SpaceXが、火星を目指すべく開発中のロケット宇宙船Starshipプロトタイプの、2度目の150m浮上試験を完了しました。
今回試験を行ったSN6と呼ばれるプロトタイプは、前回使用されたSN5と外観はほとんど変わらず、遠くから見ればラベルも塗装もされていないスプレー缶かカセットボンベのよう。イーロン・マスクはそのサイズ感から”空飛ぶ給水塔”と呼びました。
SN6の試験用ロケットエンジンは機体の中心からややずれた位置にあり、SN6はやや斜めになりながら浮上、そのまま水平移動して、着陸地点へスムーズに降り立ちました
Second 150m flight test of Starship pic.twitter.com/ROa0kQZXLI
— SpaceX (@SpaceX) September 4, 2020
このテストの目的はStarshipの内部配管の機能確認と飛行中のラプターエンジンの推力ベクトル制御システムの確認。2度の150m浮上試験の成功はそれらがきちんと機能していることを示したと言えそうです。またこれらの試験で使われたSN5とSN6が、ふたたび試験に用いられるのかはわかりませんが、現在SpaceXは加圧燃料タンクを含むSN7の設計製造をすすめています。
またArs Technicaは、次のSN8が大きなノーズコーンやフィンを備えた実際のStarshipの形に似通ってくる可能性を伝え、高度20kmまでの浮上試験を行う可能性があると伝えています。さらにSpaceflight.comは、すでにSN9が組み立てを開始しており、SN10も部品の納入がテキサス州ボカチカの施設で始まっていると述べています。
イーロン・マスクCEOは2019年9月にStarshipの開発を劇的に加速すると宣言し、複数バージョンのの試作機を同時並行で開発し、最終的な目標に到達するラピッドプロトタイピング手法を導入しました。以降、これまでには幾度かの爆発やタンク破裂といった派手な失敗もあったものの、ここへ来てその開発が、まさに軌道に乗りつつあるようです。
source:NASASpaceflight