South Korea
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アップルはApp Storeで配布するアプリにおけるアプリ内購入では自社の決済方式を使うよう義務づけています。それ以外の決済方式を実装、ないしアプリ外購入へのリンクはApp Store Reviewガイドラインにより禁止しており、それを「フォートナイト」で回避しようとしたEpic Gamesとは今なお訴訟が続いています。

そうした状況のなか、韓国ではアップルおよびGoogleがアプリ開発者に自社の決済手段を強制することを禁じる法案が成立する見通しだと報じられています。

米Reutersによると、韓国国会では電気通信事業法改正案が審議中であり、まもなく最終的な決定が下される予定とのこと。韓国議員らは2020年半ばから手数料問題を取り上げており、本法案も「アンチGoogle法」とも呼ばれているそうです。

この法律が成立すれば、アップルとGoogleにとって大きな収入源である「アプリ内購入での手数料の徴収」が制限されます。こうしたハイテク大手に対する規制は、先進国においては初の試みとなります。

もちろんアップルは反対しており「他のしくみでデジタル商品を購入するユーザーを詐欺の危険にさらし、プライバシー保護を弱め、購入の管理を困難にする」との声明を発表。さらに法案が成立すればApp Storeの信頼低下を招き、これまでアップルとの取引で8兆5500億ウォン(約8032億円)以上を稼いできた48万以上ものアプリ開発者にとってチャンスを減らすことにもなると主張しています。

アップルやGoogleによるアプリストア支配を切り崩す動きは、韓国に限られたものではありません。たとえば米議会ではiPhone標準アプリの削除制限(App Storeの独占に繋がるとして)を禁止する法案が提出されたのに続き、超党派の議員らがサードパーティのアプリストアやサイドロード(App Store外からのアプリのダウンロードやインストール)を義務づける法案を推進しています

もっとも米通商代表部のホッジ報道官は、今回の韓国での動きに対して「米国企業に対する差別と競争促進を区別する必要性を認識しながら、韓国で法案が検討されるにあたり、様々な関係者を話し合って事実を把握しようとしている」と述べています。

つまり米バイデン政権は、米国内ではハイテク大手の独占に歯止めを掛けようとしつつも、海外で米国企業の競争力が弱められる動きは警戒している模様です。もしも法案が成立したとしても、その後に米韓政府の間で駆け引きが繰り広げられるのかもしれません。

Source:Reuters

via:9to5Mac