スマホカメラとAIで糖尿病を検出。精度80%以上、早期発見を可能に

おいしいものを食べられなくなる前に

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年08月18日, 午後 01:20 in deep learning
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UCSF
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カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが、スマートフォンの内蔵カメラを使って2型糖尿病を検出する「デジタルバイオマーカー」を開発したと発表しました。

2型糖尿病は体質(遺伝)や高カロリー高脂肪食の摂り過ぎ、運動不足などによって、インスリン分泌の量やインスリンの効き具合が低下し、血糖値が下がりにくくなるという、いまさら説明するまでもないほどメジャーな生活習慣病。初期はほとんど症状が出ないため、自分は健康だと信じ込んでいるといつの間にかかなり進行している、たちの悪い病気です。

UCSFが開発した方法では、フォトプレチスモグラフィー(光電式容積脈波記録法:PPG)と呼ばれる技術を応用しています。PPGでは組織に光を照射し、血液量の変化を検出します。たとえば病院で血中酸素濃度を測るために小指を挟む洗濯ばさみのようなものも、PPG技術を利用しています。

研究チームは、5万3870人の糖尿病の患者を含む260万人分のPPG記録を用いて39層の畳み込みディープニューラルネットワーク(DNN)を鍛えあげ、スマートフォンの内蔵カメラで取得したPPGデータから糖尿病を検出できるようにしました。このアルゴリズムは、2つの個別のデータセットから最大81%の正確さで糖尿病の患者を正しく識別できたと報告されています。

研究者はこれほどの予測の正確性があればこのアルゴリズムが疾患の予備診断ツールとして十分な役割を果たし、医師による診断の確定と治療方針の計画が可能になると述べ、スマートフォンやそれをベースとしたツールで低コストに糖尿病疑いの人に確認試験を奨めることができるとしました。

我々がすぐに思いつく次のステップは、このアルゴリズムを搭載した糖尿病(疑い)診断用のスマートフォンアプリを作ること。しかし研究者らは、糖尿病診断や治療モニタリングなど特定の臨床応用に対して、この技術の有効性を判断するため、さらなる研究を行うことを推奨しています。

いずれにせよ、スマートフォンアプリのような身近な手段でいままでよりも簡単に、また早期に糖尿病の兆候がわかるなら、後戻りできなくなる前に病気の進行を食い止め、人々がより健康な生活をおくれるようになるはずです。

ちなみに、糖尿病が進行すると様々な合併症が現れます。そのなかでも特に日々の生活に影響するの糖尿病性網膜症。高い血糖値が続くと眼内の毛細血管が破れ、組織に酸素や栄養が届かなくなり、酷い場合はある日突然目が見えなくなります。これの診断にも、スマートフォンのカメラを使った方法が研究されています。

source:UCSF(1), (2), Nature Medicine

 
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