VR Drive
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韓国の警察庁(KNPA)が2025年までに高齢ドライバー向け条件つき免許制度の導入を計画し、そのためにVR(バーチャルリアリティ)による運転テストを行う予定だと現地メディアが報じています。

Yonhap News(聯合ニュース)によると、KNPAは3年かけてVR運転適性テストを実現するために研究開発を始めるとのこと。まず2022年には政府予算が12億ウォン(約1億1500万円)割り当てられ、3年間の総予算は36億ウォン(約3億5000万円)かかる見込みだと伝えられています。

KNPAの統計によると、2018年時点では65歳以上のドライバーによる交通事故の件数は、30代と比べて1.86倍にも上ったとのこと。また65歳以上のドライバーによる1万人あたりの死亡者数は2.75人で全年齢層の中で最も多い上に、2008年~2018年の間に運転免許を持つ高齢者は300%(約100万人から300万人)に増加しています。

このプログラムに参加している研究者らは、事故の原因が加齢とともに起こる視力低下にあり、特に光への反応が遅くなること(明るい場所から暗い場所に移ったときなど)が大きいと強調。また軽度の認知症やアルツハイマー病が危険な状況だと認識することを妨げる可能性もあり、これらの病気を治すための薬が反応を遅くしたり、眠気を引き起こす危険も指摘しています。

韓国が検討している運転テストの内容は、記事執筆時点では明らかにされていません。ただ、かつて(今回とは別の)研究者らが、VRヘッドセットを使って様々な条件下で運転能力を測定する学術研究を発表しています

1つ目のシナリオは昼間の高速道路で、もう1つは夜の高速道路。これらには、3つの 「予期せぬ出来事」が含まれていました。1つ目は、犬がドライバーの車線に飛び込んでくること、2つ目は他のドライバーがテスターの車線に移動してくること。最後に十字路から接近してきたトラックが高速道路に入ってくるというものです。

すでにVRヘッドセットとハンドル、ペダルやシフターなどの入力機器は市販されており、現実さながらに没入できるドライブ環境を作り出すことは難しくないはず。またVRシミュレーションならば「いきなり飛び出してくる子供」など安全に不慮の事態を起こすこともたやすく、とっさの運転能力や認知能力を測りやすいとも思われます。

日本でも高齢ドライバーには免許の自主返納が呼びかけられていますが、認知能力の衰えは人によって様々であり、また地方では日常生活や仕事に不可欠という事情からも、一律の規制は望ましくないとの声もあります。誰も傷つけずに運転能力を測れるVRテストの採用が広がれば、社会の安全と個人の利便性とのバランスが取りやすくなるかもしれません。

Source:, Yonhap News

via:BGR