筆者が完全ワイヤレスイヤホンに求めるのは、着け心地と携帯性。もちろん音はいいにこしたことはないですが、たとえノイズキャンセリング機能搭載イヤホンであっても完全に外音を遮断できるわけではありません。お外用のイヤホン、ヘッドホンにあまり音についてとやかく言っても仕方がないと思っています。音はそこそこでいいのです。
今回レビューする「SOUNDSOUL E1」は、着け心地と携帯性を重視した完全ワイヤレスイヤホン。価格は比較的安く、記事執筆時点のAmazon価格は6490円でした。
片耳3.9gと軽量、ケースもパンツの前ポケットに入る小型サイズ
本製品は中国・深センに拠点を置くイヤホンブランド「SOUNDPEATS」と、日本のオーディオブランド「M-SOUND」のコラボレーションブランド「SOUNDSOUL」の第1弾製品。日本市場のニーズに合わせて、深センの技術力で作られた製品というわけです。
SOUNDSOUL E1最大の特徴は軽さによって実現した装着感。アップル「AirPods」の4.0gよりも軽い片耳3.9gという軽量ボディを実現しています。もちろん装着感は軽さだけで決まるわけではないですが、自分に合ったイヤピースを付属の3種類から適切に選択すれば、完全ワイヤレスイヤホンとしては高いレベルの装着感を得られます。
個人的にポイントが高かったのは充電ケースがコンパクトなこと。サイズは32x28.8x66mm、重量は約26.3gで、ジーンズの前ポケットにもコンパクトに収まります。そしてポケットに入れたまま座っても気になりません。
筆者はひんぱんにイヤホンを出し入れするので、バッグではなくジーンズの前ポケットが充電ケースの定位置。イヤホンだけが軽量・コンパクトなのではなく、充電ケースの携帯性が高いことも大きなアドバンテージです。
連続再生時間はイヤホン単体で約7時間、充電ケース使用時で約24.5時間(イヤホンを約2.5時間充電可能)。コーデックにaptXを使用した際には連続再生時間が2~3割程度短くなるとのことですが、往復約3時間の通勤・通学用と仮定しても、約5日はケースを充電せずに利用できることになります。
最上ではないけれど、十分音楽に浸れる音質を実現
本製品はSoCにクアルコム製「QCC3020」を採用。通信方式はBluetooth Ver.5.0 Class2で、コーデックはSBCとaptXに対応しています。
肝心の音質については、決して「最上」ではないですが、十分音楽に浸れる音質です。高・中・低域の音がバランスよく出ていて、広がりも感じられます。静かな環境で耳を澄まして聴くと、やや音が丸みを帯びていて、解像感に少し物足りなさを感じますが、前述のとおり電車内や街の雑踏では気にならないレベルだと思います。
タッチ操作の割り当てがちょっと特殊です
操作は側面のタッチパネルで行ないますが、割り当てがちょっと特殊です。音量アップは右側タップ、音量ダウンは左側タップで、再生/一時停止、電話を受ける/切るはどちらかを2回タップ、音声アシスタント起動はどちらかを3回タップ、曲送りは右側を1.5秒長押し、曲戻しは左側を1.5秒長押し、着信拒否はどちらかを1.5秒長押しとなっており、この割り当ては変更できません。
左右ワンタップという、もっとも簡単な操作をボリューム調整に使ってしまうのは、ちょっともったいないですね。ほかのイヤホンと使い分けする方は、慣れるのに時間がかかるかもしれません。
携帯性や装着感を重視する方にピッタリな高コスパモデル
SOUNDSOUL E1には、ノイズキャンセリング機能などは搭載されていませんが、そのぶん実売6500円以下と安価で、充電ケースが小さく、イヤホン本体がAirPodsより軽いという美点を備えています。さらに安価な完全ワイヤレスイヤホンも登場していますが、携帯性や装着感を重視する方にぜひ試してほしい製品です。