Massimo Pinca / Reuters
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EVメーカーNikolaの創業者で会長だったトレヴァー・ミルトン氏が、2件の証券詐欺と1件の電信詐欺の疑いで起訴されました。ミルトンは、Nikolaの株価を上向かせるために「事業に関するほぼすべての面」で虚偽の発言をしていたとされています。

起訴状によれば、ミルトン氏はNikolaの電気自動車開発が実際よりも遥かに順調に進捗しているかのように偽っていました。またNikolaが宣伝のために制作した映像は、電気トラックNikola Oneの試作車が自力で走っているかのように見えましたが、実際は下り坂を惰性で進んでいるだけのフェイク映像だったとのこと。

この試作車がどれぐらいのレベルでハリボテだったかについて検察の説明をまとめると、トラックに搭載されている電気部品はすべて(トラックに積まれたバッテリーではなく)外部電源を使用しており、そこには燃料電池も水素タンクもなく、ギアボックスにギアは組まれておらず、車高調整も完了していませんでした。また、ミルトン氏がトラックを始動するのに使用したダッシュボードのタッチ画面は市販のタブレットをはめ込んだだけ。結局、試作車のシステムにはなにもつながっていなかったとのことです。

さらに、ミルトン氏はNikolaの電気自動車の予約は数十億〜数百億ドル分に達している、水素燃料電池車に必要な水素も独自の供給網によって市場価格の1/4という安価で提供できるようになる、”画期的な”バッテリー技術を開発した、電気自動車の重要な部品のいくつかを自社で開発・製造している、Nikolaのトラックの所有コストは、一般的なディーゼルトラックよりも20〜30%安価になるなどと方々で話していましたが、それらもすべて偽りだったと起訴状は述べています。

検察は、ミルトン氏が主に個人投資家をターゲットにこうした情報で誤解を与えて投資を募っていたとのことで被害者の中には数十万ドルもつぎ込んだ人もいるとされます。

Nikolaの株式資産はこれまでの最高値のときで総額約85億ドルにも達していました。起訴陪審は上記犯罪で追跡可能な額の財産をすべて引き渡すべきと考えており、そのなかには2020年6月にNikolaが株式公開をした際に得た10億ドル相当も含まれる可能性があるとされています。

SECは今回の起訴で地方裁判所に対し、ミルトンが「不正に得た利益」の没収と、然るべき罰金を支払うよう求めました。またミルトン氏が証券を発行する企業の役員に就くことも、その生涯に渡って禁じるよう求めています。

Source:SEC(PDF)

via:CNBC, The Verge