[名称] SQ2542
[種類] HDD
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 約63.5mm(2.5インチ)
[容量] 42MB
[登場年] 1993年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「SQ2542」は、SyQuest社が開発した2.5インチリムーバブルHDDのカートリッジ。「PRO*NOTE」というポータブルドライブ用で、デスクトップPCへの内蔵型ではなく、ノートPCで使えるパラレル接続の外付けドライブとなっていたのが特徴です。このPRO*NOTEはバッテリーで動作し、2時間ほど使えたというのですから、ポータブル用としてしっかりと考えられた製品でした。

ただし価格は、新製品発表時でドライブが899ドル、カートリッジが239ドルという高価なもの。実売価格だとだいぶ変わりますが、それでもドライブが500ドル程度と安くありません。当時、SyQuestの主力となっていた5.25インチ88MBのドライブがほぼ同価格ですから、コンパクトという点を考慮しても、だいぶ割高な製品でした。

ちなみにカートリッジの価格も探してみたのですが、公開されているPC MAGAZINEのバックナンバーでは見当たりませんでした。ただし、Computer History Museumで公開されている、SyQuest設立者Syed Iftikar氏へのインタビューで、100ドルというワードが出ています。正確な価格ではないものの、割高だというのは間違いないでしょう。

ということで、カートリッジです。

2.5インチということもあって、サイズはコンパクト。大きさは横約67.5mm、縦約68.5mm、厚さ約6.5mmで、MDに近いものです。SyQuestといえば、EZ135のようにカートリッジが半透明で、中のディスクが見えるという印象が強いですが、このSQ2542は不透明の黒でした。

せっかくなので、サイズ感が分かるようにMO・Zipと並べてみましょう。

近い世代のリムーバブルディスクとしては、かなり小さいというのが分かりますね。そもそも比較対象のサイズ感がわからん、などといわれそうですが。

裏面も見てみましょう。

小さくてもリムーバブルHDDなので、裏側は他のSyQuest製品に近く、中央にモーター接続部となるハブがむき出しになっています。右下に見えるのが、ライトプロテクト用のスライドスイッチ。これを下へ動かすと、「READ ONLY」となります。

挿入口面にカバーがあり、これを開く事で内部のディスクへとアクセスが可能になります。バネで閉じるようになっていますがロック機構はなく、簡単に開くことができました。

この2.5インチモデルの開発が行われていたのは、1990年頃から。Maxtor出身の技術者を迎え、子会社のIota Memories Corporationで開発が進められていました。このIotaは1993年までにSyQuestに統合されたため、製品はSyQuestからの発売となっています。

こういった経緯があるため、海外のWikipediaでSyQuestの項目を見ると、「SQ2542 drive/disk - 42 MB 2.5" The Iota series.」と書かれてるわけですね。最初、この意味が分からずにだいぶ悩みました。

SQ2542を使うPRO*NOTEは、競合がいないコンパクトサイズということで価格面で強気に出たのだと思いますが、翌年には、それなりの速度とソコソコの小ささ、そして20ドルという激安カートリッジのZipがIomega社から登場。SyQuestはあっという間に価格競争に引きずり込まれ、苦戦を強いられることになりました。

連載:スイートメモリーズ

参考:

42 Megabyte Cartridge, Computer History Museum
INTRODUCING PRO NOTE, MAY 25 1993 PC MAGAZINE P101, Google
HARDWARE, New & Imnproved, JUNE 15 1993 PC MAGAZINE P66, Google
Removable cartridge with a 21/2 inch form factor for a disk drive, Google
Oral History of Syed Iftikar, Computer History Museum
SyQuest Technology, Wikipedia