今年はじめ、Spotifyは人の感情状態や年齢、性別を検知しその状態に合わせた楽曲をリコメンドする音声認識システムの特許を取得しました。しかし、そのようなシステムは多くの人々にややネガティブな印象を与えることになりました。

デジタル著作権に関する非営利団体Access Nowは4月、Spotifyに対してその特許技術を放棄するよう書簡を送りました。この書簡には団体にくわえてRage Against the Machineのトム・モレロ、ヒップホップシンガーのタリブ・クウェリ、インディーズロックバンドのDIIVら180人以上のミュージシャンが署名し、特許のシステムを使用したり、ライセンスや販売などで収益化に利用しないことを求めています。

一方SpotifyのCEOダニエル・エクに宛てられた別の書簡では、この技術に関する5つの事項を提示してその懸念を表明しています。たとえば、この技術でユーザーの感情が操作されたり、個人情報の収集に利用されたり、人々の差別につながる可能性を危惧しています。また音楽業界における経済的な格差をさらに拡大する可能性もあると述べ「音楽は人と人とをつなげるために作られるべきであり、利益最大化を目的としたアルゴリズムのために作られるべきではありません」とし、5月18日までに書簡への回答を公表するよう求めました。

これに対し、Spotifyは「特許に記される技術を当社製品に実装したことはなく、今後その予定もありません。発明を特許化するかどうかの判断は、必ずしもその発明を製品に実装するという意図を反映するものではなく、ユーザーや社会全体に対する責任など、他の多くの考慮すべき事項も加味して判断されます」と返答したことを明らかにしました。

つまりSpotifyは、今回の特許はあくまで技術として保持するものの、それを利用し、わざわざ一般の反感を買ってまで利益を追求するようなことはしないとしているわけで、それを信じるならAccess Nowやミュージシャン達の心配は杞憂だったということになりそうです。ただ念のためAccess Nowは上記の要求についてSpotifyが公約とすることを求めました。

Source:Access Now