ウワサのソニーαシリーズ新モデルは、「One」の名を冠する新たな最上位モデル『α1』でした。35mmフルサイズイメージセンサーを搭載するレンズ交換式一眼(Eマウント対応)機で、モデル名もズバリ『ILCE-1』となります。

発売予定は3月19日(金)。予約受付は2月2日(火)10時に開始します。店頭予想価格はボディのみで税込90万円前後。

α1の位置づけをおおまかに表現するながら、「α9シリーズ譲りの高速撮影性能とα7Rシリーズ譲りの高解像度を併せ持ち、さらにα7Sシリーズの広いダイナミックレンジと動画撮影性能までも兼ね備える『全部入り』モデル」といったところ。

ソニーとしては(実は)公称で初となる、Eマウント機での「フラッグシップ」とアピールします。

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▲公式直販のジャンルにおいては、α9シリーズと並ぶ「プロフェッショナルモデル」扱いです

目立つ仕様だけでも、「5000万画素の解像度で30コマ/秒の連写が可能」「電子ビューファインダーのリフレッシュレートは240fps」「AF/AE演算回数は秒間120回」「公称ダイナミックレンジは15stop」「動画撮影は8K/30p、4K/120pなどに対応」「ボディ内手ブレ補正は約5.5段分」といったように、まさに従来のαシリーズの良いところ取りとなっています。


▲イメージセンサーと画像処理エンジンは当然ながらソニー最速、最上位の構成。BIONZ XRは2個のチップで表現されますが、これはα7S IIIも同じです

イメージセンサーは、ソニーのお家芸であるメモリー内蔵・積層型CMOS『Exmor RS』を採用。有効画素数は約5010万画素。『α7R IV』の約6100万画素と比べてこそ少なくなりますが、上述のようにこの画素数での撮影でさえ、最高約30コマ/秒(電子シャッター使用時)の高速連射を可能とします。

もちろん、α9譲りのブラックアウトフリー(ファインダーがオフになる瞬間がない)仕様です。対して現行モデルでは、α7R IVは約10コマ/秒。高速性に優れるα9シリーズであっても約20コマ/秒でした。

ペアとなる画像処理エンジンは、動画撮影性能と高感度に優れる『α7S III』で採用された『BIONZ XR』。先代のBIONZ Xに比べて8倍の処理性能を備え、高精度な演算をサポートします。

この高速連写を支えるのが、毎秒120回の速度で演算されるAFとAEです。α9シリーズの毎秒60回に対しても2倍となるため、被写体の高速移動や突然の光量、色変化などに対しての耐性を強化。AF/AEの追随精度は、現行で最高のα9 II比でも30%向上とアピールします。

さらに、AFエリアは位相差759点・コントラスト425点を確保。現行最多のα7S IIIと並ぶ細かさで、画面内の92%をカバーします。

こうした演算速度向上により、ソニー自慢の「リアルタイム瞳AF」も強化されています。

新機能として、これまで難しかった鳥の瞳の自動検出・追尾に対応(!!)。さらに動物に対しては、横顔や上下が逆さまといった、寝ているときなどに発生するシチュエーションなどでも追随を可能としています。

また演算速度の高速化により、高速連射に必要な電子シャッターで問題だった、被写体の移動による歪みに対してもより強く。ソニー側は、α9 II比で約1.5倍動体歪みを抑えられるとアピールしています。

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さらに世界初となる、電子シャッターでのフリッカーレス撮影も可能に。蛍光灯などのフリッカー(チラツキ)が発生する光源下でも、チラツキの影響を排した無音撮影を可能としたことで、スポーツ撮影などでの利便性を広げています。

加えてシャッター速度も、最高32000分の1秒と高速に。NDフィルターなしでも非常に明るい箇所での撮影が可能になります。

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昨今では画素数と並んで重要な感度に関しては、α7R IVと同じく、常用設定でISO100から32000、拡張設定ではISO50から102400をサポート。ダイナミックレンジは15ストップと広く、暗所と明所が混在する環境でも白とびや黒つぶれを防ぎます。

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もちろん、暗所撮影時に重要なボディ内手ブレ補正も、5軸対応で搭載。補正効果は5.5段分をサポートします。


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こうした高速撮影性能を支えるのが、電子ビューファインダーです。最高リフレッシュレートは、冒頭で紹介したように240fpsとゲーム向けディスプレイ並み。滑らかな動きにより、被写体の一瞬の変化などに追随します。ソニー側によれば、このリフレッシュレートは「フルサイズミラーレスカメラでは世界初」とのこと。

さらに解像度も、α7S IIIと同じ2048×1536(カメラ業界の表現では約944万ドット)と非常に高精細。パネルには約0.64インチの有機ELを採用します。

背面の液晶モニターは、3インチで解像度800×600(約144万ドット)のチルト仕様。上向き約107度、下向き約41度の角度が付けられます。


そしてもう一つの目玉が、動画撮影仕様です。最大の特徴は、αシリーズで初対応となった8K/30pモードでの記録。フレームレートは抑えられるものの、8K動画の素材収録にも対応できるという時点で、本機がターゲットとする層ではメリットを受けるユーザーも少なくないはず。

4K解像度の場合は、α7S IIIと同じく120p(120コマ/秒、プログレッシブ)での撮影をサポートします。

こうした動画撮影で問題となる、イメージセンサーや画像処理エンジンの温度上昇に対しては、レイアウト上での工夫や熱拡散部品などで対策。公称では、8K30pでも約30分間の連続記録を可能としています。

さらに色表現においては、新カラーモード『S-Cinetone』を搭載。これは人肌の中間色の表現力を高めたモードで、色あいはよりソフトに、ハイライトの描写は被写体を美しく際立たせる自然なトーンで撮影できるとします。

さらに10ビットのS-Log3/S-Gamut3にも対応するため、業務用カメラと混在した素材の環境での編集などでも、色補正の手間を少なくできます。


記録メディアはデュアルスロットタイプで、両方がCFexpress Type AカードとSDXC/SDHCカードの双方に対応します。

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隠れた特徴は、撮影データを送信するための通信機能が大きく強化されている点。有線LAN(1000BASE-T)対応はもとより、無線LANも802.11ac(Wi-Fi 5)に対応。さらにカメラながら2×2 MIMOに対応したことで、データ通信速度はα9 II比で最高2倍とアピールします。

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さらに、同時発表された5G対応Androidスマートフォン『Xperia Pro』との連携にも配慮。同機とのコンビにより、5G通信でのデータ転送にも対応します。

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プロ向けクラスだけあり、堅牢性にも配慮。トップやフロント、リアカバー部や主要フレームにはマグネシウム合金を使用し、α9シリーズと同じく「防塵防滴に配慮した設計」となっています。

バッテリーはいわゆる“Zバッテリー”タイプを採用し、従来モデルとの互換性に配慮。さらに詳細は不明ながら「USB Power Delivery対応による給電および高速充電が可能」とも謳います。公称での撮影可能枚数はファインダー時で約430枚、液晶モニター時で約530枚。

本体サイズは約128.9×96.9×80.8mm(幅×高さ×奥行き)mm、重量は約737g(バッテリー+記録メディア込み)、本体のみでは約652gです。

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このようにα1は、主要な点を見るだけでもα7/9シリーズの特徴をほぼ網羅し、一部劣るところはあってもトータルバランスで上回るほどの仕様を備えた“全部入り度の非常に高い”モデル。加えて8K動画など、従来機では不可能だった撮影も可能としているのは本当に驚くところ。

当然ながら価格はそれなり以上なのですが、そもそも本体のコンパクトさを大きく変えずにこれだけの機能を凝縮するのは、決して「コストを掛ければ実現できる」点だけではなかったはず。

そうした意味で、古くからのソニーファンにとってはおなじみの『小型化=高性能化』というフレーズを思い起こさせるだけの製品と呼べそうです。

また業界的な視点では、結果的にではありますが、「無音撮影環境がα9系よりさらに強化されたモデルが、東京オリンピックに間にあうタイミングで発売される」という点もポイントでしょう。数年スパンで見たときではありますが、報道機関向け市場における主要カメラメーカーのシェア争いにも影響しそうな1台です。

Source:α1 製品ページニュースリリース