような、ユーザーが自信の日常やストーリーを投稿するのではなく、医療/科学に関連するソースへのリンクなどを紹介できるようになっています。また各ユーザーのTLにはそれぞれがの興味傾向に応じたコンテンツが表示されます。

ただ、今回伝えられた問題はそうした投稿へのコメント欄にあり、そこから事実でない情報や陰謀論じみた発言が拡散しているとのことです。たとえばワクチン接種に反対する医師が、子供にマスクを着用させることに関する記事へのコメントとして「児童虐待だ」だの「馬鹿げている」とコメントを付けているのが見受けられたとCNBCは伝えています。

われわれ日本人なら、マスクを着用することで、もし着用者が感染していたときに知らずに周囲に感染を拡散させてしまうのを防止できることは常識。数々の統計的な証拠もあり、多くの公衆衛生に関する団体などからも推奨されています。また12歳未満の子どもたちにはまだ新型コロナワクチンの接種が認められていない状況で、そういった無責任なコメントをする医師がいるというのは意外というほかありません。

リタイアした医師で現在はカリフォルニア州でワクチン接種を手伝っているというポール・マラリク氏は、Doximityで「mRNAワクチンは中にマイクロチップが入っている」とまでは行かずとも、それに近いレベルの誤情報を頻繁に目にすると述べています。そして、誤報を含むコメント傾向はどちらかといえば政治的な対立から生まれているとマラリク氏は感じており「誰もがコメントで殴り合いをしやすい記事に飛びついている」と述べています。

Doximityのコミュニティガイドラインでは「虚偽の情報や誤解を招くような情報を広める」コンテンツは削除対象となることが記されています。さらにDoximity社はメールで発表した声明で、ユーザー間の「新しい科学や最新の医療ニュースについて」の意見交換をサポートする一方、医療の誤報を書き込むことは明確に禁止していると述べています。しかし、その数の多さに有効な対策が打てているわけではなさそうです。

先週、全米の医療委員会を代表する非営利団体Federation of State Medical Boards(FSMB)は声明を発表し、医療に関する誤報を拡散するような行為を医師が行うと、その免許を失ったり州の医療委員会から懲戒処分を受ける可能性があると伝えました。ただ、FMSBもソーシャルメディアなどで医師が虚偽の情報を発信することが「劇的に増加」していることに対応しているとはいううものの、医師や患者、一般市民からの情報提供や苦情がなければ、積極的に対象者を処分するといったことはしていません。

ソーシャルメディアにおいて、健全な議論と有害な誤情報拡散行為の境界線をどこに引くかは、長年にわたり運営社を悩ませてきた問題です。特に生死に関わる問題では重要です。

Doximity社は6月にIPOを行い、その企業価値は現在100億ドル以上との評価を受けています。

Source:CNBC

coverage:The Verge