[名称] スマートメディア(SSFDC)
[種類] フラッシュメモリー
[記録方法] 専用端子(22ピン)
[サイズ] 37×45×0.76mm
[容量] 0.5MB~128MB
[登場年] 1996年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「スマートメディア(SmartMedia)」は、東芝によって開発されたフラッシュメモリーメディア。メディア側にコントローラーを内蔵しないことで、小型化、薄型化、低価格化を実現していたのが特長です。小型・薄型化によるメリットは、実装体積が小さくなること。機器設計時に無理なく搭載できるという点で優れていました。

1996年4月に業界団体として、富士写真フイルム、東京エレクトロン、オリンパス光学工業、セガ・エンタープライゼス、東芝の5社を幹事会社とする、SSFDCフォーラムが設立されています。

当初の名称は、フォーラム名からもわかる通り「SSFDC(Solid State Floppy Disk Card)」。フラッシュメモリーを使ったメディアなのに、「フロッピーディスク」という言葉が入っていて少々困惑しますが、そういう名称なので仕方ありません。受け入れましょう。

ただし、この名称ではなかなか覚えてもらえないだろうことを危惧したのか、1996年7月には、愛称(ロゴ名称、呼称)として「スマートメディア(SmartMedia)」を使うことが決定され、同年10月、統一ロゴマークと共に新名称として発表されました。

その後もSSFDCの名称は残っていますが、製品に記載されることはまずなかったため、SSFDCの名称を知らない人の方が多いでしょう。

形状はフロッピーディスクをうっすら連想させる、長方形の1つの角がカットされたもの。22ピンの端子が大きく、むき出しになっています。いかに低価格に作れるのかを探った結果、この形状になったというのが推測できますね。

端子の形状が波打つ形になっているのは、電圧が加えられた時にはすべての端子がソケット内のピンと接触している状態になっている……ことを期待したものなのでしょうか。ピンアサインを見ながらしばらく考えてみたのですが、ちょっとよくわかりませんでした。

この写真のメディアはわりと初期のものか、著作権保護のための固有IDがありません。ID付きの製品、SmartMedia IDには「ID」という文字が印刷され、音楽プレーヤーなどで利用できるようになっていました。実際の写真で見てみましょう。

先の写真では「16MB-3.3」となっていた表記が、この写真は「ID 16MB」というように変わっています。ちなみに、メディアのメーカーはどちらも富士フイルムです。

端子下部、右側にある丸で囲まれたスペースは、ライトプロテクト用のシールを貼る部分。この薄さではスイッチを付けることが難しいための、ここに導電性のシールが貼られているかどうかで、書き込み可能かどうかを調べていたわけです。もちろん、メディアにはラベルシールと一緒にライトプロテクトシールも付属していました。

左がラベルシールで、右がライトプロテクト用のシールです。素材はちゃんと調べていませんが、たぶんアルミかと。なお、再度書き込むにはシールをはがす必要がありますが、はがしたシールは再利用が難しいため、誤消去防止としては少々微妙なものでした。二度と内容を書き換えない、マスターデータ用とかであればいいのですが……。

スマートメディアは当初、動作電圧が5Vで登場しましたが、1997年の頭頃から3.3Vのメディアが登場。この切り替わりの時期には5Vと3.3Vの2種類のメディア、そして、5Vのみ、3.3Vのみ、5V/3.3V両対応の機器といったように、対応する機器とメディアが分かりにくくなり、少々混乱が見られました。

そうはいっても、メディアはカットされている角の位置が異なるため、見た目で区別が可能です。3.3Vでは右上がカットされていましたが、5Vでは左上がカットされています。

ちょっと見にくいですが、「2MB-5」という文字が刻印されているのがわかるかと。

わりとすぐに3.3Vへ移行した記憶がありますが、そうなると困るのが、5Vにしか対応していない機器を使っていたユーザーです。デジカメであれば機器の進化も早く、新しいものへと買い替えやすいですが、楽器や音響機器となるとそうもいきません。後年、5Vのスマートメディアを求めて中古ショップを探し回る人がいたとかいないとか……。

スマートメディアは価格の安さからフラッシュメモリーメディアの黎明期を支えたものの、コントローラーを内蔵しないことによる相性や互換性、容量上限が128MB、高速化が難しいといった問題にぶつかり、1998年にメモリースティック、1999年にSDカードといったライバルが現れると、徐々に衰退。最後までスマートメディア対応デジカメを出していたオリンパス光学工業と富士写真フイルムも、2002年にはxDピクチャーカードへと移行していきました。

2005年3月には東芝がスマートメディア生産からほぼ撤退し、2007年5月にSSFDCフォーラムが解散。消えていきました。

連載:スイートメモリーズ


参考:

SSFDCフォーラム, Wayback Machine
SSFDCフォーラム(解散後), Wayback Machine
切手サイズの薄型メモリーカードの新名称と統一ロゴマークの設定について, 東芝
東芝、スマートメディアから撤退へ, ITmedia NEWS
スマートメディア, ウィキペディア