買って満足 Xperia 1 II、だがソニーのスマホ事業を救うのは10 IIだ(石川温)

「Xperia 1 II」で数は狙えない

石川温
石川温
2020年07月8日, 午後 04:19 in review
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Xperia 1 II

1か月半ほど前にソニー「Xperia 1 II」を購入。結構、満足して使っている。auで購入したために5月22日の発売日に入手できたのだが、なぜかXperia 1 II目玉機能であるはずの「Photography Pro」が使えずじまい。本体アップデートがかかれば使えるということであったが、結局、NTTドコモが発売した6月18日になって、ようやく使えるようになったのであった。せっかく、NTTドコモ版の発売を待っている人に自慢しようと思っていたのに残念でならない。

昨年、Xperia 1を購入し、今年もXperia 1 IIを買ってしまったのには理由がある。Xperia 1に比べて完成度が高く、なんせ5Gにも対応。カメラもソニーのデジカメ「αシリーズ」のエッセンスが生かされているとあって、物欲を刺激されてしまったのだ。実際、カメラの画質は変にAIがビビッドに仕上げることもなく、実に自然な発色の写真が撮れる。確かにカメラ好きに好まれる画作りになっているのではないか。

高い完成度を誇るXperia 1 II、きっと売れるんじゃないかなぁ、と思う。いや、ソニーとしては売れてもらわないと本当に困るはずだ。

ミドルクラスが台頭する国内市場をどう攻める

ここ数年、ソニーの携帯電話事業は目を覆いたくなるほどの数字が並んでいる。

2017年度は年間1350万台の販売台数であったが、2018年は650万台、さらに昨年、2019年度は320万台となっている。つまり、1年ごとに販売台数が半減してきているのだ。ちなみに、2015年度は年間2490万台であった。この5年での落ち込みは相当なものだ。

ちなみに、調査会社であるIDCの「2019年通年 スマートフォン市場実績値」という調査データで、ソニーの出荷台数をチェックしてみると、日本国内で232万台、出荷していることになっていた。

出荷と販売では台数に違いが出るようで、同じ時期で比較しても必ずしも、ソニー決算の数字とIDCが一緒になっているというわけではない。しかし、この2つのデータを見ると、Xperiaの販売の3分の2は日本国内に頼っているという現状が見て取れる。

その国内市場において顕著なのが「ミドルクラスの台頭」と「ガラケーからの乗り換え需要」だ。

IDCの調査では、1位アップル、2位シャープ、3位富士通、4位サムスン電子ときて、5位にソニーとある。

iPhone人気のアップルは別として、シャープが2位にきているのはミドルクラスの「AQUOS Senseシリーズ」が売れているからだ。同様に4位サムスン電子もGalaxyのAシリーズが好調だ。3位の富士通に関しては「らくらくスマートフォン」が牽引している。つまり、Androidスマホにおいては、いずれも「コストパフォーマンスのいいモデル」もしくは「スマホ初心者が飛びつきやすいブランド」が日本では求められているというわけだ。

その点、Xperia 1 IIは、カメラや映像、音楽などソニーファンが満足できる仕上がりになっているものの、日本市場のトレンドであるコストパフォーマンスやガラケーからの乗り換え需要には応えられていない。本体価格も10万円を超えるため、購入できるユーザーを選んでしまう。

Xperia 10 IIがソニーの救世主になる?

そんな中、ソニーの救世主として期待したいのが、Xperia 10 IIだ。

こちらも21:9という画面比率の有機ELディスプレイを採用。3つのレンズを採用するなどスペック的にも申し分ない。

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Xperia 10 II

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低価格だがトリプルカメラ搭載

価格はNTTドコモが4万1976円、auが4万9990円、ワイモバイルが4万1760円といった具合だ。他メーカーが販売するコストパフォーマンスのいいモデルに比べると若干、高いが、Xperiaの最新モデルがこの値段で買えるとなれば、かなり魅力的といえるだろう。

ここ数年のソニーは「プレミアム路線」を突き進んだことで、テレビやデジカメ、音響製品の収益構造が大幅に改善した。スマホ市場も、かつては各メーカーがフラグシップモデルで機能を競い合っていた。

しかし、総務省による端末販売時の割引にメスが入り、10万円を超えるハイエンドモデルが買いにくくなった。また、格安スマホがブームとなり、コストパフォーマンスのいいスマホがよく売れるようになった。

ソニーはテレビやデジカメ、音響機器であればプレミアム路線の商品だけで勝負しても十分に勝ち目がある。

しかし、今のスマホ市場はプレミアム路線だけでは戦えず、いかにコストパフォーマンスのいい製品を出すかが重要となる。シャープがAQUOS Senseシリーズで、国内のAndroidメーカーのトップに立ったのは、まさにコストパフォーマンスがユーザーから重視されている現れでもある。

今スマホ市場で売れているゾーンは、ソニーが不得意とする商品セグメントでもあるのだ。

Xperia 1 IIとの二本立てで勝負

Xperia 1からのソニーは「販売台数は追わず、尖った製品で生き残りをかける」という考え方にシフトしている。その点、Xperia 1 IIは実に尖ったスマホに仕上がっている。

あとは、Xperia 1 IIでXperiaの個性、ブランドを世間に知らしめる一方で、「Xperia 1 IIは手が届かないから、Xperia 10 IIを買おう」というユーザーをいかに増やすかが重要だ。

Xperia 10 IIは今のところ、なぜかNTTドコモ、au、ワイモバイルしか販路が限られているのがもったいない。MVNOやSIMフリー市場でも販売すれば、多くのユーザーの目に留まるのではないか。

4万円台で買えるXperia 10 IIの売れ行きが、これからのソニーのスマホ事業を左右することになりそうだ。

 

 
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